NISSIN FOOD|hungry?|1993|日本
「hungry?」と問われたら、誰もが原始人になる / 日清食品「SYNTHETOCERAS」
1993年、カンヌのクロワゼットで「Hungry!」と叫ぶ人々であふれたクマ。モアとシンテトケラス、2本同時グランプリという快挙。30年以上経った今も、カンヌ60年の歴史で「一番に近い評価」として会場で拍手が起こり続ける伝説クマ。
▎背景・課題
1992年、カップヌードルは発売20周年の翌年を迎えていたクマ。日本は飽食の時代に突入し、食の選択肢は大幅に増加。スーパーロングセラーブランドとして、その変化の中で原点を見つめ直す必要があったクマ。おなかがすいたら一番はじめに思い出してもらえるブランドであり続けること、人間の食欲に一番近いブランドであり続けることが、この企画の出発点だったクマ。
▎ねらい・インサイト
「おなかがすいてる人はいませんか?」というメッセージを最高に空腹な状態で伝える——そのために選ばれたのが、原始時代という舞台クマ。文明も選択肢もない時代、生き物が獲物を追いかけるという本能むき出しの「hungry」を、ストレートに、圧倒的な映像で描くというインサイトクマ。理屈じゃない、腹が減ったらカップヌードル、という身体的な記憶に訴えかけるアプローチクマ。
▎アイデア
原始人の集団が、モア(絶滅した巨大な鳥)やシンテトケラス(Y字型の角を持つ奇妙な哺乳類)といった先史時代の獲物をライブ感たっぷりに追いかける姿を、ストップモーションアニメーションで制作クマ。「hungry?」というキャッチフレーズとともに、商品を主役にして圧倒的な映像のアイデアで勝負する「プロダクトグラフィックス」と呼ばれるジャンルのはしりとなった広告クマ。単純で明るいユーモアが、言語を超えて伝わる強度を持っていたクマ。
▎展開・成果
1993年、カンヌ国際広告映画祭(第40回)でモア篇・シンテトケラス篇が同時にグランプリを獲得クマ。受賞の翌年1994年にカンヌを訪れた人々も、1年後にもかかわらず「Hungry!」と叫び続けていたという伝説クマ。ヨーロッパ、香港、ブラジルでもオンエアされ、2013年のカンヌでは歴代グランプリ作品の筆頭として上映され、そのたびに拍手が起こったクマ。2003年には博報堂がカンヌ50周年特別賞を受賞する一因ともなったクマ。
▎余韻
CMを観て笑う、ではなく、CMを観て「Hungry!」と叫びたくなる——その衝動こそが、この作品の強さだと思うクマ。理屈や説明を一切排除して、生き物としての「腹減った」という感覚だけを、これでもかと突きつけてくる。90年代の日本のCMクリエイティブが、世界の頂点に立った瞬間クマ。今見ても全く色褪せない。というか、今こそ見るべきクマ。ハングリーであること。それがクリエイターにも、ブランドにも、何より大事なことだとこの作品は教えてくれるクマ〜!