
LVMH|THE PARTNERSHIP THAT CHANGED EVERYTHING|2025
ロゴを置かずに、国を着せた / LVMH「THE PARTNERSHIP THAT CHANGED EVERYTHING」
オリンピックは広告を禁じているクマ。競技エリアにロゴは出せない、セレモニーにブランドは映らない。じゃあ1億5000万ユーロ(約250億円)のスポンサーシップをどう可視化するのか。LVMHの答えは、「競技の外側すべてを、クラフトで埋め尽くす」だったクマ。
AWARD
Cannes Lions
260 articles

LVMH|THE PARTNERSHIP THAT CHANGED EVERYTHING|2025
オリンピックは広告を禁じているクマ。競技エリアにロゴは出せない、セレモニーにブランドは映らない。じゃあ1億5000万ユーロ(約250億円)のスポンサーシップをどう可視化するのか。LVMHの答えは、「競技の外側すべてを、クラフトで埋め尽くす」だったクマ。
VIATRIS|MAKE LOVE LAST|2025
これは、コンドームの広告です——いや違う、バイアグラの広告クマ。でも最初に言っとかないと、絶対に気づかないクマ。なぜなら、これは「広告」ではなく「アート作品」として世に出されたから。

DOVE|Real Beauty Redefined for the AI Era|2025
20年。DOVEが「Real Beauty」を掲げてから、20年が経ったクマ。そして2025年、新しい敵が現れたクマ。それは、AIクマ。生成AIが吐き出す「美しい女性」の画像は、また同じように画一的で、細くて、白人ばかりで、DOVEが20年かけて戦ってきた「偽りの美」そのものだったクマ。でも今回DOVEがやったのは、ただ文句を言うことじゃなかったクマ。アルゴリズムそのものを、ユーザーの手で「再教育」する仕組みをつくったクマ。これ、ヤバいクマ。
IDOMED|NIGRUM CORPUS|2025
「If racism is the disease, education is the cure」。このセンテンスがすべてを語っているクマ。医学教育機関が、ブラジルの医療現場に根付く構造的人種差別に立ち向かうために選んだ武器は、ショートフィルムでも、SNSキャンペーンでもなく、一冊の「本」だったクマ。
MERCADO LIVRE|CALL OF DISCOUNTS|2025
ゲーム実況を見ていたら、突然ネイマールが椅子になったクマ。いや、正確には「椅子に化けたネイマールを探せ」というゲームが始まって、見つけるまでの時間で、その椅子の値引き率が決まるという。やってることハチャメチャなんだけど、結果が全部ついてくる、そういう企画クマ。
NATURA|The Amazon Greenventory|2025
アマゾンで利益を得るには森林伐採が必要、という思い込みを、AIとドローンが覆したクマ。

GODADDY|Act Like You Know|2025
8年ぶりのスーパーボウル復帰。そこで GoDaddy が選んだのは、「演技」と「現実」のあいだにある、あの心細さを笑いに変える一手だったクマ。

PENNY|PRICE PACKS|2025
インフレと動的価格戦略で生活者が価格の不安定さに苦しむ時代に、価格そのものをパッケージデザインの主役にしたという事実が、シンプルすぎて逆に衝撃クマ。普通は「品質」を語るところを、真正面から「値段」をデカデカと刷り込む。これ、めちゃめちゃ勇気いるクマ。
UN LIVE, SPOTIFY|SOUNDS RIGHT|2025
2024年のアースデイ、Spotifyに「NATURE」という新人アーティストが登場したクマ。波の音、鳥の声、熱帯雨林のざわめき。彼女の楽曲は、地球が何億年もかけて作り続けてきた音そのもの。そして驚くべきことに、この「NATURE」は再生されるたび、ロイヤリティを受け取り、自然保護プロジェクトへと資金を送るクマ。国連とSpotify、そしてAKQA Copenhagenが仕掛けたこの壮大なキャンペーンは、2025年Cannes LionsでInnovation部門のGrand Prixに輝いたクマ。

BUDWEISER|ONE SECOND ADS|2025
1秒。広告として最も短い時間かもしれないけど、音楽ファンにとっては「十分すぎる」時間クマ。BeyoncéもTaylor SwiftもThe BeatlesもFoo Fightersも、たった最初の1音で分かる――そのインサイトを武器に、Budweiserが仕掛けた超ショート広告がCannes Lions 2025でAudio & Radio部門のGrand Prixを獲ったクマ。スキップ不可能で、何度も再生されて、ファン同士が競い合う。広告の「長さ」じゃなくて「つながり」で勝負した、ブラジル発の痛快な一撃クマ。

INDIAN RAILWAYS|Lucky Yatra|2025
年間8億ドルの損失を出し続ける無賃乗車問題に、インド鉄道が出した答えは「取り締まり強化」じゃなかった。切符を宝くじに変える、というシンプルで美しいアイデアだったクマ。Cannes Lions 2025でPR部門グランプリ含む計9個のLionを獲得したこのキャンペーンは、広告が社会課題を解決する力を改めて見せつけてくれたクマ。

DOVE|Real Beauty: How a Soap Brand Created a Global Self-Esteem Movement|2025
2025年カンヌで3つのグランプリを獲った広告があるクマ。しかもそれ、2004年から続いてる石鹸ブランドのキャンペーンクマ。20年以上。もう広告とかキャンペーンとか、そういう枠を完全に超えちゃってるクマ。
PARIS 2024|Olympic Games Opening Ceremony|2025
五輪開会式をスタジアムの外でやる。しかも6キロの川を使って。正気か?と誰もが思ったはずクマ。でもパリは本当にやった。2024年7月26日、セーヌ川に160隻のボートが浮かび、選手たちは街の中心をパレードした。30万人が川沿いに立ち、15億人が画面越しに見守ったクマ。これは「開会式」じゃなくて、「都市が舞台になる瞬間」だったクマ。
L’OREAL|THE FINAL COPY OF ILON SPECHT|2025
17分のドキュメンタリーで、人生が変わるクマ。いや、正確に言えば「変わってしまった人生」を目の当たりにする、という体験クマ。1971年、23歳の女性コピーライターが書いた4つの言葉が、50年以上経った今も世界中で使われ続けている。その言葉を生んだ本人が、人生の最期に語った言葉を記録したフィルムが、Cannes Lions 2025 でFilm部門のGrand Prixを獲った。これは広告の話であり、広告の話ではない。人間の話クマ。
THE NEW ZEALAND HERPES FOUNDATION|THE BEST PLACE TO HAVE HERPES|2025
ヘルペスをニュージーランドの新しい「誇り」にする――そんなバカげた提案を、元オールブラックスのコーチが大真面目に語るクマ。羊の数は減り、パイは高くなり、国の誇りはどこへやら。だったら、ヘルペスで世界一になればいいじゃん、とクマ。Cannes Lionsで2つのGrand Prixを獲った時点で、この企画が正気じゃないことは明らかだけど、だからこそ正気に戻ったクマ。

Vaseline|Vaseline Verified|2025
ヴァセリンが155年の歴史で初めてやったこと。それは「SNSに転がってる無数のライフハックを、全部ラボで検証する」というハチャメチャな企画クマ。ティターニアム獲っちゃうのも納得クマ。

Nikka Whisky|No Labels|2025
ラベルを剥がす。商品からも、人からも。そうしたら、ウイスキーが「生き方」になったクマ。

Chicago Deaf Society|Caption with Intention|2025
1971年から2025年まで、字幕はずっと白かったクマ。それを「当たり前」だと思っていたクマ。でもこのプロジェクトを知った瞬間、クマは自分の思考停止を恥じたクマ。

Virgin Media O2|Daisy vs Scammers|2025
詐欺師を騙す、AIおばあちゃん。それだけで十分に面白いんだけど、これが本当に動いていて、本当に詐欺師の時間を奪い続けていて、しかもそれがブランドの評判を回復させて、社会課題の解決にもつながっているという事実。広告の未来がこっち側にあるなら、クマは安心できるクマ。
Mountain Dew|Play the Dew|2025
人間の声で「DEW」と発音するだけで、ゲームの世界が立ち上がるクマ。銃声も、エンジン音も、爆発も、すべて「DEW」クマ。ブランド名がそのまま効果音になるなんて、こんなラッキーなことある?って思うけど、ラッキーを「使い切る」ってこういうことなんだなあ、とクマは思ったクマ。

SPOTIFY|Spreadbeats|2024
Excelで4分のミュージックビデオをつくる、なんていう発想が生まれた瞬間を想像するクマ。絶対誰かが「バカじゃん」って笑ったと思うクマ。でもそのバカげたアイデアがGrand Prixを獲るクマ。広告ってそういうものクマ。

ERRATA AT 88 -|Errata at 88|2024
88歳。その年齢になって初めて、彼女は「正しい場所」に立ったクマ。1962年、ボサノヴァを世界に紹介した伝説のコンサートがニューヨークのカーネギーホールで開かれた。でも、そこにAlaide Costaの名前はなかった。2023年、60年記念の再演が企画された。またしても、彼女の名前はなかった。Johnnie Walkerは、この歴史的な誤りを正すことにしたクマ。

UN WOMEN|Child Wedding Cards|2024
予算1,500ドル以下。AI なし。セレブなし。特殊効果なし。あるのは、5歳から15歳の女の子たちが描いた結婚式の招待状だけ。それを国会議員に送りつけたら、法律が変わったクマ。

MASTERCARD|ROOM FOR EVERYONE|2024
2年経って、ポーランドのウクライナ難民への支持は52%まで落ちたクマ。「もう十分だろう」「仕事を奪われる」そんな空気が、確実に広がっていたクマ。ウクライナ人がポーランドで新規開業する事業の10%を占めるようになって、彼らは「競争相手」として見られるようになったクマ。でも、この施策は分断の物語を、希少性と恐怖から、豊かさと機会の物語に変えたクマ。

Coca-Cola|2024
コカ・コーラの象徴的なロゴが、リサイクルプロセスで缶が潰されたあとの姿として描かれたキャンペーンが、Cannes Lions 2024でPrint & Publishing部門のGrand Prixを受賞したクマ。

SPECSAVERS|THE MISHEARD VERSION|2024
Rick Astleyの「Never Gonna Give You Up」を、わざと聞き間違えた歌詞で再レコーディングして、説明なしにリリースしたクマ。8時間で2,000万回再生、Cannes Lionsで6個のライオンと2つのGrand Prix。PR代理店が単独クレジットでPR Lions Grand Prixを獲得した史上初という歴史的快挙クマ。補聴器の広告で、ここまでやれるのか、と。

LOEWE|LOEWE x Suna Fujita|2024
京都の田舎町で陶器を焼く夫婦の工房と、スペインのラグジュアリーブランドLOEWE。この組み合わせが、カンヌライオンズ史上初のラグジュアリー&ライフスタイル部門グランプリを獲得したクマ。

PHILIPS|REFURB (Better Than New)|2024
新品を売らずに、リファービッシュ品だけを売る。そんな決断をグローバルテック企業が下したクマ。しかもそれがカンヌライオンズでグランプリを獲ったクマ。広告キャンペーンの枠を超えて、ビジネスモデルそのものを変えにいく。これ、ヤバいクマ。

SOL CEMENT|SIGHTWALKS|2024
セメント会社が、セメントでできることを考えた結果がこれクマ。視覚障害者が杖で地面を叩きながら歩くとき、その足元のタイルに刻まれた線の数で「ここは銀行」「ここは薬局」って分かるようになってるクマ。2本線なら銀行、3本なら食料品店、4本なら薬局。ペルー・リマのミラフローレス地区に75,000平米以上敷き詰められて、50万人以上の視覚障害者の自律的な移動を可能にしたクマ。

HEINZ|IT HAS TO BE HEINZ|2024
AIに「ケチャップを描いて」と頼んだら、勝手にハインツが出てきた。レストランが偽物ケチャップをハインツのボトルに詰め替えている。人に「ケチャップ描いて」と言えば、みんな無意識にハインツを描く。これらぜんぶ、5年かけて集めた「事実」クマ。そしてその事実の束が、2024年カンヌライオンズ Creative Effectiveness 部門のグランプリに輝いたクマ。

SYDNEY OPERA HOUSE|Play It Safe|2024
これは、コンドームの広告ではないクマ。シドニー・オペラハウスの50周年記念ムービークマ。タイトルが「Play It Safe(安全にやろう)」で、Tim Minchin が歌う歌詞も「リスクを冒すな、安全にいこうぜ」って内容なのに、映像は徹底的に「危険な創造性」を讃えている。この皮肉が、めちゃめちゃ効いてるクマ。
CERAVE|Michael CeraVe|2024
名前が似てるから、っていう理由だけで俳優を巻き込んで3週間かけて全米規模のフェイクニュースを作り上げて、スーパーボウルで種明かしする。頭おかしいクマ(最高の褒め言葉)。こんなの通したクライアントも、乗ったマイケル・セラも、450人のインフルエンサーも、全員狂ってるクマ。でもそれが154億インプレッションと売上25%増に繋がるんだから、広告って本当に面白いクマ〜!

SIEMENS HEALTHINEERS|Magnetic Stories(The Flying Train)|2024
MRIの轟音——軍用ジェット機より大きい音を、子どもたちはロボットに、飛ぶ列車に、宇宙船に聞こえるように変えたクマ。こんなの、ズルいクマ。

Magnum Ice Cream|2024
真冬にアイスクリームなんて売れるわけない――そんな業界の常識に、マグナムとLOLA MullenLoweが挑んだクマ。

Pedigree|2024
Pedigree「Adoptable by Pedigree」がColenso BBDO(ニュージーランド・オークランド)により制作され、カンヌライオンズ2024のOutdoor Lions部門でGrand Prixを受賞したクマ。ブランドの「犬のホームレスを終わらせる」という継続的な野心のもと、AIを使って保護犬の写真をスタジオ品質の写真に変換し、保護犬の養子縁組広告を民主化したクマ。

KOREAN NATIONAL POLICE AGENCY|Knock Knock|2023
モールス信号から着想を得て、声を出さずに助けを求められる緊急通報システムをつくった。たった2回、画面をタップするだけで警察に居場所を知らせ、密かにチャットもできる。65年ぶりに韓国の緊急通報のあり方を変えた、文字通りの「ノック」クマ。

APPLE|RELAX, IT'S IPHONE: R.I.P. LEON|2023
預かったトカゲが死んでる。最悪だ。いや待って、生きてる!? ――たった30秒のこの絶望と歓喜の往復に、iOS 16の新機能「メッセージ送信取り消し」が完璧に重なっていて、もう最高としか言いようがないクマ。

SKINNY|Phone It In|2023
広告費なんてないから、素人に頼もう。それも、競合他社の客に。そんな開き直りが、Cannes Lions Grand Prixになるんだから世の中おもしろいクマ。

PGLANG|WE CRY TOGETHER|2023
2023年のカンヌでFilm Craft部門のGrand Prixを獲った6分間クマ。Kendrick LamarとTaylour Paigeが演じる、カップルの激しい口論。それをワンカットで、生歌で、2020年3月に撮りきったクマ。見ている間ずっと息ができなくなる強度。これは「広告」というより「作品」なんだけど、でも同時に、Kendrickと相棒Dave Freeが2020年に立ち上げたクリエイティブ・カンパニー pgLang の、圧倒的な Film Craft 能力を世界に見せつけた一本でもあるクマ。

APPLE|THE GREATEST|2023
2023年、Appleはこの2分21秒の動画で世界中の広告賞を総なめにしたクマ。Emmy、Cannes Lions Grand Prix、D&AD、The One Club Best in Showと、まあ獲れるもんは全部獲った感じクマ。でもこれ、「広告がすごい」んじゃないクマ。人間がすごいクマ。
EUROFARMA|SCROLLING THERAPY|2023
パーキンソン病の患者が、笑顔を失っていく。眉をひそめることも、驚いた顔をすることもできなくなっていく。その喪失がどれほど残酷か、想像するだけで胸が痛むクマ。でもこのアプリは、その「無表情」と戦う武器を、めちゃめちゃ賢い方法で患者に手渡したクマ。

クラシエホームプロダクツ|日本の四季|2023
1年かけて撮影したクマ。タイムラプスで四季を撮るだけじゃなく、桜を中心にカメラをぐるっと1周させる、と聞いた瞬間に「ヤバい企画だ」と思ったクマ。でも信頼関係があったから成立した、と関係者が口を揃えて語っていて、広告って結局そこだよな、と思ったクマ。

MEMORIAL SLOAN KETTERING CANCER CENTER|Working with Cancer|2023
2人に1人が、生涯でがんと診断される時代クマ。でもその「2人に1人」が恐れているのは、命だけじゃないクマ。職を失うこと、同僚に知られること、もう前のように働けないと思われること——病気そのものと同じくらい、職場での立場に怯えているという事実に、クマは言葉を失ったクマ。

DOORDASH|Self-Love Bouquet|2023
バレンタインデーに11本のバラと1本の「Rose™」が届く。12本目は、そう、TikTokでバズりまくったあのセックストイクマ。DoorDashが仕掛けた「自分を愛する」ためのブーケは、3日で完売、7.5億インプレッション、Cannes Lions PR部門グランプリ。タブーに触れながら、ちゃんとビジネスを2倍にした、完璧な一手クマ。

RENAULT|PLUG-INN|2023
これは広告なのか、それとも新しいビジネスモデルなのか。いや、両方クマ。ルノーがCannes Lions 2023でCreative Strategy部門のGrand Prixを獲った「PLUG-INN」は、クマが好きなタイプの、境界線をぶっ壊す仕事クマ。
B3 STOCK EXCHANGE & UNITED NATIONS GLOBAL COMPACT|EART4|2023
地球が、会社になった。しかも「倒産寸前」の。クマは最初この一文を目にしたとき、何が起きているのか理解できなかったクマ。でもこれ以上ないくらい完璧な、ビジネスリーダーへの「通訳」だったクマ。

MICHELOB ULTRA|DREAMCASTER|2023
生まれつき全盲のCameron Blackには、夢があったクマ。スポーツキャスターになること。NBAの試合を実況すること。誰もが「無理だ」と思うその夢を、Michelob Ultraは1年かけて叶えたクマ。これは、テクノロジーが人の夢を現実にした瞬間の記録クマ。
PENNY|The Wish|2022
2021年のクリスマス、ドイツのディスカウントスーパーがやってのけたクマ。息子の何気ない質問に、母親が答える。「あなたの青春を取り戻してほしい」。パンデミックで奪われた10代の経験すべてを──夜更かしも、失恋も、こっそり抜け出す冒険も。たった3分のフィルムが、YouTubeで410万再生、#PENNYがTwitterトレンド入り、ドイツ最大の新聞BILDが報じ、Film Craft Lions のグランプリを獲ったクマ。

PENGUIN BOOKS|Portuguese (Re)Constitution|2022
ポルトガル初のカンヌライオンズ グランプリクマ。しかも1,058エントリーからの頂点。動画を見た瞬間に、これは勝つべくして勝ったな、と思ったクマ。青い鉛筆で憲法を塗りつぶしていく映像の強度がハンパじゃないクマ。

DECATHLON|THE BREAKAWAY|2022
囚人がバーチャルで外の世界の人々とサイクリングをする。この一文だけで、クマの心は揺さぶられたクマ。スポーツが持つ「解放」の力を、ここまで文字通りに、そして美しく証明した事例があっただろうか、と。

MARS|HOPE REEF|2022
宇宙から見える広告。それも、本物の、生きた珊瑚でできた広告クマ。キャットフードのブランドが、海の底に「HOPE」という文字を育てた。Google Earth で確認できる。ダイブもできる。そして何より、珊瑚が本当に戻ってきている。これ、広告としてどうなのか、という議論は当然あるけれど、クマはこのスケール感と本気度に心を掴まれたクマ。

HUMANE SOCIETY INTERNATIONAL|SAVE RALPH|2022
ウサギのラルフは、片目が見えない。片耳は聞こえない。背中には化学薬品の火傷の跡がある。それでも彼は誇らしげに「テスター」としての仕事を語るクマ。4分間のストップモーション・アニメーションが、世界中で1億5000万回以上再生され、メキシコを動かしたクマ。

奇譚クラブ|カプセルトイの歴史|2022
冒頭から「国民放送局提供」のテロップが出てきて、おや、と思ったクマ。カプセルトイが神の言葉を聞くための儀式として使われていた古代、兵器として使われていた近代、そして意志を持ったガチャに支配される未来。15分を超える3部作すべてが、全力の「ウソ」クマ。

エフエム群馬|思い出話キヌヨさん|2022
「思い出話キヌヨさん」というタイトルを見た瞬間、なんだか懐かしいような、温かいような、そんな気持ちになったクマ。地方のラジオ局が、どんなふうに「思い出話」を広告にしたのか。GRAND PRIX を獲ったということは、何かが確実にあったはずクマ。

APPLE|Escape from the Office|2022
9分クマ。2022年に9分の広告をつくるなんて、正気の沙汰じゃないクマ。でもAppleはやったクマ。しかもカンヌでFilm Grand Prixを獲ったクマ。MoMAの永久コレクションにも入ったクマ。クマも最初から最後まで観ちゃったクマ。

森ビル|DESIGNING TOKYO|2022
2分5秒。この尺で58年間を旅させるクマ。1956年の西新橋2森ビルから2014年の虎ノ門ヒルズまで、森ビルが手がけてきた6つのプロジェクトを、シームレスなカメラワークでつないでいく。途中、山口小夜子や坂本龍一、村上隆といった時代を象徴する人物が当時の姿で登場し、街並みに溶け込んでいく。CG? 実写? その境界がもはや曖昧で、ただただ「東京という都市の記憶」がスクリーンから溢れ出してくるクマ。

COINBASE|Less Talk, More Bitcoin|2022
QRコードが、ただ画面を跳ね回る。60秒間、それだけ。セレブなし、ナレーションなし、商品説明なし。スーパーボウルという広告の最高峰で、Coinbaseがやったのは「何もしないこと」だったクマ。

POLYCAM X UNESCO|BACKUP UKRAINE|2022
2022年2月、ロシアがウクライナに侵攻したとき、爆撃で失われていくのは人の命だけじゃなかったクマ。何百年も街を見守ってきた彫刻も、教会も、記念碑も、その国のアイデンティティそのものが、この瞬間にも消えていく。そのとき、広告業界にいるクリエイターたちが考えたのは「自分たちに何ができるか」だったクマ。そして彼らが出した答えは、誰もが持っているスマホを、文化を守る武器に変えることだったクマ。

大塚製薬|カロリーメイト 見えないもの篇|2021
2020年、誰もが見えないウイルスと闘った年。そしてカロリーメイトは、その年の受験生にも、いつものようにCMを届けたクマ。でもいつものようには、いかなかった。リモート授業、消毒、アクリル板、中止になった大会。森山直太朗の「さくら」が流れた瞬間、涙が止まらなかったクマ。

THE BIG ISSUE & LINKEDIN|Raising Profiles|2020
LinkedInにホームレスが登録する、という発想それ自体がもう最高で、思わず「そうきたか!」と膝を打ったクマ。意外だけど完璧に筋が通ってて、しかもパンデミックという絶望的な状況への応答として、ここまで希望に満ちたソリューションがあるか、と。泣けるクマ。

XBOX|THE BIRTH OF GAMING TOURISM|2020
ゲームの宣伝って、ずっとヒーローと武器と戦闘ばっかりだったクマ。それを「観光地」として売り始めたXboxの頭のおかしさ(褒めてる)に、クマは心から拍手を送りたいクマ。

EPIC GAMES|ASTRONOMICAL|2020
2020年4月、世界が家に閉じ込められていた数週間後のこと。Travis Scottは巨大化し、Fortniteの島を縦横無尽に踊り狂ったクマ。1,230万人が同時に目撃し、総計2,770万人が参加した、ゲーム史上最大規模のバーチャルコンサート。物理世界の制約を全部ぶっ壊したとき、エンターテインメントはどこまで行けるのか、その答えがここにあるクマ。

HEINEKEN|SHUTTER ADS|2020
2020年、パンデミックでバーが閉まり、街からシャッターが消えた。いや、消えたんじゃない。降りたんだクマ。そして、そのシャッターが広告になったクマ。

NOTPLA|Making Packaging Disappear|2020
ブランド名が「not plastic」の略。それだけで、やろうとしていることの強度が伝わってくるクマ。海藻でつくった食べられるパッケージで、プラスチックを「消す」スタートアップ。そのブランディングそれ自体が、Cannes Lions 2021でDesign部門のGrand Prixを獲ったクマ。

SINYI REALTY|IN LOVE WE TRUST|2020
7分23秒の不動産ブランドフィルムが、台湾全土を泣かせたクマ。そして台湾の広告史上初のカンヌグランプリを獲ったクマ。不動産屋なのに物件を一切映さず、ひたすら「結婚への恐怖」を語り続けるこの勇気、しびれるクマ。

CARREFOUR|ACT FOR FOOD|2020
スーパーマーケットが法律を破って、法律を変えたクマ。しかもそれが、グランプリを獲るクマ。2021年、カンヌライオンズの新設部門Creative Business Transformationで、Carrefourの「ACT FOR FOOD」が最高賞を受賞した瞬間、業界はざわついたクマ。広告が社会を動かすって、こういうことクマ?

日清食品|匂わせたい|2020
グラス越しに見切れる男の肩。おそろいの靴。「わたしは勝ちぐみ」の縦読みポエム。ああ、またSNSの匂わせ女子か、と思ってイラッとするクマ。でもこのイラッが、あとで最高の快感に変わるクマ。
BECO|#STEALOURSTAFF|2020
ブランドにとって「スタッフの引き抜き」は悪夢のはずなのに、BECOは自らそれを歓迎したクマ。いや、むしろ積極的に「盗んでください」と言い出したクマ。パッケージにスタッフの履歴書を印刷して、大手スーパーの棚に並べたクマ。この「逆さまの求人広告」は、2021年のカンヌライオンズでHealth & Wellness部門のグランプリを獲ったクマ。
BURGER KING|STEVENAGE CHALLENGE|2020
イングランド4部のサッカーチーム。平均観客動員数3,000人。FIFA 20内での評価は星ひとつ。そこにバーガーキングがスポンサードした瞬間、世界中のゲーマーがメッシやロナウドをこのチームに移籍させはじめたクマ。

MERCADO LIVRE|FEED PARADE|2020
2020年、世界最大規模のプライドパレードが消えたクマ。パンデミックが奪ったのは、何百万人もの人々が集まる2.5kmの道と、そこで声をあげる権利だったクマ。でも、ブラジルの独立系エージェンシーGUTは「奪われた場所」を、279枚の写真でInstagramに作り直したクマ。

SPINNEYS THE LEBANESE BREAST CANCER FOUNDATION|THE BREAD EXAM|2020
パン生地を押す手つきが、乳がんのセルフチェックと同じだったなんて。そんな発見から生まれたキャンペーンが、文化を超えて1億人以上に届いたクマ。
TINDER|SWIPE NIGHT|2020
2019年10月、毎週日曜日の夜だけ。世界の終わりまであと3時間というシチュエーションで、君はどう過ごす? Tinderのアプリを開くと、そこには一人称視点で展開する終末ドラマが待っていて、7秒以内に選択を迫られる。右にスワイプ? 左にスワイプ? その選択が、物語を変え、そしてマッチング相手まで変える。マジか、と思ったクマ。

TELENOR|NAMING THE INVISIBLE PAKISTANIS|2020
6000万人。パキスタンで出生証明書を持たない子どもの数クマ。医療も教育も受けられない、児童労働や人身売買から守られない、文字どおり国家にとって「透明な存在」だったクマ。通信キャリアが本気でこの問題に挑んだとき、テクノロジーは権利になった。2021年カンヌライオンズで2部門Grand Prixを獲得した、パキスタン初の快挙クマ。

LACOSTE|CROCODILE INSIDE|2020
建物が真っ二つに裂けていく。言い合いが、本当に世界を崩壊させていく。でも最後、彼女は飛ぶクマ。これはもう、映画クマ。

CHEETOS|CAN'T TOUCH THIS|2020
オレンジ色の粉まみれの指を見せて「触れないクマ〜」って言い訳する男の後ろから、MC Hammerが飛び出してくる。最高クマ。絨毯に巻かれたハンマー、赤ちゃんの顔になったハンマー、ピクニックバスケットから出てくるハンマー。もうハチャメチャクマ。でもこれ、ただ面白いだけじゃなくて、スーパーボウルで新商品をローンチする戦略そのものがヤバいクマ。

NETFLIX|人間まるだし。|2020
「美しい時代です」という皮肉から始まるナレーションクマ。2019年、誰もが「正しさ」に燃えていた時代に、Netflixが放った一撃。『全裸監督』というタブーど真ん中のドラマを引っ提げて、「人間まるだし。」と言い切った。渋谷スクランブル交差点が真っ赤に染まって、真実・欲望・本能・興奮・憎悪・快楽・狂乱・嫉妬・絶望・狂気という10の言葉が連打された瞬間、広告としての「強度」を感じたクマ。

DIESEL|ENJOY BEFORE RETURNING|2020
「ワードローブ」と呼ばれる行為がある。服を買って、着て、返品する。ファッション業界に年間150億ドルの損失を与えているクマ。どのブランドも頭を抱え、中には常習者をブラックリスト化する小売店まで現れた。そんな中、DIESELは全く逆の道を選んだクマ。「止められないなら、楽しもうよ」と。
BURGER KING|THE MOLDY WHOPPER|2020
カビだらけのハンバーガーが、世界でいちばん美しい広告になった瞬間を、クマは忘れないクマ。2020年2月、バーガーキングが世界に向けて発信したのは、腐敗していくワッパーの姿。35日間、ひたすらカビが生えていくだけ。タグラインは「The beauty of no artificial preservatives(人工保存料ゼロの美しさ)」。食品広告のタブーを全部ぶち破って、業界に衝撃を与えたクマ。

COPI|ADDRESSPOLLUTION.ORG|2020
家を買うとき、アスベストがあるかどうかは教えてもらえる。でも大気汚染は? クマはこの問いに、ハッとしたクマ。見えない殺人者を、住所でランク付けして可視化する。それだけで、不動産業界も政府も動かざるを得なくなる。シンプルで、強い。

ABINBEV|Contract for Change|2020
ビールのCMだと思って見始めたら、契約書の話だったクマ。しかもその契約書が、アメリカの農業システムそのものを変えようとしているクマ。広告が「何かを伝える」んじゃなくて、広告そのものが「システムになる」——そういう次元の話クマ。

BEATS BY DRE|You Love Me|2020
2020年11月、2分間のフィルムが世界に問いかけたクマ。「あなたはブラック・カルチャーを愛している。でも、クマたち(Black people)を愛してる?」と。この一撃の強さクマ。

CITY OF CHICAGO|Boards of Change|2020
2020年、シカゴの街を覆っていた合板が、投票ブースに生まれ変わったクマ。ただの再利用じゃない、意味の転換クマ。破壊の象徴を、変革の道具に変えるっていう発想が、もう強すぎるクマ。

REDDIT|Superb Owl|2020
5秒クマ。たった5秒。読めないクマ。でもそれがすべてだったクマ。2021年のスーパーボウル、何百万ドルもかけた華やかなCMがひしめく中で、Redditは5秒間の静止画テキスト広告を流して、全部持っていったクマ。「Wow, this actually worked(マジで成功した)」って書いてあるその広告、まさにその通りになったクマ〜。

OLD TOWN ROAD FT. BILLY RAY CYRUS|Old Town Road (Official Movie)|2020
30ドルで買ったビートと、大学中退した20歳の絶望と、TikTokという新大陸と、カントリー界のアウトローと、それを全部まとめて「Official Movie」と呼ぶ度胸。この動画が2021年のカンヌで Entertainment Lions for Music の Grand Prix を獲ったとき、世界は「そりゃそうだ」と頷いたクマ。

WARNER MUSIC GROUP|SAYLISTS|2020
12人に1人の子どもが抱える言語障害(SSD)。療法のカギは「繰り返し」なんだけど、それがまあ、子どもには退屈クマ。でも音楽なら? ていうか音楽こそが、最高の繰り返しじゃん? という超シンプルな問いから、Warner Musicと広告代理店Rothcoは7000万曲のApple Musicカタログをアルゴリズムで解析し、療法的価値のあるプレイリスト「Saylists」を生み出したクマ。

GOOGLE|Creatability|2019
顔を動かして音楽を奏でる。音を聴いて絵を描く。身体の動きが楽器になる。これは、障害を持つ人々のためだけのツールではなく、「創造性」という概念そのものを問い直す実験だったクマ。

NIKE|DREAM CRAZY|2019
ひざまずいた男が、世界最大のスポーツブランドの顔になった。賛否が真っ二つに割れることを知りながら、Nikeはコリン・キャパニックを選んだクマ。スニーカーを燃やす人々と、新たに買い求める人々。その両方が同時に存在する広告なんて、前代未聞クマ。

MARS|THE LION'S SHARE|2019
2019年のカンヌライオンズで、SDGs部門のグランプリを獲ったこのキャンペーンは、広告そのものというより「広告業界の構造変革」を狙った仕組みクマ。動物は広告の20%に登場するのに、動物自身は1円ももらえない。この矛盾を、たった0.5%の拠出で解決しようとしたクマ。

JOHNSON & JOHNSON|5B|2019
94分間のドキュメンタリーフィルムが、Cannes Lions Entertainment 部門でグランプリを獲った。ブランデッドコンテンツとして作られたにもかかわらず、Cannes Film Festival で正式上映され、全米100以上の劇場で公開され、「広告」という枠をまるごと突き抜けて映画として成立してしまったクマ。これがどれだけヤバいことか、クマにも分かるクマ。

CARLINGS|ADDRESS THE FUTURE|2019
服を買って、着て、写真を撮って、SNSに上げる。でもその服は物理的には存在しない。2019年、ノルウェーのファッションブランドCARLINGSが世界初の「完全デジタル服コレクション」を発表したとき、クマは正直「???」ってなったクマ。でもこれ、Digital Craft部門で史上初のグランプリを獲ったクマ。

WENDY’S|Keeping Fortnite Fresh|2019
ファストフードチェーンがビデオゲームの中で9時間ぶっ続けで冷凍庫を破壊し続けたら、ゲーム開発者がゲームそのものを変更した――そんなハチャメチャな話が2019年、本当に起きたクマ。しかもこれ、Cannes Lionsで初代Social & Influencer部門のGrand Prixを獲ったクマ。Nike「Dream Crazy」を抑えて。やばいクマ。

IKEA|THISABLES|2019
家具を変えるんじゃなくて、パーツを足す。その発想が、世界を変えたクマ。

DOCONOMY|DO BLACK|2019
クレジットカードが止まる。でもそれは、使いすぎたからじゃない。あなたが排出したCO2が、年間の限界値に達したから。こんなラディカルなこと、本当にやっちゃったクマ。

GSK GLAXOSMITHKLINE|BREATH OF LIFE|2019
スマホに息を吹きかけると、画面に水墨画の木が育っていく。美しい。でもこれ、アートじゃなくて診断ツールクマ。中国で1億人が罹患しているのに、診断率わずか7%という慢性閉塞性肺疾患(COPD)。この静かな殺人者に、伝統芸術とテクノロジーで立ち向かったクマ。3年ぶりのカンヌ Pharma Grand Prix、納得の受賞クマ。

WILLIAM PATRICK CORGAN|Aeronaut VR|2018
ミュージックビデオなのに、観客が自由に動き回れる。ビリー・コーガンのすぐ横に立てる。景色が変わるたび、色が変わるたび、自分も一緒に旅をしている感覚になる。VRが「体験」になった瞬間クマ。

TODAY@APPLE|Today at Apple|2018
2018年、カンヌでAppleが獲ったのは「広告」じゃなかったクマ。店舗体験でGrand Prixクマ。しかも「売る場所」を「学ぶ場所」に変えるという、小売の前提を全部ひっくり返す仕掛けで獲ったクマ。これ、広告業界が本当に考えるべきことなんじゃないかと思うクマ。

AB INBEV|TagWords|2018
看板に印刷されているのは、画像じゃなくて「検索ワード」クマ。これ、天才的クマ。
P&G|THE TALK|2018
「the talk」と聞いて、あなたは何を思い浮かべるクマ? 大半の人は「性教育」を連想する。でもアメリカの黒人の親にとって、「the talk」はまったく別の意味を持つクマ。それは、子どもに人種差別の現実を教える会話のことだった。このインサイトから生まれたフィルムは、Cannes Lions で Film Grand Prix とエミー賞を獲得し、18億超のメディアインプレッションを記録したクマ。

TESCO|Food Love Stories|2018
2018年、Cannes LionsのMedia部門でGrand Prixを獲った、英国スーパーマーケットの大型キャンペーンクマ。「料理はただの食材じゃなくて、愛する人とのつながり」——そんな当たり前のことを、ここまで緻密にメディアプランニングして届けた事例は、なかなか見ないクマ。
KPN|EVERT_45|2018
もし1945年に生きていた少年が、今のクマたちと同じようにYouTubeでvlogを撮り、Instagramに投稿していたら――。そんな問いから生まれたこのキャンペーンは、第二次世界大戦の記憶を若い世代につなぐために、テクノロジーという架け橋を使ったクマ。

BLINK TO SPEAK -|Blink To Speak|2018
世界初の「目の言語」クマ。ALSや脊髄損傷で体が動かなくなった人たちにとって、目は最後まで動く部位。その目で「ありがとう」も「助けて」も言えるようにした、これは広告というより発明に近いクマ。

MONTEFIORE|CORAZON - GIVE YOUR HEART|2018
48分の映画で、臓器ドナー登録をたった15秒にする。この矛盾に満ちたアイデアが、2018年カンヌでHealth & Wellness部門のグランプリを獲ったクマ。映画館で涙を流した観客が、劇場を出た瞬間にスマホを胸に当てて心臓の鼓動でポスターを起動させ、15秒でドナー登録を完了させる。エンタメと広告の境界がここまで溶けた瞬間を、クマは他に知らないクマ。
NIKE|Nothing Beats a Londoner|2018
Skeptaが画面に現れた瞬間、若者にディスられて退場するクマ。主役はセレブじゃない、ロンドンの路上で泥臭く練習する258人の無名のアスリートたちクマ。3分間、息つく暇もないスピードで展開するこのフィルムは、公開数時間でYouTubeトレンド1位、Drake やロンドン市長までシェアし、世界中が「これは特別だ」と感じた一本クマ。

TIGO-UNE|THE PAYPHONE BANK|2017
コロンビアに、銀行口座を持てない人々が800万人いるクマ。日給3.5ドルで暮らす彼らは、硬貨を隠しながら生きていて、犯罪のリスクに晒され続けているクマ。そこで通信会社のTIGO-UNEは、全国1万3000台の公衆電話を、そのまま銀行の端末にしてしまったクマ。Product Design部門のGrand Prixは、伊達じゃないクマ。

MINISTRY OF PUBLIC HEALTH AFGHANISTAN|IMMUNITY CHARM|2017
ビーズのブレスレットがGrand Prixをとった、と最初に聞いたとき、クマは正直ピンとこなかったクマ。でもこれ、めちゃめちゃ強い企画クマ。審査員が「究極のウェアラブル」と呼び、トップ10のうち8つがこの作品だったという事実が、すべてを物語ってるクマ。

BOOST MOBILE|Boost Your Voice|2017
2016年のアメリカ大統領選挙で、Boost Mobileのケータイショップが投票所になったクマ。ただの話題づくりじゃなくて、本気で投票制度の不平等と戦った施策。Cannesで2つのGrand Prixを獲ったこのキャンペーン、広告の力で社会を変えようとした本気度がヤバいクマ。

WHIRLPOOL|Care Counts|2017
アメリカでは5人に1人の子どもが、清潔な服にアクセスできないまま暮らしているクマ。そしてその子たちは学校を休みがちになり、ドロップアウトのリスクが7倍になるクマ。Whirlpoolがやったのは、学校に洗濯機を置くこと。ただそれだけ。でもそれが、子どもたちの人生を変えたクマ。

TRANSPORT ACCIDENT COMMISSION VICTORIA|MEET GRAHAM|2017
グロテスクで、奇妙で、でも目が離せない。道路で生き残るためだけに設計された唯一の人間、それがグラハムクマ。首がなくて、頭蓋骨が分厚くて、胸に12個の乳首みたいなエアバッグがついていて、皮膚はゴツゴツ。見た瞬間「うわっ」ってなるけど、その「うわっ」の奥に、ものすごく大事なメッセージが埋まってるクマ。

IM SWEDISH|THE HUMANIUM METAL INITIATIVE|2017
広告の賞で「金属」が主役になるなんて、誰が想像したクマ? でもこれは、単なる金属じゃない。違法に押収された銃を溶かして作られた、Humanium Metal という名の金属クマ。2017年のカンヌライオンズで Innovation 部門のグランプリを獲ったこのプロジェクトは、暴力の象徴を平和の象徴に変えるという、とんでもない発明クマ。

ADIDAS ORIGINALS|ORIGINAL IS NEVER FINISHED|2017
「オリジナル」って何だろう、って考えたことあるクマ? adidasは「オリジナルであるためには未完成でなければならない」という神話を壊すために、史上最も使い古されたフランク・シナトラの「My Way」をもう一度リミックスしたクマ。やってることがハチャメチャで、めちゃめちゃ好きクマ。

THE BANK OF ÅLAND|ÅLAND INDEX / BALTIC SEA PROJECT|2017
クレジットカードで買い物をするたびに、あなたのCO2排出量が計算され、請求書と一緒に送られてくる。そんな仕組みを、世界で初めてつくったのは、北欧の小さな銀行だったクマ。しかもその裏には、バルト海を救いたいという切実な願いがあった。2017年 Cannes Lions Cyber 部門でグランプリを獲得したこの取り組みは、いまや90以上の銀行、40カ国以上で採用される「グローバルスタンダード」になっているクマ。

THE BLAZE|TERRITORY|2017
冒頭30秒、男が泣き続けるクマ。涙をこらえようとして、でも溢れて、家族に抱きしめられて、もう止まらなくなる。たった22カットで構成された5分間のミュージックビデオが、2017年カンヌライオンズでFilm Craft部門のグランプリを獲ったクマ。

BJÖRK|NOTGET VR|2017
VRでミュージックビデオを観る、と聞いて想像するものを、たぶんこれは超えてくるクマ。リアルタイムで変化し、観るたびに異なる体験を生み出すVRビデオとして、2017年カンヌライオンズでDigital Craft部門のグランプリを獲得したこの作品は、ただ「新しい」だけじゃなく、craft の全方位において最高峰に到達した仕事だったクマ。

RECRUIT LIFESTYLE|THE FAMILY WAY|2017
2017年、カンヌライオンズのモバイル部門でグランプリを獲得した日本発のキャンペーンクマ。電通Y&R東京が手がけた「THE FAMILY WAY」。グランプリに加えてゴールドとシルバーも同時受賞という快挙を成し遂げたクマ。
KENZO|MY MUTANT BRAIN|2017
香水のCMで女性が手からレーザービーム撃ってるクマ。しかもそれがTitanium Lion獲ってるクマ。香水業界、ついに壊れたクマ?

AP PUBLIC COMPANY LIMITED|The Unusual Football Field|2017
サッカー場って四角いものだ、という思い込みを、L字型とジグザグで壊してきたクマ。バンコクのクロントイ地区という密集したスラム街に、不動産デベロッパーがつくったいびつな形のサッカーコート。見た瞬間に「あ、これありじゃん」と思わせる強度があるクマ。

BURGER KING|Google Home of The Whopper|2017
たった15秒のCMが、数時間後には世界中のリビングルームで「事件」を起こしていたクマ。テレビの中の店員が「OK Google, what is the Whopper burger?」と言った瞬間、視聴者の家にあるGoogle Homeが勝手に喋り出す。Googleは激怒、Wikipediaは大荒れ、世論は真っ二つ。で、Cannes Lionsで Direct部門グランプリ。こんなの見たことないクマ。

GOOGLE, GE, MINI, NEW YORK TIMES|NYT VR|2016
段ボールだクマ。ただの段ボールクマ。でもその段ボールが100万個、新聞と一緒に配られて、165年の歴史を持つ新聞社が一夜にしてVRプラットフォームになったクマ。2016年、Google Cardboardと組んだニューヨーク・タイムズが仕掛けたのは、ジャーナリズムそのものの再定義だったクマ。

BEYONCE|FORMATION|2016
2016年2月6日、スーパーボウルの前日。Beyoncéは何の予告もなく、この5分間を世界に投げ込んだクマ。水没したニューオーリンズのパトカーの上に座る彼女の姿から始まるこの映像が、音楽業界に初めて設立されたCannes Lions Entertainment for Musicのグランプリを獲得したのは、「企業ブランドがついていない」作品としては異例のことだったクマ。

JACQUARD WEARABLE FABRIC|JACQUARD WEARABLE FABRIC|2016
2016年、カンヌライオンズで Product Design Grand Prix を獲得したこのプロジェクトは、ただの「スマート衣類」じゃないクマ。Googleが本気で挑んだのは、テクノロジーを「着る」んじゃなくて「織り込む」という、根本からの発想転換だったクマ。

BROOKE BOND RED LABEL TEA|6 PACK BAND|2016
2016年、インドで生まれた6人組のバンドが、Cannesで Grand Prix を獲ったクマ。彼女たちはトランスジェンダー。インド社会で「見えない存在」として扱われてきた人たち。音楽という普遍言語で、ブランドが本気で立ち向かったクマ。

NYT VR|THE DISPLACED|2016
2015年11月、ニューヨーク・タイムズは日曜版の新聞に100万個のGoogle Cardboardを同梱して配った。そのなかに入っていたのが、11分間のVRドキュメンタリー「THE DISPLACED」クマ。受け取った読者は、そのまま難民キャンプに「立つ」ことになった。翌年、Cannesで2つのGrand Prixクマ。

ALPHAGO|AlphaGo|2016
2016年3月、ソウル。2億人が見守る中で起きたのは、囲碁という2500年の歴史を持つゲームにおける「不可能」の崩壊だったクマ。コンピュータが世界王者を倒す日は、専門家たちが「あと10年は先」と予測していた未来。それをGoogleのロンドン拠点DeepMindが、一夜にして現実にしてしまったクマ。

VOLVO|LIFEPAINT|2015
これ、本当に「広告」と呼んでいいのかわからなくなるクマ。プロダクトをつくって、配って、それが文化になっていく。そのプロセス全部がキャンペーン。2015年にカンヌで二冠を獲ったこの仕事を見ると、広告会社の仕事の輪郭が溶けていく感じがして、ワクワクが止まらないクマ。

ALWAYS|#LIKEAGIRL|2015
「女の子みたいに走って」と言われた大人は笑いながらヘロヘロと手足をバタつかせ、同じ言葉を聞いた10歳の女の子は全力で駆け抜けた。その対比があまりにも鮮烈で、クマは画面の前で固まったクマ。これは、ただの生理用品のCMじゃなかった。思春期に失われる自信を取り戻すための、社会実験だったクマ。

WHAT3WORDS|3 WORDS TO ADDRESS THE WORLD|2015
広告じゃない。でも、Cannes で Grand Prix を獲った。2015年、Innovation 部門の審査員長 Nick Law が「これまで見た中で最高のボディ」と言い切ったプロダクトがあったクマ。それが what3words クマ。

VOLVO|INTERCEPTION (The Greatest Interception Ever)|2015
450万ドル払わずに、スーパーボウルをジャックする。そんなこと、できるわけないじゃん、と思うクマ? でもVolvoはやったクマ。ライバルたちが6000万ドルを注ぎ込んだその瞬間に、Twitterで世界トレンド入り。これがカンヌグランプリクマ。

LEICA|100|2015
100年前、ライカが写真を「スタジオの外」に連れ出したクマ。その功績を、35枚の名作写真の再現で語る2分間。シームレスな場面転換、演出の完成度、そしてあの挑発的なナレーション。初めて観たとき、クマは息が止まったクマ。

ALWAYS|INTIMATE WORDS|2015
言葉が存在しないと、人は症状を伝えられない。伝えられないと、診断できない。診断できないと、命を救えない。それがオアハカ州の先住民コミュニティで起きていた現実だったクマ。
CBC|ABLA FAHITA|2015
広告のために作られたパペットが、国家的なテロ容疑で捜査され、炎上し、そして最終的にエジプト史上初のカンヌ Titanium Grand Prix を獲得した――こんなハチャメチャな話、信じられるクマ? でも全部、本当に起きたことクマ。

JOHN LEWIS|Monty the Penguin|2015
イギリスでは毎年11月になると、国民全員がひとつの広告を待ち焦がれるクマ。John Lewisのクリスマス広告は、もはや国民的イベントと化していて、2014年の「Monty the Penguin」は公開から1時間で世界トレンド1位、初日だけで180万再生というヤバさクマ。で、内容はシンプル。少年SamとぬいぐるみのペンギンMontyの友情を描いた2分間。Montyが恋しそうにしているのを見たSamが、クリスマスにガールフレンドペンギンMabelをプレゼントする、ただそれだけ。なのに、なぜここまで響いたのか、クマ。

CERVEZA SALTA|TOOTH IMPLANT|2015
ラグビー選手が失った歯を、ビール瓶の栓抜きとして機能する歯科インプラントで置き換える。そう聞いた瞬間、クマは「これは広告の演出だろう」と思ったクマ。でも違った。手術も、インプラントも、栓を抜くシーンも、すべて本物。Cannes Lions 2015でTitanium Lionを獲得した、とんでもない企画クマ。

VODAFONE|Between Us|2015
見つけてはいけない人がいる、という前提で広告をつくる。そんな経験、クマは一度もしたことがない。この広告は、男性に見つかってはいけないクマ。なぜなら、これは家庭内暴力に苦しむトルコの女性たちを救うための、秘密のアプリの広告だからクマ。

UN WOMEN|THE AUTOCOMPLETE TRUTH|2014
Googleの検索窓が、まさか差別の証拠になるなんて誰が想像しただろうクマ。2013年、世界は「もう男女平等は達成された」と思い込んでいた。でもそんなの、大ウソだったクマ。

TERRES DES HOMMES|SWEETIE|2014
10歳の女の子が、たった10週間で1,000人の性犯罪者を特定した。でも彼女は、この世に存在しない。完全にCGで作られた、バーチャルな子供クマ。広告代理店が犯罪捜査に乗り出すという、前代未聞のプロジェクト。
BERGEN INTERNATIONAL FESTIVAL BRAND CAMPAIGN|Brand Campaign|2014
音楽フェスティバルのアイデンティティを「数学」で再定義するクマ。しかもそれがカンヌで最高峰のグランプリを獲ったクマ。2014年、ノルウェーのベルゲン国際フェスティバルに起きたこと、それは静かな革命だったクマ。

NOT IMPOSSIBLE LABS|PROJECT DANIEL|2014
両腕を失った14歳の少年が「家族の負担になるくらいなら死んだほうがマシ」と言った、という記事を読んで、映像プロデューサーが3Dプリンターを持って戦地に飛んだクマ。医療の知識なし、義手の経験なし、でも「やる」と決めた。2013年11月11日、ダニエルは2年ぶりに自分の手で食事をしたクマ。

COCA COLA|HAPPY ID|2014
身分証明書の顔写真を、広告キャンペーンにする。そんな発想、どこから出てくるんだろうクマ。しかもそれを本当に国の制度として実装してしまう胆力。2014年カンヌライオンズのメディア部門グランプリを獲ったこのキャンペーンは、「メディアとは何か」を拡張した歴史的な一本クマ。

THE BARBARIAN GROUP|CINDER|2013
2013年、カンヌライオンズに新設された「Innovation Lions」の記念すべき初代グランプリが、広告会社が作った開発ツールに贈られたクマ。しかもそれ、オープンソースで無料配布してるやつクマ。普通に考えたらイミフなこの受賞が、実はめちゃめちゃ理にかなっている話をするクマ。

GOVERNMENT OF REPUBLIC OF MACEDONIA|10 METERS APART|2013
わずか10メートル。キリスト教徒とイスラム教徒が祈る場所の距離。でも、その10メートルが、史上初の共同祈祷を生み、バルカン半島で初めてのTitanium Lionを獲った、クマ。

FUNERAL INSURANCE COMPANY DELA|Why Wait Until It's Too Late|2013
葬儀保険の会社が、葬式の話じゃなくて「生きてる人に今すぐ伝えよう」って言い出したクマ。しかもカンヌでメディア部門のグランプリ獲っちゃうクマ。商品そのものを語らずに、人の心を動かして、ビジネスも伸ばして。これ、広告の最高到達点のひとつだと思うクマ。

WWF|THE ANT RALLY|2013
虫が抗議デモをする。そんなバカげたアイデアが、Cannes Lions で Grand Prix を獲るクマ。

MERCEDES BENZ|THE INVISIBLE DRIVE|2012
2012年のカンヌ・ライオンズでアウトドア部門グランプリを受賞したこの作品、初めて見たとき「ハ?」ってなったクマ。車が透明ってどういうこと? でも、これが文字通り透けてるクマ。

CHIPOTLE|CULTIVATE CAMPAIGN (Back to the Start)|2012
ファストフードチェーンが工場式農業を批判するアニメーションをつくって、Cannesで2つのGrand Prixを獲った。しかもそのフィルムには商品が一切映らない。ヤバすぎるクマ。

BANCO POPULAR DE PUERTO RICO BANK|THE MOST POPULAR SONG|2012
伝説的なサルサの名曲を、バンドに頼んで書き換えてもらう。そんなこと、できるわけないじゃん、と思うクマ。でも、やったクマ。しかも、それが国全体を巻き込むムーブメントになって、Cannes Lions史上初めてプエルトリコにGrand Prixをもたらしたクマ。広告の力で文化を動かすって、こういうことなんだと思うクマ。

GO OUTSIDE MAGAZINE|REPELLENT RADIO|2012
午後6時から8時のあいだ、サンパウロのラジオ局が15 kHzの高周波を通常の音楽番組に重ねて放送したクマ。人間には聞こえないけど、蚊には聞こえる。しかも天敵トンボの羽音に似ているから逃げていくという仕組み。つまり、ラジオそのものが虫除けになるクマ。

CHIPOTLE|Back to the Start|2012
2分20秒、ひたすら農場の話をする。ブリトーも、笑顔のスタッフも、商品名すら出てこない。ファストフードチェーンの広告として、あまりにも異様クマ。でもこれが、カンヌで2つのグランプリを獲った理由そのものだったクマ。

HELP REMEDIES|Help I Want to Save a Life|2012
絆創膏のパッケージを開けると、中に骨髄ドナー登録キットが入っているクマ。指を切って血が出たそのときに、その血で命を救えるかもしれないクマ。

NIKE+|FuelBand|2012
これは広告じゃない。でも、広告会社がつくった。その矛盾が、カンヌで2つのグランプリを獲った理由クマ。

CANAL+|THE BEAR|2012
リビングルームの床に敷かれたクマの敷物が、ハリウッド映画の監督になるクマ。言葉にするとバカみたいだけど、このバカみたいなアイデアが、Gunn Report史上最も受賞した広告になったクマ。2012年、世界中の広告人が嫉妬したやつクマ。

AXE “EXCITE”|Excite - Even Angels Will Fall|2012
天使が、空から落ちてくる。ヘイローをつけて白い服を着た美しい天使たちが、小さな街に降り立って、ひとりの男に向かって歩いていく。そして彼の前でヘイローを叩き割る。「AXE Exciteは、天使すら堕とす」。このキャンペーンはグローバル100市場に展開され、2012年カンヌライオンズでCreative Effectiveness部門のGrand Prixを獲得したクマ。

SWEDISH INSTITUTE AND VISIT SWEDEN|CURATORS OF SWEDEN|2012
国家の公式 Twitter アカウントを、毎週ちがう市民に渡す。しかもノーチェック。そんなこと、誰が考えるクマ? いや、スウェーデンが、やったクマ。

UNITED COLORS OF BENETTON|UNHATE|2012
オバマと胡錦濤が、ネタニヤフとアッバスが、そして教皇とイマームが、キスをする。2011年11月16日、パリ、ローマ、ミラノ、テルアビブ、ニューヨークに巨大なバナーが掲げられた瞬間、世界は騒然となったクマ。数時間後、バチカンはこれを「重大な敬意の欠如」と非難し、教皇の画像は撤去されたクマ。でも、それこそがベネトンの狙いだったのかもしれないクマ。

GOOGLE|Voice Search|2012
2012 年、ロンドンの街中に現れた 150 枚以上の屋外広告。そこに書かれていたのは、普通の文字ではなく、わざと「間違えた」ような綴りだったクマ。スタジアムの外には「ley-tist-skohrz (最新スコア)」、地下鉄の駅前には駅名の発音記号風の文字列。これ、何のキャンペーンだと思う? 答えは Google Voice Search、つまり音声検索の広告クマ。

PUMA|AFTER HOURS ATHLETE|2011
2011年、PUMAがスポーツの定義を書き換えたクマ。ビリヤード、ダーツ、ボウリング、カラオケ。汗も流さないし、記録も狙わない。でもそこには、朝5時まで遊び続けるための「アスリート精神」が確かにあって、この広告はそれを、真面目に、でもどこか酔っ払ったようなトーンで讃えたクマ。

BING/JAY-Z|DECODE JAY-Z|2011
2010年、Googleの影に完全に隠れていたBingが、Jay-Zの自伝本300ページ超を世界中にバラまいて、史上最大級の宝探しゲームを仕掛けたクマ。しかもその「バラまき方」が尋常じゃなくて、ビルボードはもちろん、マイアミのプールの底、ハンバーガーの包み紙、Gucciのジャケットの裏地、ブルックリンの団地に埋め込んだ銅板、ニューオーリンズの屋上、40/40クラブのビリヤード台まで。クマ、興奮してきたクマ。

WALKERS CRISPS|SANDWICH|2011
「サンドウィッチ」という町が、本当にイギリスにあるクマ。そこに有名人が次々と現れて、静かな町を「英国で最もエキサイティングな場所」に変えてしまった3日間の話クマ。

COSMOPOLITAN OF LAS VEGAS|Hotel Digital Experience|2011
ラスベガスのホテルロビーに8本の巨大な柱があって、その全面がLEDスクリーンで、デジタルアートが流れ続けているクマ。これがカンヌライオンズ2011でデザイン部門のグランプリを獲ったクマ。ホテルを「アートの器」にするって、度胸がすごいクマ。

SCOPE|SEE THE PERSON|2011
暗闇の中、ロックが鳴り響く。そしてライトが照らし出すのは、6人組バンド Rudely Interrupted のメンバーたち。5人が障害とともに生きていることを、音楽が先に教えてくれるクマ。

TESCO RETAIL|Subway Virtual Store|2011
店舗数で1位のE-martに勝てない。なら、店を増やさずに1位になる方法はないかクマ? そんな問いから生まれたのがこれ。地下鉄のホームを、まるごとスーパーマーケットに変えちゃった。QRコードをスマホでスキャンするだけで買い物が完了して、帰宅までに配達完了クマ。2011年、世界がこの仕掛けに度肝を抜かれたクマ。

TOYOTA|IQ FONT|2010
車がタイヤ痕で文字を書く。しかもそれが本当にフォントとして無料でダウンロードできる。2010年、ベルギーから世界中のデザインコミュニティに投下されたこのプロジェクトは、誰も見たことのない光景を見せつけたクマ。
IGGY POP & ORCON BROADBAND|Together Incredible|2010
2010年、ニュージーランドの小さなインターネットプロバイダ Orcon が、パンクの教祖 Iggy Pop と9人のキウイ(ニュージーランド人)をブロードバンドで繋ぎ、名曲「The Passenger」を再レコーディングしたクマ。この「やりすぎプロダクトデモ」が Cannes Lions で Direct 部門の Grand Prix を獲得し、「21世紀型広告キャンペーンの典型」と呼ばれることになるクマ。

CANON|EOS PHOTOCHAINS|2010
2010年、オーストラリアのCanonが、写真というひとりきりの行為を、人と人をつなぐ体験に変えたクマ。そして、それがCannes Lions Media部門のGrand Prixになったクマ。

BEST BUY|TWELPFORCE|2010
2010年のカンヌでTitanium Grand Prixを獲った作品が「広告じゃない」という衝撃クマ。カスタマーサービスが広告になる、その瞬間を目撃したクマ。

WARNER BROS|WHY SO SERIOUS?|2009
映画の宣伝が「体験」になった瞬間を、クマは知っているクマ。2007年から2008年にかけて、世界中の1100万人が「ゴッサムシティの市民」になり、ジョーカーの手下になったり、ハービー・デントに投票したり、バットマンを支援したり、現実世界でケーキの中から鳴る電話を探したクマ。15ヶ月間。これは広告の歴史を塗り替えた伝説クマ。

NESTLE|KIT KAT MAIL|2009
チョコレートを、そのままポストに入れる。そんな日が来るとは思わなかったクマ。でもそれが、カンヌでグランプリを獲る日になったクマ。

NIKE|PAPER BATTLEFIELD|2009
2009年、カンヌでDesign部門のグランプリを獲ったこのキャンペーン、今見てもめちゃめちゃ痺れるクマ。10世紀から続くシルクスクリーンという技法を使って、選手たち自身が自分たちのポスターをつくる。そのプロセスそのものが、競争の本質を体現していたクマ。
HYUNDAI|ASSURANCE|2009
2009年1月。リーマンショックから数ヶ月、アメリカの自動車業界は37%の販売減に喘いでいた。そんな中、ヒュンダイが出した答えは「もし1年以内に職を失ったら、クルマを返していい」というものだった。業界初、前例なし。37日間で立ち上げ、スーパーボウルで発表。クマはこのシンプルさに震えるクマ。

OBAMA/BIDEN 2008|OBAMA FOR AMERICA|2009
2009年、カンヌの審査員たちは前例のない選択をしたクマ。政治キャンペーンに、Titanium と Integrated、2つの Grand Prix を同時に授与する——それも満場一致で、クマ。誰もが「これは広告の未来だ」と認めざるを得なかったクマ。

BURGER KING|WHOPPER SACRIFICE|2009
Facebook の友だちを10人削除すると、ワッパーが1個もらえる。しかも削除された側には「あなたは友情よりワッパーを選ばれました」って通知が行くクマ。2009年、まだソーシャルメディアがピュアだった時代に、バーガーキングと CP+B が投げ込んだ爆弾クマ。わずか10日間で23万人以上が「犠牲」になって、Facebook から BAN されて、でもそれすら話題にして、世界中が「なんだこれ」ってなったクマ。

NYC & CO. AND WARNER BROTHERS|Oasis Dig Out Your Soul In The Streets|2009
2008年9月、ニューヨークの地下鉄や路上で、誰も聴いたことのない曲が鳴り響いたクマ。演奏していたのはいつものストリートミュージシャンたち。でも、その曲は――Oasisの、まだ発売前のニューアルバムだったクマ。

DOMINO’S PIZZA|YOU GOT 30 MINUTES|2009
30分を、あなたに。ドミノ・ピザがかつて約束し、そして手放した「30分保証」を、まったく違うかたちで蘇らせたキャンペーンクマ。保証じゃない。ギフトとして。

YUBARI RESORT|NO MONEY BUT LOVE|2009
3億5300万ドルの負債を抱えて破産した街を、どう宣伝するクマ? 普通は無理クマ。でもこのキャンペーンは、その「無理」をまっすぐ言葉にして、人々の心を掴んだクマ。NO MONEY BUT LOVE——お金はないけど、愛はある。これ以上に誠実で、これ以上に希望に満ちた言葉があるだろうか、とクマは思うクマ。

MICROSOFT|Halo 3: Believe - John 117 Monument|2008
ゲームの広告なのに、ゲーム映像が一切出てこない。代わりに現れるのは、戦争の記憶を語る老兵たちと、110平方メートルを超える巨大ジオラマ。Halo 3というゲームを、まるで本当にあった戦争のように扱ったこのキャンペーンは、広告の歴史を塗り替えたクマ。

THE TIMES OF INDIA NEWSPAPER|Lead India|2008
2008年、カンヌライオンズでインド初のグランプリを獲得したのは、飲料でも車でもなく、新聞社のキャンペーンだったクマ。しかも、広告主自身が本気で社会を変えようとして、新聞というメディアの枠を超えてしまった、前代未聞のプロジェクト。新聞が「報道する者」から「変革する者」になった瞬間クマ。

UNIQLO|UNIQLOCK|2008
2007年のインターネットで、最もハイプノティックな時計が誕生したクマ。MUSIC×DANCE×CLOCKが5秒ごとに切り替わって、気づいたら10分経ってる、みたいなやつ。ブログの右端にこれを貼った人、世界に数万人いたクマ。

CADBURY|GORILLA|2008
ゴリラがドラムを叩く。ただそれだけ。90秒間、商品は映らない。セリフもない。Phil Collinsの「In the Air Tonight」が流れ、ゴリラが首を鳴らし、スティックを握り、あの伝説的なドラムソロを叩きはじめる。それだけで世界中が笑顔になったクマ。

WWF|EARTH HOUR|2007
2007年3月31日、シドニーで220万人が一斉に電気を消した。気候変動に懐疑的だった政府に「私たちは本気だ」と伝えるために、クマ。それから20年、192の国と地域に広がり続けている。たった1時間の、圧倒的な強度クマ。

UNICEF|TAP PROJECT|2007
Esquire誌が「Best and Brightest」に選んだDavid Drogaに課した挑戦は、雑誌の1ページだけで何かブランドを作れ、というものだったクマ。で、彼が作ったのは広告じゃなくて、世界を変える仕組みだったクマ。

AXE|AXE 3|2007
2007年、ブエノスアイレス発の広告がカンヌでGrand Prixを獲ったクマ。AXEが仕掛けた「1+1=3」という数式は、デオドラント市場に新しいゲームのルールを持ち込んだ感じがして、クマは興奮したクマ。
ADIDAS|BONDED BY BLOOD|2007
選手の血液を、ポスターのインクに混ぜる。そう聞いたとき、クマは「ハチャメチャすぎるだろ」と思ったクマ。でもこれ、2007年のカンヌでプロモ部門のグランプリを獲ってるクマ。狂気と愛情の境界線が、ここまで美しく溶け合った事例を、クマは他に知らないクマ。

DIESEL|HEIDIES 15 MB OF FAME|2007
2007年1月。DIESELの公式サイトにアクセスしようとした人たちは、いつものホームページではなく、ホテルの一室に映し出された異様な光景を目にすることになったクマ。二人の女性、通称「ヘイディーズ」が、DIESELの社員Juanを「誘拐」し、未発売のDIESEL Intimateコレクションを盗み、ライブ配信で「有名になりたい」と訴えている。6台のカメラが24時間ノンストップで彼女たちを映し続け、視聴者は次にJuanに何をするかを投票できる——リアリティTVのパロディとしても、ファッションブランドのキャンペーンとしても、前代未聞の5日間が始まったクマ。
GALITIA BANK|Lopetegui Deposit|2007
生中継でバタリと倒れた元GKロペテギの映像が、まさかの銀行広告になるクマ。しかも定期預金の名前が「ロペテギ預金」。このセンス、クマは大好きクマ。

ASB|MONEY GOES DIGITAL|2007
2007年、ニュージーランドの銀行 ASB が、誰も見たことのない場所に広告を出したクマ。それは「紙幣」そのもの。実際に流通する紙幣にステッカーを貼り付けるという発想は、Cannes Lions でメディア部門のグランプリを獲得したクマ。

BURGER KING|XBOX KING GAMES|2007
2007年、カンヌでTitanium Grand Prixを受賞したこの企画を見て、クマは「広告の仕事ってこういうことなんだよなあ」と思ったクマ。広告代理店が商品を作る。しかもXboxのゲームを。しかもバーガーキングの店舗で売る。しかも320万本売れる。しかも四半期利益が40%増える。この一連の流れ、今でも震えるクマ。

VOLKSWAGEN|FAST|2006
2006年、フォルクスワーゲンがGTI MKVのローンチとともに世に放ったのは、ただの広告ではなく、ひとつの「生き物」だったクマ。その名も「FAST」。速さそのものが、愛らしくてちょっと不気味な姿をまとって、動き出した瞬間クマ。

BUDLIGHT|REAL MEN OF GENIUS|2006
ラジオ広告が死んだ時代に、ラジオ広告史上最高のキャンペーンが生まれたクマ。1998年から2008年まで10年間、200本以上。カンヌでRadio Grand Prixを2年連続受賞。100以上の賞を総なめ。eBayで海賊版が売買され、CDが3巻まで発売され、ライブツアーまで開催された。ビールの広告なのに、ビールの話はほとんどしない。でも、みんなBud Lightを飲んだクマ。

LYNX|LYNXjet|2006
2005年、オーストラリアに「航空会社」が誕生したクマ。デオドラントブランドが作った、架空の航空会社クマ。でもあまりにリアルすぎて、メディアも消費者も本物だと信じて、実際の航空会社がストライキまで起こして、そして Cannes でグランプリを獲ったクマ。やりすぎたのか、やり切ったのか。たぶん後者クマ。

GUINNESS UDV|noitulovE|2006
5億年を50秒に圧縮するというアイデア。パブでギネスを初めて飲む3人の男たちから、進化を「逆回し」で辿っていく。これはとんでもないクマ。
VIRGIN|5 CENT|2005
2005年、オーストラリア。VIRGINという名前だけで、何かが起きる予感がするクマ。HOST SYDNEYが手がけた「5 CENT」は、グランプリを獲得した一本。タイトルだけで伝わる、価格の強さ。

HENKEL|REALITY ADVERTISING|2005
モニターが壁に貼りついている。ただそれだけのことが、こんなにも強い。2005年、インターネットの可能性を最大限に使って「現実」を見せつけたキャンペーンがあったクマ。
VOLVO|LIFE ON BOARD PROJECT|2005
2005年、Volvoは広告の歴史を変える賭けに出たクマ。商品を語らせず、人生を語らせた。それが、Cannes Lions史上初のTitanium Lionを獲得することになるクマ。

PLAYSTATION 2|Fun, Anyone?|2004
ゲームの映像が1秒も映らない。それなのに、これ以上ゲームらしい広告を見たことがないクマ。1,500人のエキストラがブラジルで作り上げた人間の山は、ただただ頂上を目指して這い上がり、押し合い、倒され、また登る。シャーリー・テンプルの「De Gospel Train」が流れる中、カメラが引いていくと、都市全体が競い合う人々で埋め尽くされている。最後に浮かぶのは「Fun, Anyone?」のたった一言クマ。

NIKE|San Silvestre Vallecana 2003|2004
2003年10月、マドリードの中心部にある彫像「クマとイチゴの木」に雷が落ちて、クマが生き返って逃げ出した——こんなバカバカしいフェイクニュースから始まるキャンペーンが、スペイン初のCannes Lions Grand Prix Digitalを獲得したクマ。いや、これ本当にすごいクマ。

VIRGIN|Warren|2004
2004年、オーストラリアの若者たちは、ある「めちゃめちゃ魅力のない、独身で必死なオタク」に夢中になったクマ。彼の名前はWarren。デートビデオ風の映像で自分を語り、自信満々で、でもどう見ても……モテない。それなのに、Warrenは若者の文化に食い込み、Virgin Mobileを市場最高順位に押し上げた伝説のキャラクターになったクマ。

IKEA|Lamp (Unböring campaign)|2003
2002年、ひとつのランプが路上に捨てられた。雨に打たれ、窓の向こうに新しいランプを見つめるその姿は、あまりにも哀れで、あまりにも人間的で、見ている者の心を締めつけたクマ。そして画面に現れたスウェーデン訛りの男が放った一言が、広告史に刻まれることになったクマ。

NIKE|TAG (Play campaign)|2002
2001年、Nikeは真面目にスポーツと向き合う人だけじゃなく、もっと気軽に遊ぶように運動を楽しむ人たちにも届けたいと考えたクマ。それまでのNikeといえばマイケル・ジョーダンみたいなトップアスリートのイメージだったけど、この「Play」キャンペーンは有名人を使わず、都市の日常に「遊び」を持ち込んだ。街全体が一人の若者との鬼ごっこに参加する、その空想的なコミュニティとカマラデリの光景は、本質的にはソロ活動である「走る」ことを、みんなで楽しむものに変えてしまったクマ。

MAGNUM ICE CREAM|7 DEADLY SINS: GIVE IN TO IT|2002
2002年、MAGNUMが世に放った7つの罪。Lust、Sloth、Greed、Gluttony、Envy、Revenge、Vanityクマ。アイスクリームに罪の名前をつけて、しかも「罪を犯せ(Give In To It)」と堂々と言い切ったこのキャンペーンは、オーストラリアで先行して大成功を収め、翌年イギリスへ、そして世界中へと広がっていったクマ。メディアライオンズでGrand Prixを獲ったこの仕掛けは、ただ派手なだけじゃなく、ちゃんと売上という結果で応えた、完璧な戦略だったクマ。

FOX INTERNATIONAL|Regional Sports Campaign|2001
2001年、カンヌでグランプリを獲った広告がある。トルコで崖から飛び込むダイバーが、着水するはずの水面がなく、土埃を上げて地面に激突する。中国では巨木を素手でキャッチしようとする選手が、200フィートの樹に押しつぶされる。ロシアでは酔っ払いたちが互いの顔を本気で殴り合う。インドでは目隠しした男たちが棍棒を振り回す。どれも本物のスポーツ中継のように作り込まれていて、どれも完全に狂っているクマ。
MILKO|MUSIC MACHINE|2001
2000年のウェブは、まだ静かだったクマ。ほとんどのキャンペーンサイトはHTMLの静的ページで、バナーはGIFアニメーション。そんな時代に、スウェーデンの乳製品ブランドMILKOが、踊る牛を世界に解き放ったクマ。

BUDWEISER|WASSUP|2000
1999年12月、マンデーナイトフットボールの中継中に流れた60秒。友達同士が電話で「WASSUP〜〜〜!?」って叫び合ってるだけのCMが、気がついたら世界中の挨拶になっていた、という話クマ。広告が文化を「つくる」瞬間を目撃できるのは、人生で何回あるかわからないクマ。

NIKE|SKATEBOARDING|1998
1998年、スケートボーダーたちは追われていたクマ。街を滑れば警備員が飛んでくる、店の前でトリックすれば怒鳴られる、そんな扱いが当たり前だった時代。Nikeはそこに問いを投げつけたクマ。「もし他のスポーツ選手が、スケートボーダーと同じ扱いを受けたら?」

DIESEL|5 AM MONO VILLAGE|1997
1997年、カンヌでグランプリを獲ったDIESELの広告は2本あって、ひとつは「Little Rock」で、もうひとつがこれ、クマ。どちらもスウェーデンの代理店Paradiset DDBが手がけたもので、同じ年に同じブランドが2本もGPを獲るなんて、異常事態クマ。

DIESEL|LITTLE ROCK|1997
西部劇のヒーローが悪党に撃ち殺される広告、って聞いて「え?」ってなるクマ。でもそれがカンヌでグランプリを獲るクマ。1997年、ディーゼルと PARADISET DDB がやってのけたのは、まさにそういう「常識の逆張り」だったクマ。

NESTLE CO|ELEPHANT|1996
1996年。ひとつのCMが、カンヌでグランプリを獲った。象と少年の、ある「記憶」を描いた60秒クマ。

JEEP|Snow Covered|1994
1994年、雪に埋もれた風景の中を何かが進んでいく30秒。車体は一度も映らない。それなのに「ああ、Jeepだ」と誰もが思ったクマ。カンヌで自動車広告として初めてグランプリを獲ったこの作品、30年経っても色褪せない強度があるクマ。

NISSIN FOOD|hungry?|1993
1993年、カンヌのクロワゼットで「Hungry!」と叫ぶ人々であふれたクマ。モアとシンテトケラス、2本同時グランプリという快挙。30年以上経った今も、カンヌ60年の歴史で「一番に近い評価」として会場で拍手が起こり続ける伝説クマ。

NISSIN FOOD|hungry? MOA|1993
1993年、カンヌでグランプリを獲った日本のCMクマ。原始人が絶滅動物「モア」を追いかけるけど全然捕まえられない、ただそれだけの話なのに、なぜか笑えて、なぜか忘れられない。ストップモーションのコマ撮りで動く生き物たちの「間」が絶妙すぎるクマ。

TALENS RUBBER CEMENT|Nuns|1992
1992年にカンヌでグランプリを獲ったスペインの広告、見たことあるクマ? 修道院の庭で、幼子イエスの像がとんでもない部分を失っていて、若い修道女たちが真っ赤になりながら院長先生のもとへ駆け込む、あの話クマ。30年以上経った今でも語り継がれる、タブーをユーモアで突破した傑作クマ。

PERRIER|LE LION ET LA LIONNE|1991
1991年、カンヌでGrand Prixを獲ったこのフィルムは、今も「フランスで唯一のGrand Prix Film」クマ。28年経っても「フランス人の2人に1人が記憶している広告」として語り継がれ、2019年にはStratégies誌の「史上最高の広告」に選ばれたクマ。水の広告が、ここまで。

MAXELL|INTO THE VALLEY|1990
1990年。カセットテープはCDという新参者に怯えていたクマ。そんなタイミングで、MAXELLとHHCLが仕掛けたのがこれ。ボブ・ディランの『Subterranean Homesick Blues』をオマージュしつつ、誰もが経験する「歌詞の聞き間違い」をネタにした、めちゃめちゃクレバーな一本クマ。

MAXELL|THE ISRAELITES|1990
1990年、カセットテープは滅びかけていたクマ。CDというピカピカの円盤にシェアを奪われ、音質でも負け、未来感でも負けて、ブランクテープ市場5位にまで落ちていたMaxellが放ったのが、この30秒クマ。結果、市場2位まで急浮上。ユーモアと音質とインサイトが揃うと、こうなるクマ。

TVE|SUITCASE|1989
1989年、スペイン国営テレビ局TVEが、自分で自分の首を絞めるようなCMを流したクマ。「テレビばかり見てないで、もっと他のこともしようよ」って。テレビ局が、クマ。

TVE|SCOOTER|1989
1989年。スペイン国営テレビ局TVEが、自らこう言ったクマ。「うちの番組は最高だけど、観すぎは良くないよ」と。広告主が自分の商品の消費を抑制するよう呼びかけるなんて、ありえないクマ。でも、それをやったクマ。

VOLKSWAGEN|Launch II|1988
1988年、このフィルムがカンヌでGrand Prixを獲ったクマ。VWとDDBの黄金コンビが生んだ一本だけど、正直なところ、クマにも詳細がほとんど分からないクマ。

JOHN HANCOCK FINANCIAL SERVICES|Real Life, Real Answers|1986
1986年、カンヌ。監督のJoe Pytkaがステージに上がった瞬間、会場は轟音のようなブーイングに包まれたクマ。グランプリを受賞したこの広告を、フランスの観客は受け入れなかった。「こんなリアリティは広告にふさわしくない」と。でも、それこそがこのキャンペーンの本質だったクマ。

APPLE COMPUTER|1984|1984
1984年1月22日、スーパーボウルの第3クォーター。96万人が見守るなか、わずか60秒の映像が流れた。製品は一切映らず、スペックも語らず、ただハンマーを投げる女性と壊れるスクリーンだけが映った。試合が再開すると、実況のジョン・マッデンとパット・サマラルが顔を見合わせて「今のは何だ?」と問いかけたクマ。その瞬間から、広告は「ただのCM」ではなくなったクマ。

MATSUSHITA ELECTRIC INDUSTRIAL|A MENU OF LIGHTS|1982
1982年、日本の広告が初めてカンヌライオンズのグランプリを獲った瞬間クマ。松下電器、いまのパナソニックが、博報堂と一緒につくった作品。40年以上前の、歴史的な一本。

LEGO|KIPPER|1981
1981年。レゴが世界に示した45秒。ネズミがイヌになり、ネコがドラゴンになり、潜水艦がゾウになる。ブロックがカチカチと組み替えられるたびに、「レゴって、こういうことだよね」という本質が画面に満ちていくクマ。

CACHEREL|LES VELOS|1979
1979年、フランス。GRAND PRIX を獲ったこの広告について、クマは何も知らないクマ。でも、それでいいと思うクマ。

COTY|FRENCH LESSON|1978
1978年のカンヌで Grand Prix をとった、Coty L'Aimant の香水広告クマ。「Do you speak L'Aimant?」というコピーとともに世に出たこのフィルムは、イギリス人がフランス人を、あるいはフランス語という言語と香水という文化を、どう眺めていたかを映し出す鏡みたいな存在だと思うクマ。

OVERSEAS TELEPHONE CALLS|YUGOSLAVIA|1977
1977年。オーストラリアの国際電話サービスが、ユーゴスラビアからの移民たちの声を使って、カンヌでグランプリを獲ったクマ。

GALLAHER|THE LION|1977
1977年、カンヌでグランプリを獲った煙草のフィルムがあるクマ。タイトルは「THE LION」。ライオン。獅子。まんま、クマ。

GUINNESS|BLACK POT|1976
1976年、カンヌで Grand Prix を獲ったギネスの広告クマ。スヌーカーの black ball をポケットに沈める静かな瞬間と、ギネスをゆっくり飲み干す静かな瞬間を重ねて見せた、らしいクマ。「slowly putting away the black」──どちらも「黒を片付ける」行為で、どちらも急いじゃいけない、ということクマ。

DR.PEPPER|EXECUTIVE LAUNCH|1975
1975年、DR.PEPPERとY&Rが世に送り出した「EXECUTIVE LAUNCH」というタイトルだけが残っているクマ。GRAND PRIXを獲ったらしいけど、どんな広告だったのか、何を仕掛けたのか、今となっては動画からしか読み取れないクマ。でも、それでいいのかもしれないクマ。

EXPRESSEN|FREE|1975
1975年。カンヌでグランプリを獲ったスウェーデンの新聞広告があったクマ。タイトルは「FREE」。それ以上のことは、正直よく分からないクマ。

VITTEL|LE RESTAURANT|1974
1974年。ミネラルウォーターのVITTELが、「LE RESTAURANT」というタイトルでグランプリを獲ったクマ。50年前のフランス広告黄金期の空気を、今もYouTubeで感じられるのはありがたいクマ。

P&G|GOODBYE HAROLD|1973
1973年。タイトルは「GOODBYE HAROLD」。ハロルドって誰クマ? P&Gとベントン&ボウルズが組んだこの作品、詳しい情報は今となってはほとんど残っていないけれど、GRAND PRIX を獲ったという事実だけが、静かに輝いているクマ。

SKANDINAVISKA ENSKILDA BANKEN|THE PROPOSAL|1973
1973年、カンヌでグランプリを獲った銀行のCMがあるクマ。50年以上前の作品だけど、YouTubeで観られる時代に生きていることに感謝したくなるクマ。

THE SEVEN-UP COMPANY|UN STORY|1972
1972年、7-Up の CM に「UN STORY」というタイトルがついているクマ。当時、アメリカ中の高速道路沿いにサイケデリックなビルボードが立ち並び、「Uncola(アンコーラ)」という言葉が若者の合言葉になっていた時代クマ。この CM もその一本だったはずクマ。

LEVI|WALKING BEHINDS|1972
1972年。この年、Cannes LionsのGrand Prixを獲ったのは、人々の「後ろ姿」だけを映したリーバイスの広告だったクマ。タイトルそのまんま、「WALKING BEHINDS」。歩く後ろ姿たち。50年以上前に、こんな大胆な視点があったなんてクマ。

STENA AB|GRANDPA|1971
1971年のカンヌでグランプリを獲った広告があるクマ。スウェーデンのフェリー会社STENA ABの「GRANDPA」という作品。詳しい記録は残っていないけれど、カンヌが認めた一本であることは確かクマ。

VOLVO|NOW, THAT'S HARDTOP|1971
1971年。ボルボが hardtop について語った広告クマ。当時のアメリカ市場で、スウェーデンからやってきたボルボは「頑丈な車」としてのポジションを確立しつつあった時代クマ。

PROCTER & GAMBLE CO.|SMALL STORE|1970
1970年。カンヌでグランプリを獲ったP&Gの広告があるクマ。タイトルは「SMALL STORE」。小さな店、という意味クマね。レオバーネット・シカゴが手がけた一本クマ。

VOLKSWAGEN|KAFERKILLER|1970
1970年、Cannes LionsでGrand Prixを獲ったVWの作品。タイトルは「KAFERKILLER」。Käferはドイツ語でカブトムシ、つまりビートルのこと。Killerは殺し屋クマ。VWが自分のアイコンを「殺す」と名乗った広告が、いったいどんな顔をしていたのか、クマはずっと気になっているクマ。

UNITED CEREBRAL PALSY FUND|Have a Cigar|1969
1969年、カンヌ国際広告祭グランプリを獲得した60秒。タイトルは「Have a Cigar」。脳性麻痺という障害を、セロファンで包まずに伝えようとした広告クマ。

PEPSI-COLA CO.|NIÑO|1969
1969年、アルゼンチンから一本のCMが世界の頂点に立ったクマ。タイトルは「NIÑO」(少年)。ペプシの1リットルボトルを発売するためのこの作品が、カンヌライオンズでグランプリを獲得し、アルゼンチン広告史に名を刻んだクマ。当時、映画用CM部門とTV用CM部門が分かれていた時代。シンプルなタイトルに、どんな物語が込められていたんだろう、とクマは想像するクマ。

NATIONAL PROVENICAL BANK|COUNTING|1968
1968年、Grand Prixを獲ったフィルムがある。タイトルは「COUNTING」。数を数える、という意味クマ。動画を見れば分かるけれど、この年代特有の静かな空気感と、何かを「数える」という行為が持つ普遍性が、きっとそこにあるクマ。

RALSTON-PURINA COMPANY|PARK BENCH|1968
1968年。この年のGRAND PRIXを獲ったのが、Ralston Purinaのこの作品クマ。動画のタイトルは「PARK BENCH」。ベンチ。それ以上でも以下でもない、シンプルさ。でも、このシンプルさこそが、半世紀以上経った今でもクマの心を掴んで離さないクマ。

FLEUROP INTERFLORA|FLEUROP|1967
1967年にグランプリを獲ったFLEUROP INTERFLORAの広告フィルムクマ。花の宅配という、当時としてはまだ新しいサービスを伝えるために、どんな映像が選ばれたのか。詳しい記録は見つからなかったけれど、100年以上続く花のネットワークの歴史の一片として、この1本が存在しているクマ。

BURLINGTON INDUSTRIES|DANCE|1967
1967年、テレビの向こうで男が踊ったクマ。繊維メーカーのCMで、男が踊ったクマ。それだけで、カンヌでグランプリを獲ったクマ。

MIDLAND BANK LTD.|MONEY WALKS|1966
1966年、カンヌでGrand Prixを獲った銀行広告は、タイポグラフィだったクマ。文字がアニメーションする。それだけで映画館の観客が拍手したらしいクマ。

ROHM UND HAAS CHEMISCHE FABRIK|King Acrylius (253,000 Hours)|1965
1965年。透明なアクリル板が、アニメーションの王様になってカンヌ映画祭のグランプリを獲ったクマ。ドイツ初の快挙。「PLEXIGLAS」という素材そのものが持つ透明性・耐久性・加工性を、キャラクターに託して広告にする発想が、60年代の空気をまとって画面から溢れてくるクマ。

LAURA SCUDDER DIV|SUPERMARKET|1965
1965年。スーパーマーケットという空間が、アメリカの日常に根付きはじめた時代クマ。カリフォルニアのポテトチップスブランド、Laura Scudder が DDB と組んで世に出したこのフィルムは、Grand Prix を獲ったクマ。

LUSTUCRU|LA PREUVE PAR L'OEUF|1964
1964年、フランス。パスタブランドLUSTUCRUが「卵で証明する」というタイトルの広告を世に出したクマ。新鮮な卵を使っているという事実を、言葉ではなく映像で、ユーモアで、誠実に語ろうとした1本クマ。

ALUMINUM COMPANY OF AMERICA|SOUNDS|1964
1964年。アルミニウムという素材が、まだ「音」で語られていた時代の記録クマ。タイトルは「SOUNDS」。Grand Prix を獲った事実だけが、60年の時を超えて届いているクマ。

CHEVROLET|TRUCK EGG TEST|1963
1963年、シボレーがカンヌでグランプリを獲ったクマ。しかも5年で4回目。卵を吊るして、荒れた道を走って、割れなかった。ただそれだけクマ。

UNITED BREWERS ASSOCIATION|WHO SAYS BEER IS A MAN'S BEVERAGE?|1962
1962年、アメリカのビール業界団体が問いかけたクマ。「誰がビールは男の飲み物だと言ったの?」って。この一言に、時代を変えようとする意志が透けて見えるクマ。

JOHNNIE WALKER|BASHFUL GLASSES|1962
1962年、GRAND PRIX を獲った広告がある。タイトルは「BASHFUL GLASSES」――恥ずかしがり屋のグラス、クマ。この年代のウイスキー広告がどんな表現で何を訴えていたのか、60年以上前の映像から想像するしかないのだけど、タイトルだけでもうワクワクするクマ。

SCHWEPPES TOMATO JUICE|Gardening Advice|1961
1961年、イギリスのテレビ広告がCannesでGrand Prixを獲った年クマ。それがこれ、Schweppesのトマトジュースのための「園芸アドバイス」篇。タイトルだけ聞いても何のことやら分からないけど、それがいいクマ。

GENERAL MOTORS|MAGIC RIDE|1961
1961年。車が見えない広告で、Clioを獲ったクマ。

CHEVROLET|CORVAIR OLYMPICS|1960
1960年、シボレーは挑戦者だったクマ。フォルクスワーゲン・ビートルが席巻するコンパクトカー市場に、リアエンジン・空冷式という革命的な設計で殴り込みをかけたのがCorvair。そのローンチに「OLYMPICS」という名前をつけたキャンペーンがあって、Grand Prixを獲ったらしいクマ。

PHILIPS LIGHT|LIGHT|1960
1960年。世界中の広告クリエイティブが集う祭典で、デンマークが初めてGRAND PRIXを手にした瞬間クマ。PHILIPSの「LIGHT」という作品。光を売るブランドが、光そのものを描いた映像。きっと、当時の誰もが息を呑んだんだと思うクマ。

CALO PET FOOD CO.|TIRED DOG|1959
1959年。広告の歴史が動いた年クマ。それまで映画広告が主役だったカンヌで、初めてTVスポットがグランプリを獲ったクマ。主役は疲れた犬、ブランドはCalo、代理店はFoote, Cone & Belding Chicagoクマ。

CHEVROLET|STATION WAGON|1959
1959年クマ。シボレーのステーションワゴンが、キャッツアイのテールライトと翼みたいなテールフィンで、アメリカの道路を走り出した年クマ。Campbell-Ewald がつくったこの広告フィルムは GRAND PRIX を獲ったらしいクマ。

TRIESTE STOCK EXCHANGE|IN TUTTO IL MONDO|1958
1958年、GRAND PRIX。この年は広告の黎明期クマ。まだテレビCMが当たり前じゃなかった時代に、トリエステの証券取引所が何かを世界に向けて語りかけたらしいクマ。「IN TUTTO IL MONDO」は「世界中で」という意味。当時のイタリアから、どんな想いが込められていたのか、クマは想像するしかないクマ。

MAGGI|OPÉRA BŒUF|1957
1957年。オペラ・ブッフ(喜歌劇)形式で牛が歌い踊る、MAGGIのポトフ広告クマ。タイトルを見た瞬間、「ビーフ・オペラ?」と首をかしげたけど、動画を見て納得したクマ。これは、当時の広告としてはハチャメチャに攻めてるクマ!

BARCLAYS BANK|Put Una Money For There|1956
1956年、カンヌで Grand Prix を獲った最初のイギリス広告がこれクマ。タイトルは「Put Una Money For There」。ピジン英語(簡易英語)のカリプソで、西アフリカの農家に「収穫したお金はバークレイズ銀行に預けようね」と歌いかける3分間のアニメーション広告クマ。Ba-ba-ba-boom。この耳から離れないリズム、1956年って考えるとヤバいクマ。

VINS DU POSTILLON|SERIE ROUGE|1955
1955年、カンヌ国際広告祭で初めてGrand Prixを受賞したフランスブランドがこれクマ。栄光の第一号。なのに、詳細がほとんど残っていないクマ。

CHLORODONT TOOTHPASTE|IL CIRCO|1954
1954年、ヴェネチアで開催された最初の広告フィルムフェスティバルで、187本の応募作品の頂点に立った作品クマ。カンヌライオンズの前身となるこの祭典で、記念すべき最初のグランプリを獲得したのがこの「Il Circo」だったクマ。