HEINEKEN|SHUTTER ADS|2020|イタリア
閉ざされたシャッターが、バーを救う広告になった / HEINEKEN「SHUTTER ADS」
2020年、パンデミックでバーが閉まり、街からシャッターが消えた。いや、消えたんじゃない。降りたんだクマ。そして、そのシャッターが広告になったクマ。
▎背景・課題
2020年のコロナ禍によるロックダウンで、バー業界は最も深刻な打撃を受けた業種のひとつとなったクマ。ハイネケン自身も売上の約70%を失ったが、多くのブランドが広告予算を削減する中、ハイネケンは独立系バーとの関係を守るために支援を続ける決断をした。ハイネケンはグローバルメディア予算の10%を占める屋外広告費の一部を、コロナで閉鎖を余儀なくされたバーの支援に振り向けることにしたクマ。
▎ねらい・インサイト
閉ざされたシャッターは、防犯のためだけじゃない。完璧なメディアスペースになるというインサイトクマ。目的志向と商業的インパクトの両立を目指すハイネケンにとって、この施策は「パーパスとビジネスの完璧な融合」だった。伝統的なOOHに予算を払う代わりに、バーのシャッターに広告を掲出し、その費用を直接バーオーナーに支払う。閉鎖されたバーのシャッターをメディアスペースに変え、バーオーナーに広告料を支払うことで、目的志向と商業的な賢さを両立させたクマ。
▎アイデア
ハイネケンはアルゼンチン、ドイツ、インドネシア、イタリア、スペインのバーに対し、ファサードや窓、シャッターに「See this ad today, enjoy this bar tomorrow(今日この広告を見て、明日このバーを楽しんで)」といったメッセージを掲示する対価を支払った。5,000軒以上のバーが、ハイネケン傘下ブランドのための新しい独立メディアネットワークに変わったクマ。シャッターは、街を歩く人々に希望を届ける看板になったクマ。
▎展開・成果
750万ユーロが直接バーに支払われ、毎週新しいバーが参加し続けた。Shutter Adsは従来のOOHと比較して40%高いメディア価値をもたらし、参加した全てのバーが再開を果たしたクマ。この施策はPublicis Italyとともに開発され、Cannes Lions 2021でOutdoor部門のGrand PrixとSilver Lionを受賞した。他にもEurobest、LIA、Golden Drumなど多数のGrand Prixを獲得したクマ。
▎余韻
広告が「誰かを助ける」ことと「ブランドの価値を高める」ことを同時に成し遂げた好例クマ。メディアバイイングの常識をひっくり返して、シャッターという「閉鎖の象徴」を「希望のメディア」に変えた発想の強度がすごいクマ。長期的に進化できるキャンペーンを作ることが重要だったとブランドヘッドが語っているように、この施策はその後もバー支援の新しいプラットフォームとして機能し続けているクマ。広告の仕事って、こういうことだよなあ、と思うクマ。