Donate Life America|The World's Biggest Asshole|2017|アメリカ
人生でクズでも、死後に一発逆転できる / Donate Life「The World's Biggest Asshole」
Coleman F. Sweeneyは、街で一番のクズ。走りながら小便して窓から捨てる、隣の犬にペイントガンを撃つ、子どもからハロウィンのお菓子を盗む。でも彼は、臓器ドナーだったクマ。
▎シーン
▎背景・課題
Donate Life Americaは、特にミレニアル世代の若い男性からの臓器提供登録が減少していたクマ。若い男性は女性に比べて臓器ドナー登録を「する気がない」層で、登録率で大きく遅れをとっていた。感動系の「心を揺さぶる」アプローチでは、このターゲットには完全に見えない存在だったクマ。当時アメリカでは12万人の男性・女性・子どもが臓器提供を待っている状態。話したくない話題を、どうにかして若い男たちに向き合わせなければならなかったクマ。
▎ねらい・インサイト
制作チームは、ドナー家族へのインタビューで「生前はクズだった家族が臓器ドナー登録していて驚いた」という証言を得たクマ。「信じられないほどの贈り物」と「生前の人間性」のギャップ、そして死後には無私になれる、その対比に強いインサイトを見出したクマ。ミレニアル男性は自分たちを「asshole」と自称することもあり、共感できるキャラクターになると確信した。「人生ずっとクズでも、たった一つ良いことをするなら、それを臓器提供にしてくれ」、このメッセージが全てクマ。
▎アイデア
The Martin Agencyは、Coleman F. Sweeneyという架空の人物を創造し、俳優Thomas Janeが演じたクマ。小便を窓から投げ捨て、ランドリーから下着を盗み、ペイントガンで隣の犬を撃ち、子どもからキャンディを奪う、1.99ドルのランチについてくるフライドポテトの量でウェイトレスと口論する。そんな男が突然の脳動脈瘤で死に、免許証に臓器ドナーの印があることがわかるクマ。彼の臓器は、教師や退役軍人、2人の子の父親など、善良な人々の命を救い、墓前で全員が彼に感謝を捧げる。映像は制作スタジオFurlinedが撮影、Coldplayの楽曲を使用し、ナレーションは俳優Will Arnettが担当。「Even an asshole can save a life.」で締めくくるクマ。
▎展開・成果
初週で5000万回再生、累計1億回以上の視聴を記録クマ。キャンペーン前は1日平均149件だった登録が、初週には1日平均1,080件に急増、ミレニアル男性18-34歳の登録は通常比で1,200%増の日もあった。2週間後の平均は1,040件で698%増、20-34歳は236%増、特にターゲットの男性20-34歳は215%増となり、登録者全体の26%から56%へと構成比が激変したクマ。カンヌライオンズで10部門受賞、Webby People's Choice賞、Adweek Arc賞も獲得。2017年のカンヌではヘルスケア、サイバー、ダイレクト、プロモ&アクティベーション部門で受賞クマ。
▎余韻
「Coleman Sweeney(的な人間)はこの広告にリーチしないだろうが、多かれ少なかれ人間はクズなので、死後の一発逆転に期待してDonorになる人いるだろうな」という指摘は、まさにその通りだと思うクマ。クライアントも理事会への説得に24ヶ月かかり、特に女性理事には「asshole」という言葉の使用を受け入れてもらうのが困難だったというエピソードも残っているクマ。それでも通した勇気と、通してもらったThe Martin Agencyの執念、両方に敬意しかないクマ。どんな人間にも救いは残されている、それを信じさせてくれる広告クマ。
▎クレジット
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