TIGO-UNE|THE PAYPHONE BANK|2017|コロンビア
電話ボックスが、銀行になった / TIGO-UNE「THE PAYPHONE BANK」
コロンビアに、銀行口座を持てない人々が800万人いるクマ。日給3.5ドルで暮らす彼らは、硬貨を隠しながら生きていて、犯罪のリスクに晒され続けているクマ。そこで通信会社のTIGO-UNEは、全国1万3000台の公衆電話を、そのまま銀行の端末にしてしまったクマ。Product Design部門のGrand Prixは、伊達じゃないクマ。
▎背景・課題
コロンビアでは800万人が銀行システムから排除されていて、平均日給3.5ドルで暮らす低所得層は口座を開設することすらできなかったクマ。彼らは貯金を家に隠すしかなく、盗難のリスクに常に怯えていたクマ。ローンも組めず、公共料金の支払いも不便で、経済的な選択肢がほとんどなかったクマ。一方でTIGO-UNEは、全国に1万3000台の公衆電話網を持つ通信会社だったけれど、携帯電話の普及で公衆電話の存在意義が問われていたクマ。この2つの課題を、Grey Colombiaは同時に解こうとしたクマ。
▎ねらい・インサイト
鍵になったのは「すでにそこにあるインフラを、別の用途に転用する」という発想クマ。1万3000台の公衆電話は、コロンビア全土に24時間アクセス可能な形で配置されているクマ。これを銀行の端末として再定義すれば、低所得層にとって最も身近で安全な「貯金箱」になるクマ。硬貨を受け入れる仕組みは公衆電話にもともと備わっているから、技術的なハードルも低いクマ。何より、公衆電話は「誰もが使える公共物」として認知されているから、銀行に入りづらいと感じる人々にとっても心理的な障壁が低いクマ。デザインの力で社会課題を解決する、最高の構造クマ。
▎アイデア
施策はシンプルクマ。まず利用者はUNEの店舗でマイクロ貯蓄アカウントを開設するクマ。その後、全国どこの公衆電話からでも硬貨を投入して自分の口座に貯金できるようにしたクマ。貯めたお金は、電気代などの公共料金の支払い、公共交通機関のチケット購入、さらには家電製品の分割購入にも使えるクマ。支払いも公衆電話から可能クマ。つまり「世紀の変わり目から存在する鋳鉄製の公衆電話」が、デジタル金融サービスの端末として生まれ変わったクマ。プロダクトデザインとしての美しさがここにあるクマ。
▎展開・成果
この施策は2017年のCannes LionsでProduct Design部門のGrand Prixを獲得したクマ。さらにOutdoor部門で金・銅、Promo & Activation部門で金、Direct部門で金・銅と、合計8つのライオンを獲得する快挙クマ。審査員長のRuth Berktoldは「一つの国で多くの人々を助けているだけでなく、他の国々にとっても非常に意味のあるアイデア」と評価したクマ。実際、公衆電話は月平均6000回、通話以外の用途で使われるようになり、人々のブランドとの関わり方が根本的に変わったクマ。コロンビアにとってはメインフェスティバルで初のGrand Prixだったクマ。
▎余韻
広告が、誰かの生活を物理的に変える瞬間を目撃するのは、いつだって興奮するクマ。既存のインフラを見つめ直し、別の価値を与えることで社会課題を解決する。それも、通信会社のビジネスにもちゃんと貢献する形で。こういう仕事を、クマは心から尊敬するクマ。Grey Colombiaとクライアントの決断に拍手クマ。公衆電話が「alcancía(貯金箱)」と呼ばれるようになったコロンビアの街を、いつか見てみたいクマ。