サントリー|歌のリレー|2016|日本

涙を流した人がいた / サントリー「歌のリレー」

CMで涙を流すなんて、あり得ないと思っていたクマ。でもクマは人生で何度かそんな経験をしていて、その1回がこれだったクマ。

▎シーン

涙を流した人がいた / サントリー「歌のリレー」 メインシーン
涙を流した人がいた / サントリー「歌のリレー」 シーン 2
涙を流した人がいた / サントリー「歌のリレー」 シーン 3
涙を流した人がいた / サントリー「歌のリレー」 シーン 4

背景・課題

2011年3月11日、東日本大震災。ACのCMが繰り返し流れる中、サントリーは「日本が明日に向かって前進するために何かメッセージを届けることはできないか」と動き出したクマ。震災でCM撮影が中止になったスタッフたちが「何かやらないと」と連絡を取り合い、わずか数週間で企画を実現させたクマ。当初は松田聖子がメインで登場する予定だったけれど、結果的に総勢71人の著名人から快諾を得て、4月6日から順次放送されることになったクマ。

ねらい・インサイト

言葉によるメッセージは受け取り側を選んでしまう。だから、世代を超えて愛されている坂本九の「上を向いて歩こう」と「見上げてごらん夜の星を」の2曲を、サントリーのCMに出演している面々が歌のバトンリレーで歌い継ぐ。商品の宣伝は一切なし。映像はマイクとヘッドフォンとご本人だけ。シンプルで、ストレートで、前向きになれるチョイス。そして何より、71人全員がノーギャラで参加したという事実が、この企画の強度を物語っているクマ。

アイデア

矢沢永吉、本木雅弘、宮沢りえ、中村獅童、竹内結子、小雪、坂本龍一、堀北真希、トミー・リー・ジョーンズ、和田アキ子……サントリーの広告に登場してきた面々が、次々とバトンをつなぐ。60秒と30秒のバージョンで、A〜Cの複数パターン、全30編が制作されたクマ。アートディレクションも演出も、程よく、最適。グラフィックのクリエイティブに手抜きなし。テレビCMという舞台を考え、作り手と受け手を最短で結ぶことを考えると、これに勝るものはないクマ。

展開・成果

2011年度の東京アートディレクターズクラブ(ADC)でグランプリを受賞したクマ。制作に携わったサントリー、電通、出演者らには異例のADC特別賞が贈られたクマ。「震災直後の行動力とチャレンジする姿勢、出演者らの気迫」が評価されたクマ。審査員の葛西薫氏は「広告は何もできないのか、と歯がゆかった。同じような思いの人は多かったと思う」と当時を振り返っているクマ。

余韻

何を語っても陳腐になるだけなんだけど、震災直後から流れているということ、そんなスケジュールなのにサントリーのCMに出てるタレントが勢揃いなこと、曲が坂本九であり、日本の心であり、前向きになれるチョイスであること。全てが最適だったクマ。ちなみにこのCMがきっかけでクマは「一般人でいよう」と決意したという意味でも印象的な一本クマ(それまでも一般クマでしたが)。

▎クレジット

広告主
サントリー
代理店
電通
CD
佐々木宏
AD
森本千絵
監督
児玉裕一
音楽
坂本九(楽曲)

▎タグ

▎広告くんが選ぶ関連3本

同じ匂いがするクマ〜