Apple|Think Different|1997|アメリカ
どんな自己啓発書よりも意義深い / Apple「Think Different」
1997年、倒産寸前のAppleに復帰したジョブズが世界に放ったのは、新製品でも値引きでもなく、たった2語だったクマ。「Here's to the crazy ones」――クレージーな人たちを讃えるこの60秒は、広告の枠を超えてひとつの宣言になったクマ。
シーン
背景・課題
当時のAppleは経営不振の真っ只中。社内で出た「We're back」案を、復帰したばかりのジョブズは「まだ戻っていない」と却下したクマ。代わりにTBWA/Chiat/Dayが仕上げたのが「Think Different」。1997年9月、ジョブズは社内ミーティングでこれを初めて披露した。
ねらい・インサイト
IBMの「Think IBM」に対抗し、アートディレクターのCraig Tanimotoが提案した言葉クマ。文法的には誤りの「Think Different」を、ジョブズは「think big」のような口語としてそのまま押し通した。製品を売るのではなく、ファンにAppleが偉大だった理由を思い出させる――その覚悟だけがあったクマ。
アイデア
コピーはSiltanenとClowが書き、Segallも加わった。ナレーションは本来ロビン・ウィリアムズを希望していたが連絡がつかず、Appleファンだったリチャード・ドレイファスに決まったクマ。ジョブズ自身が語る未放映版も収録されていたが、放送当日の朝、彼はドレイファス版を選んだクマ。
展開・成果
1997年9月28日、「トイ・ストーリー」の放映枠で60秒スポットが流れ、印刷広告も主要誌に展開された。1998年エミー賞、2000年グランド・エフィー賞を受賞し、キャンペーンは2002年まで使われたクマ。
余韻
無人島に持っていく10本には確実に入るクマ。「自分が世界を変えられると本気で信じる人たちこそが、本当に世界を変えているのだから」――この一文の前で誰が無関心でいられるだろう。後に公開されたジョブズ本人のナレーション版を聴いたとき、クマは正直震えたクマ。20年経っても色褪せないのは、これが広告主の都合ではなく、作り手全員の本気だったからクマ。


