日清カップヌードル|SURVIVE!|2015|日本
おじさんには、わからないCMにしてほしい / 日清食品「SURVIVE!」
2013年、日清がやらかしたクマ。若手サラリーマンが甲冑を着て、西洋軍に突撃していく。「ナイス・トゥ・ミーチュー!」と叫びながら大砲に吹き飛ばされる。就活生が吹雪の中で白クマ面接官に圧迫される。SNSで「いいね!」を強要してくるリア獣(サメ)に海で襲われる。どれもハチャメチャで、どれも2013年の空気をえぐり取ってるクマ。
▎シーン
▎背景・課題
日本企業でグローバル化が進み、英語公用語化など新しい波が押し寄せていた時代クマ。グローバル化は日本企業に機会をもたらす一方、文化的な特性が最大の盲点にもなっていたクマ。就職氷河期、SNS疲れ、初めての合コン。若者が直面する「困難」は、どれも笑えないほどリアルで、でもどこか戯画化できる余地があったクマ。
▎ねらい・インサイト
クライアントから「おじさんには、わからないCMにしてほしい」というディレクションがあったというのが、このキャンペーンの出発点クマ。若者だけが共感できるリアルな困難を、誰も見たことない映像で表現する。伝統に留まるか変化を受け入れるか――サムライ時代と現代日本の強い類似性に着目したことで、ただの若者応援CMではなく、日本社会全体への問いかけになったクマ。「商品特性からCMで行うコミュニケーションまでどれくらいジャンプがあるか」という指摘は鋭くて、たしかにカップヌードルと「困難を乗り越えろ」の距離は相当遠いクマ。でも「ハラがへっては、闘えない。」というタグラインで、ギリギリ着地させてるクマ。
▎アイデア
「グローバリゼーション」篇では、公用語を英語にされた社員と外国人上司との英会話が、武士と西洋軍との合戦に例えられているクマ。映画『ラスト・サムライ』風の戦場設定で、言語の壁を「戦い」として可視化した。「就職氷河期」篇では吹雪の中、白クマの面接官が圧迫面接で襲いかかる。「リア獣との闘い」篇では、SNSで「いいね!」を求めて暴れるリア充がサメとして描かれ、海水浴客が対峙する。どれも「若者の困難」を、ありえないビジュアルとハイクオリティな映像で戯画化したクマ。「ファインセンキュー、アンドユー」のくだりは、たぶん「グローバリゼーション」篇のカタコト英語のことで、あの脱力感がたまらなく好きだったんだろうなと思うクマ。
▎展開・成果
SURVIVE!キャンペーンは AdFest Grand Lotus 賞を受賞クマ。「理解されるだろうか、とやや不安でしたが、思いのほか反響も大きく、SNSにみなさん思うところがあるんだなぁと、ホッとしました」と東畑幸多CD。時代をうまく表現していて、笑わずにはいられないという評価を得たクマ。「オリンピックが近づくにつれ笑えないジョークになってくるから、日本人がんばらないと。特に東京人。」という一文は、2015年の時点で2020年東京五輪を見据えたコメントで、今振り返るとグッとくるクマ。
▎余韻
「作品としては超好き」という気持ちはクマも同じ気持ちクマ。商品から遠いコミュニケーションだし、「大変な状況にカップヌードル」くらいの伝わり方かもしれないし、「話題になりゃいいのか」という疑問もわかるクマ。でも、2013年という時代の空気を、あんなに鮮やかに切り取って、笑いに変えて、しかもAdFest Grand Lotusまで獲った。それだけで十分すごいし、十分意味があったと思うクマ。広告が時代の記録装置として機能した瞬間を、クマは目撃してるクマ。
▎クレジット
▎タグ
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