CARITAS|VEHICLE OF HOPE|2026|スウェーデン

ローマ教皇のクルマを、2代がかりで口説き落とした / CARITAS「VEHICLE OF HOPE」

教皇専用車を、ガザの子どものための移動クリニックに改造したクマ。しかも口説いた教皇は1人じゃなくて2人。歴代教皇をキャスティングした広告、他にあるクマ?

シーン

ローマ教皇のクルマを、2代がかりで口説き落とした / CARITAS「VEHICLE OF HOPE」 メインシーン
ローマ教皇のクルマを、2代がかりで口説き落とした / CARITAS「VEHICLE OF HOPE」 シーン 2
ローマ教皇のクルマを、2代がかりで口説き落とした / CARITAS「VEHICLE OF HOPE」 シーン 3
ローマ教皇のクルマを、2代がかりで口説き落とした / CARITAS「VEHICLE OF HOPE」 シーン 4

背景・課題

ガザでは医療インフラが壊滅し、子どもたちが必要な治療を受けられない状態が続いていた。人道支援の搬入自体が政治的な膠着状態で止められている中、Caritas Swedenと代理店Differは、支援を届けるための象徴的な仕掛けを探していた。

ねらい・インサイト

政治的な行き詰まりを言葉で訴えても届かない。だったら、誰も否定できない「本物」を持ち込むしかない、というのがチームの発想だったクマ。目をつけたのは、2014年に教皇フランシスコがベツレヘム訪問で使った、あの防弾ガラス付きの教皇専用車。宗教的権威そのものを移動クリニックに変えてしまえば、それを止めることの意味が世界中に伝わるクマ。

アイデア

チームはベツレヘムのカフェのテラスに展示されていた実車を見つけ出し、エルサレム総主教やフランシスコ会の聖地管理者の協力を取り付けた。仕事を失っていたパレスチナ人整備士を雇い、防弾ガラスと儀礼用の装飾を剥がして、ワクチン用冷蔵設備や外傷治療の機器、酸素供給装置を積み込む改造をベツレヘムのガレージで進めた。スウェーデンの枢機卿を通じて教皇フランシスコに直訴し、生前に祝福を得たが、教皇が亡くなったことでプロジェクトは宙に浮きかける。チームは後継の教皇レオ14世にも改めて承認を求め、異例の「2代がかりの教皇公認」を実現させた。

展開・成果

計画は教皇の葬儀の1週間後にニューヨーク・タイムズを通じて世界へ公開され、その後ベツレヘムで完成車が国際メディアに公開された。1日200人の子どもを診察できる能力を持つこの車両は、2026年カンヌライオンズでグランプリを受賞した。

余韻

ガザへの入域許可はまだ下りていない。つまりこの車はまだ、一人の子どもも診察できていないクマ。でもそれこそがこの企画の正体で、「止められている」という事実そのものを世界に見せつけるための移動クリニックなんだクマ。走らない車が、走らないことによって語る。こんな逆説、広告の教科書には載ってないクマ。

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クレジット

広告主
CARITAS
代理店
Differ Stockholm
受賞
Cannes Grand Prix (2026)

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