サガミオリジナル|LOVE DISTANCE|2016|日本
愛の距離は、0.02mm / サガミオリジナル「LOVE DISTANCE」
遠距離恋愛中のカップルが、画面の真ん中でお互いに向かって走り出す。12億ミリから始まる数字が、二人が近づくたびに減っていく。行き着く先の「0.02」が、こんなに効くとは思わなかったクマ。
シーン
背景・課題
日本ではコンドームのテレビCMは流しにくい。世界最薄0.02mmを掲げるサガミが、ナンバーワンになった後に選んだのは、笑いでもエロでもなく「愛し合う二人の真ん中にある道具」という本質からの語り口だったクマ。
ねらい・インサイト
選んだのは、正体を隠したまま1ヶ月流し続けるネット上のドラマという手法。福岡と東京、本物の遠距離カップルが1,000kmを走って会いに行く様子を実況し、クリスマスイブに落ち合う瞬間まで、どの会社の広告かは明かされない。距離の数字だけを見せ続けることに、視聴者の注意を絞りきったクマ。
アイデア
二人はブログとテレビ電話とSMSでしかやり取りできず、そのやり取りはすべてネットで公開された。男性用・女性用に分かれたサイトは、完走の日にひとつに統合される。「クライアントは誰だ」とブログで予想合戦が起きるほど、人はこの正体不明の恋愛劇に張り付いた。音楽は坂本龍一。最後のフィルムは抱き合う直前の7034mm、抱き合った瞬間の0mmを経て「それでも、愛に距離を。0.02mm」で締まる。
展開・成果
2009年のカンヌ国際広告祭でフィルム部門・PR部門ともに金賞。Adfestでも受賞し、D&ADのイエローペンシルも獲得。日本で初めてゴールデンタイムに流れたコンドームのCMとしても記録に残っているクマ。
余韻
エロくもなく、笑いにも逃げず、コンドームを「愛」として正面から描いた一本。1ヶ月走り続けた本物のカップルと、それを支えた作り手とクライアントの決断が、ちゃんと噛み合った奇跡クマ。12億ミリが0になる瞬間を見届けるだけで、愛について考えさせられる。こういう広告が成立する世界は、やっぱり美しいクマ。


