Harvey Nichols|Sorry I Spent It On Myself|2015|イギリス

クリスマスの正義を逆手に取って、伝説になった / Harvey Nichols「Sorry I Spent It On Myself」

2013年、イギリスのクリスマス商戦を苦笑の嵐に巻き込んだ広告があるクマ。ハーヴェイ・ニコルズというラグジュアリー百貨店が仕掛けた「Sorry I Spent It On Myself(ごめん、自分に使っちゃった)」。クリスマスは愛と分かち合いの季節だって? いいや、全部自分のものクマ。

▎シーン

クリスマスの正義を逆手に取って、伝説になった / Harvey Nichols「Sorry I Spent It On Myself」 メインシーン
クリスマスの正義を逆手に取って、伝説になった / Harvey Nichols「Sorry I Spent It On Myself」 シーン 2
クリスマスの正義を逆手に取って、伝説になった / Harvey Nichols「Sorry I Spent It On Myself」 シーン 3
クリスマスの正義を逆手に取って、伝説になった / Harvey Nichols「Sorry I Spent It On Myself」 シーン 4

背景・課題

イギリスのクリスマス商戦は百貨店にとって年間売上の30%を占める最重要戦場で、ハーヴェイ・ニコルズもSelfridges、House of Fraser、John Lewisといった競合との激しい戦いのただなかにあったクマ。John Lewisが700万ポンドをかけて感動的な「Hare and Bear」キャンペーンを展開するなど、どこも予算をかけて「家族の温かさ」「思いやり」を描く正統派路線。そんな「クリスマスは与えること、分かち合うこと」という伝統的なメッセージを真っ向からひっくり返す、とんでもない賭けに出たのがハーヴェイ・ニコルズだったクマ。

ねらい・インサイト

「小売業者が最も売上の高いシーズンにこんなことをするのは驚くほど大胆だ」とカンヌ審査員のPete Favatが評したように、このキャンペーンの核心は「逆張りの勇気」クマ。みんなが「感動させよう」としているときに、クリスマスの贈り物を諦めて、友人や家族への出費を減らし、自分を甘やかすことを奨励するという、あからさまな利己主義を笑いに変えたクマ。「貪欲さを笑いと笑顔に変えるのは極めて難しい。映画作品として満場一致で完璧だと感じた」という審査員の言葉が、このインサイトの鋭さを物語っているクマ。

アイデア

「Sorry I Spent It On Myself ギフトコレクション」という、人々が他人への出費を抑え、自分にもっとお金を使えるようにする低予算プレゼントのラインナップを実際に開発したクマ。輪ゴムやペーパークリップのようなハーヴェイ・ニコルズのブランドパッケージに入った安価な贈り物、本物の金属製ペーパークリップからリンカンシャー産の砂利の袋、さらには付け合わせ抜きのクリスマスランチ缶詰まで、12種類のラインナップ。「彼らには小さな何か、あなたには大きな何かを」というスローガンとともに展開されたクマ。そして映像では、これらのギフトが贈られ、それに伴う結果——つまり、豪華な服を着た贈り主と、ショボいプレゼントを受け取った家族の微妙な空気——が次々と描かれるクマ。演技がまた秀逸で、特にプレゼントをもらう側の表情が最高クマ。

展開・成果

小売店は広告に登場した安価で珍しいプレゼントを実際に販売し、3日足らずで完売したクマ。ハーヴェイ・ニコルズは競合の何分の一かのコストで自社チャネルとソーシャルメディアを使って映像を配信し、#SpentItOnMyselfというハッシュタグと、愛する人たちへの「ちょっとした何か」を買えるマイクロサイトを展開したクマ。#SpentItOnMyselfはTwitterでトレンド入りし、adam&eveDDBによるこのキャンペーンは4つのグランプリ(Promo、Film、Press、Integrated)を獲得し、カンヌライオンズ史上2番目に受賞数の多いキャンペーンとなったクマ。Cadburyの「Gorilla」以来、英国として初めてTV部門のグランプリを獲得し、2015年のRealeyes調査では「史上最もエンゲージメントの高いクリスマス広告」の称号も得たクマ。

余韻

「ただのコンセプトムービーじゃなくて、ちゃんと売った」という一文が、このキャンペーンの本質を言い当ててるクマ。商品を実際につくって、実際に売り切って、その「事実」がニュースになる。広告がただのフィルムで終わらず、現実を動かす。これがクリエイティブの強度クマ。しかも、クリスマスという「聖域」で、誰もやらない逆張りを堂々とやり切った勇気。審査員が「remarkably bold」と評したのも納得クマ。広告会社も、クライアントも、制作陣も、全員が最高に攻めてる。クマもこういう仕事がしたいクマ〜!

▎クレジット

広告主
Harvey Nichols
代理店
adam&eveDDB London
制作
Outsider
CD
Richard BrimDaniel Fisher
監督
James Rouse

▎タグ

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