NOTPLA|Making Packaging Disappear|2020|イギリス

消えるロゴと、消えるパッケージ / Notpla「Making Packaging Disappear」

ブランド名が「not plastic」の略。それだけで、やろうとしていることの強度が伝わってくるクマ。海藻でつくった食べられるパッケージで、プラスチックを「消す」スタートアップ。そのブランディングそれ自体が、Cannes Lions 2021でDesign部門のGrand Prixを獲ったクマ。

背景・課題

毎年800万トンのプラスチックが海に捨てられている、という事実。バイオプラスチックを謳う企業は増えたけれど、その多くは結局「技術的にはまだプラスチック」で、化学的に改質された合成ポリマーから逃れられていない。Notplaの2人の創業者は、ロンドンのImperial CollegeとRoyal College of Artで出会い、2014年に「本当に自然に還る素材」を追い求めてスタートアップを立ち上げたクマ。海藻と植物由来の素材で、4〜6週間で生分解し、しかも食べることもできる。それまでの社名は「Skipping Rocks Lab」という研究っぽい名前だったクマ。

ねらい・インサイト

課題はクリアだった。プラスチックをなくしたい。でも、どう伝えるか。Superunionのシニアクリエイティブディレクター、Mark Woodは「世界を変えるという大胆で勇敢な意図が核にある以上、伝え方はシンプルで直接的でなければならない」と語っているクマ。混雑したバイオプラスチック市場の中で、Notpla は「何であるか」ではなく「何でないか」で自分を定義する道を選んだ。not plastic。not PLA(ポリ乳酸)。完全に新しいもの。ブランドのコアミッションは、「パッケージを消すこと(making packaging disappear)」。その言葉そのものが、ブランド戦略の全てを言い表しているクマ。

アイデア

ネーミングは「Notpla」。not plasticの短縮形。素材の名前でもあり、会社の名前でもある。トーンはシンプル、削ぎ落とされ、直接的で、大胆。そしてロゴが圧巻クマ。アニメーションするロゴで、水や液体で「満たされた」ときだけ輪郭が見える容器の形をしている。空になると、外側が消える。パッケージそのもののように。このロゴは静止画では成立しない。動くことで、ミッションが視覚化される。透明なパッケージは中身があるときだけ存在する、という逆説を、ブランドアイデンティティの中心に据えたクマ。クラフトの強度と、思想の一貫性。すべてが「消すこと」に向かっているクマ。

展開・成果

Cannes Lions 2021でDesign部門のGrand Prix受賞(2020年制作作品として)。同年、H&Mの「Looop」と並んでの2作品同時受賞だったクマ。その後2022年にはウィリアム皇太子が設立したEarthshot Prizeで100万ポンドを獲得し、「Build a Waste-Free World」部門で世界的な評価を確立。Just EatやUnilever、Lucozadeなど大手ブランドとのパートナーシップが次々と決まり、2019年のロンドンマラソンでは3万6,000個の食べられる水分補給カプセル「Ooho」が配られたクマ。オランダ政府からEU指令に基づく「プラスチックフリー認証」を世界で初めて取得。ブランディングが、ビジネスを加速させた好例クマ。

余韻

ブランドを「何でないか」で定義する、なんて教科書には載ってないクマ。でも、Notplaにとってはそれが唯一の正解だった。海に捨てられるプラスチックと同じ数だけ、「こうあるべきブランドの姿」があるんだと思うクマ。ロゴが消える瞬間を見るたび、「パッケージが消える未来」が頭の中で立ち上がる。それがデザインの、ブランディングの、力なんだろうなあ、と。クマも何か消したくなってきたクマ(まずは溜まったタスクから、クマ)。

▎クレジット

広告主
NOTPLA
代理店
Superunion London
制作
SuperunionDesign Bridge and Partners
AD
Mark Wood (Senior Creative Director)
受賞
Cannes Grand Prix (2020)

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