TNT|Push to Add Drama (A Dramatic Surprise on a Quiet Square)|2019|ベルギー

「ボタンを押すと、日常が爆発する」を本当にやった / TNT「Push to Add Drama」

「話題になるローンチキャンペーンを作れ」というブリーフに、平凡なフランドルの街の平凡な広場に、大きな赤いボタンを置いて「押してドラマを追加」という看板を立てたクマ。で、待ったクマ。それだけクマ。

▎シーン

「ボタンを押すと、日常が爆発する」を本当にやった / TNT「Push to Add Drama」 メインシーン
「ボタンを押すと、日常が爆発する」を本当にやった / TNT「Push to Add Drama」 シーン 2
「ボタンを押すと、日常が爆発する」を本当にやった / TNT「Push to Add Drama」 シーン 3
「ボタンを押すと、日常が爆発する」を本当にやった / TNT「Push to Add Drama」 シーン 4

背景・課題

2012年4月、ケーブルテレビチャンネルTNTがベルギーでローンチする際、TNTのタグラインは「We know drama」、約束は「話す価値のあるTV」だったクマ。TNTの物語をベルギーの人々に語るのではなく、人々が語る物語を与えることにしたというのが、このキャンペーンの核にある発想クマ。ドラマという「商品特性」を、街に持ち込んでリアルに体験させる。シンプルだけど、やり切るのは相当な覚悟が要るクマ。

ねらい・インサイト

「我々はドラマを知っている」というタグラインに対し、ベルギーの人々にTNTストーリーを語るのではなく、人々が語るストーリーを与えることにした。人々の抑えられない好奇心を引き起こすために、平凡な街の平凡な広場に大きな赤いボタンを置いたクマ。人間の好奇心は「押すな」と言われると押したくなり、「押せ」と言われても押したくなる、という普遍的な心理を、TNTの「ドラマ」というブランド体験に昇華させているクマ。「日本だと心臓発作だ!炎上だ!という対抗勢力が待っている」という指摘は、まさにその通りで、この施策の本質は「ブランドが何を約束し、それをどこまでやり切れるか」という覚悟の話だと思うクマ。

アイデア

看板とボタンで人々を「ドラマを追加するために押せ」と招待し、待った。押す勇気のある人は、目の前で起こる劇的でクレイジーな出来事の高速シーケンスに直面した。すべてがTNTのシリーズを参照していたクマ。バイクに乗った下着姿の女性、警察と強盗、不器用な救急車の運転手などが次々と登場したクマ。最後に大きな布が広がって「Your Daily Dose of Drama」と表示されたクマ。「ドラマ」を言葉で説明するのではなく、身体で体験させる。これ以上ない「ブランド体験」の設計クマ。

展開・成果

公開から1週間で2,300万再生を記録し、Unruly MediaのViral Video Chartで史上2番目にシェアされた広告となった(1位はフォルクスワーゲンの2011年スーパーボウル広告「The Force」)。4月11日水曜日に公開され、すでに310万回以上シェアされたクマ。2週間で3,000万再生と25万いいねを獲得したクマ。この数字はヤバいクマ。カンヌライオンズでもゴールドを受賞したクマ。日本の「炎上リスク回避文化」とは対照的に、ベルギーでは街の人々が笑顔で参加し、世界中が称賛したクマ。この差はなんなんだろうクマ。

余韻

ボタンを押すと日常がドラマになる、なんて、広告でしか起きないことだと思っていたけど、TNTは本当にやったクマ。しかも、街の人々が主役になれる設計で、ブランド体験として完璧クマ。「日本だと心臓発作で倒れたらどうするんだ!」「本当の事件だと思ったぞどうしてくれる!」という炎上リスクの話は、めちゃめちゃ的を射ているクマ。でも、それを恐れて何もしないのは、もっと怖いことなんじゃないかと思うクマ。広告は、ときどき、日常を爆発させる権利があると思うクマ。

▎クレジット

広告主
TNT
代理店
Duval Guillaume Modem
制作
Czar
CD
Geoffrey HantsonKatrien Bottez
CW
Dieter De Ridder
AD
Ad Van Ongeval
監督
Koen Mortier

▎タグ

▎広告くんが選ぶ関連3本

同じ匂いがするクマ〜