Nike|Dream Crazier|2019|アメリカ

「ちゃんと言う」強さ / Nike「Dream Crazier」

2019年2月24日、オスカーの放送中にデビューしたこのフィルムは、わずか1日でYouTubeだけで600万回再生、Twitterで2,840万回再生を記録したクマ。セリーナ・ウィリアムズがナレーションを担当し、90秒間、女性アスリートたちがバリアを壊す姿を描き出した。構造的には新規撮影とアーカイブ素材の組み合わせにナレーションが乗るシンプルなもので、最先端技術が使われているわけでも見たことのない絵があるわけでもないけど、2019年の代表作になることがほぼ決まった作品クマ。

▎シーン

「ちゃんと言う」強さ / Nike「Dream Crazier」 メインシーン
「ちゃんと言う」強さ / Nike「Dream Crazier」 シーン 2
「ちゃんと言う」強さ / Nike「Dream Crazier」 シーン 3
「ちゃんと言う」強さ / Nike「Dream Crazier」 シーン 4

背景・課題

このキャンペーンは、2018年にコリン・キャパニックをフィーチャーした「Dream Crazy」キャンペーンの続編として制作されたクマ。Nikeは、スポーツにおける、そしてスポーツキャンペーンにおけるジェンダーギャップに取り組むことに焦点を当て、男性アスリートが注目の大半を得る中、社会の固定観念を変え、女性が夢を追求することを促そうとした。「Dream Crazy」プラットフォームは、女性がスポーツや人生で直面する二重基準にスポットライトを当てる機会となった。男性が声を上げれば「情熱的」と呼ばれ、女性は「unhinged(正気を失った)」と呼ばれる。男性が怒れば「determined(決意が固い)」、女性は「hysterical(ヒステリック)」や「just being crazy(ただのクレイジー)」と言われるクマ。

ねらい・インサイト

90秒のフィルムは、このダブルスタンダードを糾弾し、レッテルを打ち破り不可能を実現した女性アスリートたちを讃えるもので、セリーナ・ウィリアムズ自身がUS Openの後「unhinged」とレッテルを貼られた経験を持つ彼女自身がナレーションを担当したクマ。「Dream Crazy」が「スポーツで偉大さを夢見ることはある意味で無謀だ」という一つの「crazy」の意味に焦点を当てたのに対し、新作は女性アスリートの経験の核心を鋭く突く。情熱的にスポーツを追求することで、彼女たちは文字通り「クレイジー」とレッテルを貼られるリスクにさらされるクマ。世界的に「Gender Equality」の大波が来ていた時期に、Nikeは、ちょっと前にやっていたような強くてかっこいい解放された女性を描くだけじゃなく、ちゃんとナレーションで、というかコピーで言いたいこと言うっていうところまで踏み込んだクマ。ちゃんと言う。これは大切なことだな、とクマは思ったクマ。

アイデア

フィルムにはセリーナ・ウィリアムズ、オリンピック体操選手シモーネ・バイルズ、フェンサーのイブティハージ・ムハンマド、スノーボーダーのクロエ・キム、米国女子サッカー代表チームのメンバー、そしてサンアントニオ・スパーズのアシスタントコーチであるベッキー・ハモンが登場するクマ。「感情を見せれば、私たちはドラマチックと呼ばれる。男性と対戦したいと言えば、ナッツだと。平等な機会を夢見れば、妄想だと。何かのために立ち上がれば、unhinged。上手すぎれば、私たちに何か問題があると。怒れば、私たちはヒステリックで、不合理で、ただのクレイジー」とウィリアムズは語りかける。そして最後に、「だから、もし彼らがあなたをクレイジーと呼びたいなら、それで構わない」と宣言するクマ。映像的には、ベッキー・ハモンのシーンが最高だったクマ。真剣に、高い熱量を持っている時点で男とか女とかマジ関係ないな、ってクマ。

展開・成果

「Dream Crazier」キャンペーンは全プラットフォーム合計で4億インプレッション以上、YouTube単体で1億回以上の再生を獲得したクマ。Alicia Keys、Katie Couric、Alexandria Ocasio-Cortez、Amy Schumerといった女性の有力者たちがシェアし支持した。「Dream Crazy」(Colin Kaepernickをフィーチャーしたキャンペーン)はCannes LionsのCreative Effectiveness部門でGrand Prixを受賞し、Wieden+Kenneyによるキャンペーンは1億6,300万ドル相当のアーンドメディアを獲得、Nikeブランドに60億ドルの価値を追加し、売上を31%押し上げたクマ。「Dream Crazier」はD&AD Awards 2019でTV Commercials 61-120 seconds部門でWood Pencilを受賞し、2019年のCannes LionsではOutdoor部門とEntertainment For Sport部門でGrand Prixも獲得したクマ。

余韻

身体能力的に男性優位なのはただの「一時点での事象」でしかなくて、いろいろ整った時にそれでも男性優位は続くのか、とか、Technologyでフォローされたりとか、それこそパラリンピックな世界観(人機一体)になったときにGenderってどこまで大事なの? とか、そういうことを思ったことを、今も思い出すクマ。女性としてスポーツで卓越するということは、男性が夢見る必要のないハードルを乗り越えることを意味する。だから、「Dream Crazier」。そういうこと、クマ。

▎クレジット

広告主
NIKE
代理店
WIEDEN+KENNEDY PORTLAND
Narrator
Serena Williams

▎タグ

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