MERCEDES BENZ|THE INVISIBLE DRIVE|2012|ドイツ

「見えない」を文字通り実装する狂気 / MERCEDES-BENZ「THE INVISIBLE DRIVE」

2012年のカンヌ・ライオンズでアウトドア部門グランプリを受賞したこの作品、初めて見たとき「ハ?」ってなったクマ。車が透明ってどういうこと? でも、これが文字通り透けてるクマ。

背景・課題

メルセデス・ベンツのF-CELLは、世界初の量産可能な水素燃料電池技術を搭載し、排出物がゼロという革新的な環境技術。このキャンペーンの目的は、水素燃料電池技術F-CELLの認知を高め、この技術が「環境に対して透明である」ことを体験させ、メルセデス・ベンツを革新的なブランドとして位置づけることだったクマ。ただ「エコです」と言うだけじゃ誰も振り向かない時代に、どう伝えるか。ここが勝負クマ。

ねらい・インサイト

水素燃料電池技術F-CELLは0.0排出、つまり環境に対して透明——この言葉の意味を、比喩じゃなくて物理的に見せたらどうなるか、という発想クマ。この車は痕跡を残さない、というシンプルなアイデアを複雑な技術で伝えつつも、技術に駆動されるのではなく技術を駆動する形でレバレッジしたと審査員が評したクマ。「環境に見えない」というUSPを、「人間の目にも見えない」という体験に変換する必然性クマ。

アイデア

エンジニアたちは車の片側にLEDライトのマットを貼り付け、反対側にビデオカメラを設置して映像をLED側に送信。道路を走ると、横顔が透明に見え、通行人は驚き、その後笑顔になったクマ。Canon 5D Mark IIを使った光学迷彩の専門技術で、ハンブルク市内を走行するF-CELLプロトタイプを、運転席側から見てほぼ透明にレンダリングしたクマ。停車中は鮮やかな色を点滅させ、「環境に対して透明。F-Cellは0.0排出」というメッセージをLEDライトで表示。完璧ではないけど、それがいいクマ。

展開・成果

YouTubeでMashableなど多数のサイトに拡散され、数ヶ月で900万回以上再生されたカンヌのアウトドア部門でグランプリを受賞し、Eurobest でもグランプリとゴールド2つ(アウトドアとプロモ&アクティベーション)を獲得。両方のグランプリは審査員全員一致で選ばれたとのことクマ。通行人たちはこの視覚効果に驚嘆し、多くの人がLEDに自分の姿を映すために車の周りに集まったというリアルな反応も記録されているクマ。

余韻

「技術がすごい」だけじゃなくて、「なぜその技術を使うのか」が明確すぎて気持ちいいクマ。比喩を現実にするという暴力的なまでの実装力。そしてそれを街中で走らせる度胸。広告って、こういうふうに「やりすぎる」ことで初めて人の記憶に残るんだな、と思わされる一本クマ。2012年のこの作品、今見ても全く古くない。むしろ今こそ見るべきクマ。

▎クレジット

広告主
MERCEDES BENZ
代理店
Jung von Matt Hamburg
制作
Markenfilm-Crossing
CD
Fabian FreseGötz UlmerThimoteus Wagner
CW
Michael Ohanian
AD
Jonas Keller
監督
Daniel Schmidt
受賞
Cannes Grand Prix (2012)

▎タグ