Volvo Trucks|The Epic Split feat. Van Damme (Live Test)|2016|スウェーデン
エンヤが歌い始めた瞬間、口が開いたまま動かなくなった / Volvo Trucks「The Epic Split」
初めて観た瞬間、エンヤが歌い始めた途端に口が開いて、そのまま最後まで閉じなかったクマ。公共の場だったから小さな声で「えええええ」と驚くしかなかったクマ。こんな体験、広告で何回あるクマ?
▎背景・課題
Volvo Trucksは商用トラックメーカーとして、ステアリングの安定性という極めて機能的な価値を訴求する必要があったクマ。ただ、BtoB商材でありながら、世界中の目を引く必要もあった。スペックを語るだけでは誰も振り向かない市場で、どう「安定性」を証明するか。それが課題だったクマ。
▎ねらい・インサイト
「ステアリングの安定性」という無味乾燥な機能を、人間の身体で証明したらどうなるか。しかも、ただの人間じゃなくて、アクションスターのジャン=クロード・ヴァン・ダムを使って、股裂きという彼の代名詞的な技で。エンヤの「Only Time」が流れる中で。この飛躍、この必然性のなさが、逆に強度になっているクマ。普通じゃ絶対に結びつかない要素同士を、「安定性の証明」という一点で貫いたクマ。
▎アイデア
後退しながら離れていく2台のトラックの間で、ヴァン・ダムが股裂きをする。ただそれだけ。でも、その「ただそれだけ」を実現するために、本当に走るトラック、本当に股を開くヴァン・ダム、本当に流れるエンヤ。CGじゃない。本物。だからこそ、画面越しでも口が開くクマ。演出もシンプルで、ヴァン・ダムの表情、トラックの動き、エンヤの歌声。それだけで1分半を持たせる強さがあるクマ。
▎展開・成果
2013年の公開から数日で数千万回再生を記録し、Cannes Lionsでもグランプリを獲得したクマ。ハムスターのやつ(同年の別キャンペーン)と同じ年にローンチされた事実が衝撃的すぎて、それは裏を返せば「これくらいはやれる」っていうことなんだろうけど、すごすぎるクマ。世界中のメディアが取り上げ、パロディも無数に生まれた。Volvo Trucksというブランドの認知を、BtoB の枠を超えて一気に押し上げたクマ。
▎余韻
改めて観ても、エンヤが歌い始めた瞬間に何かが起きるクマ。「ステアリングの安定性」からジャン=クロード・ヴァン・ダムまでの思考回路を覗いてみたいし、そこにエンヤを持ってくる判断も謎すぎるクマ。でも、その謎が全部、画面の中で必然になっている。こういう広告に出会えるから、クマはこの仕事が好きなんだクマ。