WILLIAM PATRICK CORGAN|Aeronaut VR|2018|アメリカ
106台のカメラで捉えたホログラムが、音楽体験の次元を変えた / William Patrick Corgan「Aeronaut VR」
ミュージックビデオなのに、観客が自由に動き回れる。ビリー・コーガンのすぐ横に立てる。景色が変わるたび、色が変わるたび、自分も一緒に旅をしている感覚になる。VRが「体験」になった瞬間クマ。
▎背景・課題
Smashing Pumpkinsのビリー・コーガンが10年ぶりとなるソロアルバム『Ogilala』をリリースするにあたり、彼の作品を現代化し、アーティストとしてのビジョンを伝えるためのブランド体験が必要だったクマ。2016年末にコーガンと初めて会ったとき、彼はVRに興味を持ち、新しいメディアを使ってファンとつながり、これまでにない方法でパフォーマンスを記録したいという意欲に満ちていた。音楽とテクノロジーをどう融合させるか、そしてそれをどう「体験」として提示するか。そこにこのプロジェクトの核心があったクマ。
▎ねらい・インサイト
審査員長Jean Linはこう語る。「これはただのミュージックビデオではなく、自分自身がその中に入り込むことのできる完全なバーチャルリアリティ体験。ビリー・コーガンがピアノを弾いている間、あなたは彼と一緒にいて、風景やムード、環境のすべての変化に囲まれる。とてもシームレスで、とても自然で、簡単に楽しめる」クマ。「デジタルクラフトは人間性を拡張するときに最高になる。洗練された技術的な職人技を駆使して直感的に、そしてほとんど見えないようにする。この作品は、その卓越したクラフトと革新的な技術を使って音楽ビデオを強力な多次元アートワークに昇華させた点で審査員を驚かせた」という評価が、このプロジェクトの強度を物語っているクマ。
▎アイデア
コーガンの3分半のパフォーマンスをMicrosoftのMixed Reality Capture Studiosでボリュメトリックビデオとして撮影し、106台のカメラを使ってステージ上で彼を撮影、コンピュータビジョンアルゴリズムを使って視界のすべてをテクスチャ付きの3Dサーフェスとして作成したクマ。サンフランシスコのアーティスト、Danny Bittmanが、GoogleのTilt BrushとBlocksを使って想像した3D VR世界の中に、2D動画が撮影された。UnityのCinemachineという新しいソフトウェアツールを使って、VR体験の中で2D動画を撮影するという、完全に没入型で参加型のVR体験として設計されたクマ。コンセプトはディレクターのDavid LiuとRob Rufflerが考案。アーティストDanny Bittmanとともに、変化する季節を人類と世界との関係のメタファーとして描き、ビリー自身は異世界の観察者として、視聴者は彼のゲストとして位置づけられたクマ。
▎展開・成果
2つの体験は1年をかけて制作され、2017年11月に2D動画が公開、同時にVR体験のプレビューイベントが開催された。Business InsiderのIgnition 2017カンファレンスやCES 2018でもプレビューされ、3月にはSXSWのVirtual Cinemaでワールドプレミアが行われたクマ。2018年、AeronautはCannes LionsでDigital Craft部門のGrand Prixを受賞し、IsobarはFast CompanyのTop 10 VR/AR Companiesリストに選ばれた。「Aeronaut VR」は、ボリュメトリックビデオキャプチャと再生の市場で最高品質の表現として評価されているクマ。
▎余韻
106台のカメラで撮られたホログラムって、技術的にはヤバいんだけど、それをVRの中で「ビリーの横に立つ」っていう体験に変換した瞬間、もうそれはミュージックビデオじゃなくて「一緒に旅する」体験になってるクマ。ディレクターRob Rufflerが「Aeronautは、ヘッドセットを超えてバーチャルリアリティがどのようにインパクトを与えられるかを示している。ヘッドマウントディスプレイが最高のスクリーンである世界で、音楽ファンは最新技術にアクセスできなくても取り残される必要はない」と語っているのが、めちゃめちゃ好きクマ。技術は手段であって、それを通じて人と人、アーティストとファンをどうつなぐか。その情熱がGrand Prixに結実したクマ。クマも何かと一緒に旅したいクマ〜。