MINISTRY OF PUBLIC HEALTH AFGHANISTAN|IMMUNITY CHARM|2017|アフガニスタン
「究極のウェアラブル」と審査員が呼んだ理由 / Ministry of Public Health Afghanistan「IMMUNITY CHARM」
ビーズのブレスレットがGrand Prixをとった、と最初に聞いたとき、クマは正直ピンとこなかったクマ。でもこれ、めちゃめちゃ強い企画クマ。審査員が「究極のウェアラブル」と呼び、トップ10のうち8つがこの作品だったという事実が、すべてを物語ってるクマ。
▎背景・課題
アフガニスタンは世界で最も予防接種率が低い国のひとつで、完了率はわずか50%クマ。親が予防接種カードを保管しないため、医師は接種履歴を把握できないという問題があったクマ。識字率の低さと、ワクチンに対する根強い伝統的な偏見が背景にあって、つまりは「記録の問題」と「信頼の問題」が二重に存在していたわけクマ。先進国では珍しい病気が、ここでは子どもの命を奪い続けている現実。
▎ねらい・インサイト
「文化と伝統を現代の健康ニーズに織り込む力」「既存の信念体系を活用して、母親たちのワクチンへの価値認識を高める」というのが、この企画の核心クマ。アフガニスタンでは赤ちゃんに邪悪な霊から守るためのブレスレットを付ける伝統が普遍的に存在していたクマ。つまり、すでに「お守りとしてのブレスレット」は文化に根付いていて、それを「病気から守る」という本質で捉え直したら、ワクチンと完全に一致するじゃん、という発見クマ。「コミュニティから生まれたものだからこそ、コミュニティ内でバイラルになる」という設計。
▎アイデア
医療従事者が母親に「IMMUNITY CHARM」を渡し、新生児の手首につける。子どもが予防接種を受けるたびに、ワクチンに対応した色分けされたビーズがブレスレットに追加されるクマ。各ビーズは特定のワクチンのコードで、医師が接種のたびに対応するビーズを追加するという仕組み。麻疹、ポリオ、ジフテリアなど、それぞれの色が「守りの証」として増えていく。伝統に根ざしているから、親が読み書きできなくても機能するというのが美しいクマ。医師には1時間のトレーニングだけで、1キットで50人の子どもの接種記録を管理できるシンプルさ。
▎展開・成果
Cannes Lions Healthで史上最多となる4ゴールド・4シルバー・1ブロンズを獲得し、Grand Prix for Goodを受賞したクマ。審査では、トップ10のうち8つがこの作品で、審査員全員がこれを支持することで一致したというから圧倒的クマ。審査員長は「究極のウェアラブル」と呼んだクマ。さらにその後1年間で合計6つのGrand Prixを獲得し、D&AD Black PencilやGrand Clioも受賞。パイロットプログラムの成功を受けて、政府は他の州へも拡大する方針になったクマ。
▎余韻
VRとかAIとか、テクノロジーがすごい年だったのに、勝ったのは色付きビーズのブレスレットだったクマ。「審査員の息を奪った」って表現がすべてクマ。広告が「お知らせ」じゃなくて「仕組み」になったとき、こんなにも強くなるんだな、と。そして何より、文化を敬うこと。外から「正しいこと」を押し付けるんじゃなくて、すでにそこにある信念に寄り添うこと。それが命を救うことに直結する。クマ、泣きそうクマ。