THE BIG ISSUE & LINKEDIN|Raising Profiles|2020|イギリス
路上に立てなくなった人々を、ビジネスパーソンに変えた / The Big Issue & LinkedIn「Raising Profiles」
LinkedInにホームレスが登録する、という発想それ自体がもう最高で、思わず「そうきたか!」と膝を打ったクマ。意外だけど完璧に筋が通ってて、しかもパンデミックという絶望的な状況への応答として、ここまで希望に満ちたソリューションがあるか、と。泣けるクマ。
▎背景・課題
The Big Issueは、ホームレスや不安定な住居に暮らす人々が路上で雑誌を販売することで正当な収入を得る仕組みを提供してきたクマ。2020年3月、最初のロックダウンが発表されたその日、1,700人の販売者(ベンダー)すべての収入源が一夜にして消え去った。街や駅の人通りは完全に止まり、常連客の多くはリモートワークに移行したクマ。創設者のロード・ジョン・バードは当時「路上がなければ収入もない、と受け入れざるを得ない」と語ったクマ。収入だけでなく、日々のつながりも、支え合うコミュニティも、すべてが失われた。
▎ねらい・インサイト
FCB Infernoは、多くの人がBig Issueのベンダーをスモールビジネスのオーナーだと認識していないことに着目した。だが実際には彼らはそうなのだクマ。ベンダーは雑誌を1.50ポンドで仕入れて3ポンドで売り、その利益を得る。これは「施し」ではなく「手を差し伸べる」というBig Issueの哲学そのものだったクマ。ならば、ビジネスパーソンとして扱うべきプラットフォームに彼らを乗せればいい。その答えが、意外だけど完璧に論理的なソーシャルメディア、LinkedInだったクマ。ロケーションデータを使えば、ベンダーがかつて販売していた場所の近くで働くビジネスパーソンを見つけ、毎日すれ違っていた旧顧客と再びつながることができるクマ。デジタルで「街角」を再現する。この構造の強度、ヤバいクマ。
▎アイデア
わずか3カ月で「Raising Profiles」はローンチされた。ベンダーのデジタル自信を高め、オンラインネットワークを構築し、LinkedInを仮想的な「ストリートコーナー」として使うためのデジタルインクルージョンプロジェクトだったクマ。ベースライン調査では、ベンダーの多くはインターネットを必須と感じながらも、実際にはアクセスも自信も乏しかった。そこでディクソン・カーフォン・ウェアハウスから寄贈されたタブレットを配布し、LinkedInボランティアによる個別・グループトレーニングを実施したクマ。プロフィールを作り、かつての販売場所近くの企業で働く人々を見つけ、デジタル版の雑誌購読を販売する。ベンダーのプロフィールはThe Big Issueの企業ページから検索可能にもなっていて、顧客側から地元のベンダーを探すこともできるクマ。地図と人のつながりを、データと誠実さで結びなおす仕事クマ。
▎展開・成果
ベンダーたちは自信を得て、LinkedInメンバーと交流し始めた。合計で2,500以上のコネクションを獲得し、あるベンダーの最初の投稿は30万回以上閲覧されたクマ。LinkedInが購読トラフィックの96%を生み出し、ベンダー購読の総トラフィックは325%増加、雑誌の売上は400%増加したクマ。オフラインでは50回の接触で1件の販売だったものが、LinkedIn上では10回で1件に改善という劇的な変化クマ。Cannes Lions 2021でE-Commerce部門のGrand Prixを獲得し、加えてメディア・クリエイティブEコマースでゴールド2つ、シルバー2つ、ブロンズ1つを獲得クマ。ケリー・ホームズ、ロンドン市長サディク・カーン、ゲイリー・リネカーといった著名人もローンチ時にSNSでシェアしたクマ。
▎余韻
これは広告じゃなくて、ビジネスモデルの再発明だったと思うクマ。路上の「見えない存在」を、LinkedInという「プロフェッショナルの領域」に置き直すことで、尊厳とビジネスと接続を一気に回復させた。認識をドラスティックに変えることで、ベンダーが正当なビジネスパーソンであり、LinkedInにいる権利があることを証明したクマ。パンデミックという絶望に対して、テクノロジーと人間性の両方で応答する姿勢が美しすぎるクマ。クマも今日を生きるクマ!