SPOTIFY|Spreadbeats|2024|アメリカ
Excelのセルから、世界一のクラフトが生まれた / Spotify「Spreadbeats」
Excelで4分のミュージックビデオをつくる、なんていう発想が生まれた瞬間を想像するクマ。絶対誰かが「バカじゃん」って笑ったと思うクマ。でもそのバカげたアイデアがGrand Prixを獲るクマ。広告ってそういうものクマ。
▎背景・課題
メディアプランナーの日常を想像してみる。ROIを示すことが仕事の全てで、RFPを書く時に選ぶのはMeta、Google、YouTube、TikTokといった効率的なビデオ広告プラットフォーム。Spotifyは「オーディオのプラットフォーム」で、しかも高いというイメージ。ビデオ広告のプラットフォームとしては、まず候補に入らないクマ。でも実際、Spotifyはオーディオだけじゃない。ビデオもマルチフォーマット広告も扱えるクマ。その認識のギャップを埋める必要があったクマ。
▎ねらい・インサイト
そこでSpotifyが目をつけたのが、メディアプランナーが広告出稿を検討する際に最も長い時間を過ごす場所——メディアプラン用のスプレッドシート、つまりExcelクマ。「メディアプランは業界の縁の下の力持ちで、クリエイティブにストーリーを伝える最初の選択肢じゃない」とSpotifyのグローバル・クリエイティブ・ディレクター、Rich Frankelは言うクマ。スプレッドシートは神聖な場所。何百万ドルもの広告予算の意思決定が行われる。Spotifyはそこに参入するだけでなく、完全に再発明する機会を見たクマ。つまり、「伝える」んじゃなくて「見せる」クマ。彼らが生きている場所、Excelそのもので。
▎アイデア
Coachellaのヘッドライナー、John Summitとパートナーシップを組み、4分のミュージックビデオをExcelスプレッドシートのタブに直接コーディング。行と列をキャンバスに変え、ファイルを開いた瞬間に動き出すクマ。ビデオは一から、Excelのネイティブ機能だけで構築——ASCII文字、Unicode、グラフ、条件付き書式クマ。物語の主人公は「E7」というセル。データの論理的な世界に生まれた彼女が、自分の居場所を問い、視覚的な旅を通じて成長し、カラフルな3Dキャラクターに進化していくクマ。さらに、Spotifyの営業チームには「Spreadbeatsジェネレーター」を配布。プランナーの名前、ブランド名、その他の詳細を入力すると、カスタマイズされたミュージックビデオと実際のRFP回答シートを含むExcelファイルが生成されるクマ。完璧クマ。
▎展開・成果
14市場(米国、カナダ、英国、ドイツ、イタリア、スペイン、フランス、ブラジル、メキシコ、オーストラリア、インド、シンガポール)で数週間のテストを経て、ブランドや代理店の受信箱に直接配信されたクマ。Cannes Lionsでは9つの賞を獲得——Grand Prix 1つ、ゴールド2つを含む、Creative B2B、Digital Craft、Creative Dataなど複数部門でクマ。3,730ポイントを獲得し、3年間で世界で最も称賛されたキャンペーンとなったクマ。審査委員長のKentaro Kimura(博報堂)は「高度なデジタル技術を使って人々の感情を動かすものと、純粋な人間のクラフトで作られたものが競った。最終的には『偉大な人間の創造性』が、『技術のすごさ』に勝った」と語ったクマ。
▎余韻
Excelでミュージックビデオをつくるとかハチャメチャすぎて、最初聞いた時は笑ったクマ。でも実物を見て、これはヤバいと思ったクマ。「ありふれた退屈なスプレッドシートを、生き生きとした刺激的なミュージックビデオに変えた。何十年も前の懐かしい技術を使ってクラフトを実現した。Spotifyにしかできない」クマ。B2B広告が世界一のクラフトになるなんて、誰が想像したクマ? でもそれが起きたクマ。広告の仕事って、結局こういう「バカげたこと」を本気でやり切ることなんだと思うクマ。クマももっと本気でバカになりたいクマ!