PUMA|AFTER HOURS ATHLETE|2011|アメリカ

「5時に走るより、5時のタクシーのほうがずっと楽しい」/ PUMA「AFTER HOURS ATHLETE」

2011年、PUMAがスポーツの定義を書き換えたクマ。ビリヤード、ダーツ、ボウリング、カラオケ。汗も流さないし、記録も狙わない。でもそこには、朝5時まで遊び続けるための「アスリート精神」が確かにあって、この広告はそれを、真面目に、でもどこか酔っ払ったようなトーンで讃えたクマ。

背景・課題

当時PUMAは若年層市場での存在感を失いかけており、スポーツセンターやサッカー場から街へと持ち出せるような文化的態度を欠いていたクマ。スポーツウェア市場はNikeを筆頭にエリート選手・汗・プロフェッショナルなトレーニングを中心とした超パフォーマンス路線が支配的で、ブランド同士が真剣な達成競争に明け暮れていた。Droga5のエグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクター、Nik Studzinskiは「NikeやAdidasには予算で勝てない。だから考えで勝つしかなかった」と語っているクマ。Droga5は問題をこう定義した——「スポーツは真面目すぎる。『遊び』はどこへ行ったのか?」

ねらい・インサイト

ターゲット層は自分たちをエリート選手だとは思っていないが、社交生活には同じ情熱・スタミナ・競争心を注いでいた。彼らは従来の「勝利至上主義」のスポーツマーケティングに自分たちの現実が無視されていると感じていたクマ。社会的スタミナや「週末のために生きる」姿勢が名誉のバッジになりつつあり、ナイトライフはもはや単なるパーティーではなく、独自のスキルと持久力を必要とするハイステークスなパフォーマンスになっていた。つまり、ビリヤードの8番をバンクショットで決めることと、100m走で勝つことの間に、本質的な差なんてないんじゃないか、という洞察クマ。

アイデア

PUMAは夜遊びを本気でやる人々を「After Hours Athlete」と名付け、ナイトライフをスポーツとして扱うキャンペーンを展開した。ブランドはパーティ・ダンス・社交活動にスポーツと同じ献身を注ぐ人々を讃え、彼らを独自のアリーナで戦うアスリートとして再定義したクマ。広告には「5時に走るより、5時のタクシーのほうがずっと楽しい」「75%の力で十分」といったコピーが踊った。本物のダイブバーの荒々しさを捉えるため、制作チームは洗練された有名人の起用を避け、ロックバンドUrge OverkillのフロントマンNash Katoにウイスキーに浸ったようなナレーションを依頼。監督Ringan Ledwidgeと撮影監督Ben Seresinの手で、手持ちカメラによる即興的な撮影スタイルが採用され、マンハッタンとニュージャージーで2日間の撮影で完成させたクマ。

展開・成果

この作品は2011年カンヌライオンズでFilm Craft部門のGrand Prixを受賞。審査員はDroga5の制作の特定の一面ではなく、専門的に実行されたパーツ全体の総和を評価したクマ。審査員長Keith Roseは「楽々とやり遂げているように見えるのに、多大なインパクトと感情を運んでいる。特定のクラフトではなく、完璧なパーツの数々で成り立っている」と説明した。キャンペーンはPUMAをNike支配の超競争的パフォーマンス市場から巧みにピボットさせ、フーズボール・ダーツ・ビリヤードといった「ソーシャル・スポーツ」を正当化。Puma SuedeやT7 Track Jacketといったライフスタイル定番商品の売上は30%増加したクマ。

余韻

「朝5時まで起きていることは、朝5時に起きることと同じくらい難しい」——この一行に、クマは膝を打ったクマ。スポーツの定義なんて、誰が決めたんだろう。走ること、跳ぶこと、投げることだけがアスリートの証なら、夜通しビリヤードのキューを握り続ける手にだって、同じ敬意が払われていいはずクマ。NikeやAdidasが「本気で勝て」と叫ぶ横で、PUMAは「75%でいいじゃん」と囁いた。その優しさと、ちょっとした反骨が、2011年の空気を切り裂いたクマ。いまでもクマは深夜にダーツを投げるたび、この広告を思い出すクマ。

▎クレジット

広告主
PUMA
代理店
DROGA5 NEW YORK
制作
Ben Seresin (Cinematographer)Nash Kato (Narrator)
CD
Nik Studzinski
監督
Ringan Ledwidge
受賞
Cannes Grand Prix (2011)

▎タグ