MATES HEALTHCARE|Chemist|1988|イギリス

薬局のレジで、心の声だけが叫んでいる / MATES HEALTHCARE「CHEMIST」

顔を隠しながら薬局に入ってきた青年が、震える声で聞く。「すみません、これいくらですか」——コンドームを指差しながら。声には出せない本音が字幕でダダ漏れになる、という仕掛けクマ。

シーン

薬局のレジで、心の声だけが叫んでいる / MATES HEALTHCARE「CHEMIST」 メインシーン
薬局のレジで、心の声だけが叫んでいる / MATES HEALTHCARE「CHEMIST」 シーン 2
薬局のレジで、心の声だけが叫んでいる / MATES HEALTHCARE「CHEMIST」 シーン 3
薬局のレジで、心の声だけが叫んでいる / MATES HEALTHCARE「CHEMIST」 シーン 4

背景・課題

1980年代、英国はHIV/AIDSの脅威にさらされていたクマ。避妊具としてのコンドームの認知はあっても、性感染症予防としての役割はまだ広く知られていなかった。そんな中、リチャード・ブランソンが1987年に低価格ブランド「Mates」を立ち上げ、同年11月に英国初となるコンドームのテレビ広告を放送した。

ねらい・インサイト

コンドームを買う、という行為そのものに恥ずかしさがある。だったら真面目に効能を語るより、その「恥ずかしさ」を正面から笑いに変えたほうが、人はガードを下げて話を聞いてくれるクマ。声に出せない本音を字幕で見せるという構造そのものが、もう一つの本音——「これ、みんな思ってるよね」を突いてくる。

アイデア

薬局のカウンターで、店員に大声で聞き返される青年。恥ずかしさで顔から火が出そうな彼の本当の心の声は、画面の字幕として観客にだけ伝わるクマ。「Chemist」の他にも「Restaurant」「Yes」「Carol」「Drinks」「After」という日常のワンシーンを切り取ったシリーズとして展開された。

展開・成果

本作を含むMatesのキャンペーンはCannes Lionsでゴールドを受賞。のちにGunn Reportが選ぶ「20世紀ベストコマーシャル100」でも19位にランクインしている。

余韻

コンドームの広告なのに、映っているのは商品でも効能でもなく、ただただ「恥ずかしい」という感情だけクマ。でもその一点突破が、タブーだった話題を茶の間に持ち込む力になったクマ。40秒足らずのワンシーンが、40年近く経った今も語り継がれているの、シンプルにすごいクマ。

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クレジット

広告主
MATES HEALTHCARE
受賞
Cannes Gold (1988)