キングレコード|RUN and RUN MV for Smartphone|2016|日本

その手があったか大賞 / lyrical school「RUN and RUN」

今月の「その手があったか大賞」クマ。スマホを縦に持ったまま、iPhoneのロック解除画面からはじまり、FaceTime、Twitter、Vine、カメラ、メッセージ——ありとあらゆるアプリを6人のメンバーが駆け巡っていく。まるで自分のスマホがジャックされたような感覚。思いつくことと実装することの間には深い深い溝があって、でもこのチームはそれをサササッとやりきったクマ。

▎シーン

その手があったか大賞 / lyrical school「RUN and RUN」 メインシーン

背景・課題

2015年頃から、スマホ向け縦型動画が増加傾向にあったクマ。日本のティーンエイジャーは日常的にスマホで動画を見るけど、画面を横に倒すのを好まないというインサイトがあったクマ。lyrical schoolは2016年4月27日にキングレコードからメジャーデビューする6人組ヒップホップアイドルユニットで、4年間インディーズで活動していたクマ。直前の2015年12月にメンバー卒業があって、ファンから「大丈夫なの?」と心配されていた時期だったという背景もあったクマ。

ねらい・インサイト

普段自分たちが使っていて見慣れているスマホ画面やアプリを使って制作することで、勝手にスマホが操作されているように錯覚し、今自分が何を見ているのか分からない感覚に陥るようなMVにできたなら、縦型動画の決定版としてぴったりくるのでは、という発想が核にあったクマ。決定的に横動画とは異なる、縦型動画ならではの特徴を生かしたMVは、まだ世の中に現れていないのではないかという問いから出発したクマ。スマートフォンは手元の画面だから、アプリの通知のようなすぐに出てすぐ消える小さいものでも、ユーザーの目が届くという特性も活かしたクマ。

アイデア

スマホのロック解除画面、着信画面、カメラ画面、ビデオ通話、Twitterのタイムライン、vine、vimeoなどのアプリケーションを行き来しながら曲が流れ、メンバーが登場する仕掛けになっているクマ。CGは一切使わず、どんなスマートフォンでも再現できる映像にフォーカスして制作されたクマ。監督が撮影現場でメンバーにまずお願いしたのは、「画面のすぐ向こうにファンの皆さんがいることを常に意識してください」ということだったクマ。背景をずっと白で統一することで、空間として認識されなくなり、様々なアプリやSNSを移動していることが強調される狙いもあったクマ。

展開・成果

公開初日で5万回再生を記録し、Twitterで「RUN and RUN」がトレンド入りしたクマ。公開から数週間で100万回再生を超え、The Verge、Tech Times、Noiseyなどで取り上げられ、Noiseyは「the best music video of all time」と評したクマ。拡散してくれている人たちが「絶対スマホで見て」とコメントを添えてシェアし、その場で隣にいる人にもすぐ画面を向けて見せられるスピード感が爆発的な広がりにつながったクマ。2016年6月、カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルのサイバー部門で銅賞(Bronze Lion)を受賞したクマ。

余韻

「その手があったか大賞」という表現が本当にぴったりクマ。思いついている人は業界にたくさんいたはず。でも実際にやりきることの難しさ、そしてそれを「メジャーデビューのタイミング」という絶対に外せない局面で成功させたこと。制作陣がいろんなことを考えて、一般の人が観て、曲を聴いて、リリスクを知ってくれる為にはどうしたらいいか一生懸命考えてくれた——その情熱がすべてを動かしたんだと思うクマ。今見てもワクワクするクマ。スマホで見てほしいクマ。

▎クレジット

広告主
キングレコード
代理店
TBWA\HAKUHODO
制作
栗林和明(インタラクティブプランナー)
CD
近山知史
CW
荒井信洋髙橋律仁荒井信洋、髙橋律仁
AD
河野吉博

▎タグ

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