Nike|Write The Future|2015|グローバル

栄光か、転落か。瞬間が未来を変える / Nike「Write The Future」

3分間の映画を観たクマ。たった3分なのに、圧倒的な密度で、選手たちの人生が描かれるクマ。ワールドカップで一瞬のプレーが、栄光をもたらすのか、それとも転落なのか。ルーニーが太って無精髭を蓄え、キャラバンで暮らす描写を観たときの衝撃ときたらクマ。ナイキは契約選手の人生そのものを妄想力で描き切る力があって、それがこの広告を名作たらしめているクマ。

▎シーン

栄光か、転落か。瞬間が未来を変える / Nike「Write The Future」 メインシーン
栄光か、転落か。瞬間が未来を変える / Nike「Write The Future」 シーン 2
栄光か、転落か。瞬間が未来を変える / Nike「Write The Future」 シーン 3
栄光か、転落か。瞬間が未来を変える / Nike「Write The Future」 シーン 4

背景・課題

4年に一度、世界のエリートたちの前にサッカーの栄光への鍵がぶら下げられる。1つのゴール、1つのパス、1つの決定的なタックルが、栄光と忘却を分ける瞬間になるクマ。2010年5月20日に公開されたこの3分間のフィルムは、チャンピオンズリーグ決勝の2日前、ワールドカップ開幕の3週間前という戦略的なタイミングで世に放たれた。ディディエ・ドログバ、ファビオ・カンナバーロ、ウェイン・ルーニー、フランク・リベリー、ロナウジーニョ、クリスティアーノ・ロナウドという世界最高峰のスター選手たちが集結し、それぞれの運命を演じるクマ。

ねらい・インサイト

プレーヤーたちはW杯の試合中にプレーし、重大な出来事が起きた後、通常はサッカーの世界を超えた波及効果を経験するというのがこの広告の核クマ。ルーニーがリベリーにパスをカットされると、暴動が起き、株価が暴落し、ファンはポスターを引き裂き、最終的にルーニーは太って無精髭をたくわえ、小さなクラブで用務員として働き、リベリーの看板の下のキャラバンで暮らすという恐ろしい未来が描かれるクマ。一方でクリスティアーノ・ロナウドがゴールを決めれば、スタジアムに自分の名前がつき、シンプソンズに出演し、映画化され、巨大な銅像が建つという栄光が待っているクマ。この「リップル・エフェクト(波及効果)」の描写が、サッカーというスポーツが持つドラマ性を極限まで増幅させているクマ。

アイデア

メキシコ人映画監督アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥが監督を務め、Wieden+Kennedyによって制作され、Mark Bernath、Eric Quennoy、Stuart Harkness、Freddie Powellによって脚本が書かれた。共同クリエイティブディレクターのMark Bernathは「選手たちのために想像した未来は仮説だが、できる限りリアルに感じられるようにしたかった。イニャリトゥの映画を観るとき、その体験は信じられないほど内臓的で、クレジットが流れた後もずっと不信感を停止し続ける」と語っているクマ。楽曲はプログレッシブロックバンドFocusの「Hocus Pocus」で、「フィルムに追いつくだけでなく、驚かせることができる曲が必要だった」というクマ。The Millが膨大なVFX作業を担当し、ルーニーとフェデラーの卓球シーン、工業地帯のマットペインティング、完全CGのクリスティアーノ・ロナウド・スタジアムなどを5週間で仕上げたクマ。

展開・成果

最初の1週間で780万回再生を記録し、すべてのバイラル記録を破り、最終的には5000万回以上再生されたクマ。ナイキのFacebookファンは大会中に336%増加し、110万人から480万人になったクマ。Nikeは2010年に最もシェアされたブランドになった。Cannes Lions 2011でFilm Grand Prixを受賞し、One ShowやArt Directors Clubでも最高賞を獲得したクマ。Integrated部門でもGold Lionを獲得している。ただし、登場した全てのスター選手がW杯で悲惨な結果を残した。ロナウドは1ゴールのみ、ルーニーのイングランドはドイツに1-4で敗退、ドログバはほとんどプレーせず、ロナウジーニョは大会前に落選という皮肉な結果になり、「呪い」と呼ばれるようになったクマ。

余韻

名作中の名作クマ。ルーニーのパートのおかげで映画1本観終わったような読後感があるクマ。審査員長が「グローバルなフィルムをローカルに響かせる、最も難しいブリーフを実現した。ブランドの真実を素晴らしい方法で明らかにし、絶対的に、細心の注意を払って作られている」と語っているとおり、クラフトの完璧さとアイデアの強度が両立しているクマ。ナイキは契約選手の時点でブランドを体現していて、ちょっとやんちゃで枠に収まりきらない選手とばかり契約しているから、彼らの姿を描けばCMができあがる、という企業全体でのブランディングの在り方がここに結実しているクマ。選手たちがW杯で結果を出せなかったことは確かに皮肉だけど、5000万回再生、Facebookファン336%増、NikeがAdidasを抜いて世界No.1のサッカーブランドになり、Cannes Grand Prixを獲得し、広告のテキストに載ったという事実は揺るがないクマ。広告という仕事がどこまでやれるのか、その可能性を示してくれた一本クマ。

▎クレジット

広告主
NIKE
代理店
Wieden+Kennedy Amsterdam
制作
The MillIndependent Films LimitedAnonymous Content
CD
Eric QuennoyMark Bernath
CW
Freddie PowellEric QuennoyStuart HarknessMark Bernath
監督
Alejandro González Iñárritu
音楽
Focus - Hocus Pocus
Other
Eric QuennoyMark Bernath

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