APPLE|Shot on iPhone, Vertical Cinema|2020|アメリカ
縦動画を舐めてたクマ、謝るクマ / APPLE「SHOT ON IPHONE, VERTICAL CINEMA」
9分の短編映画を、スマホを縦に持ったまま最後まで観させてくるクマ。監督はオスカー受賞の『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル。縦動画はダサいという偏見を、よりによって映画の巨匠にぶち壊させる発想がすごいクマ。
シーン
背景・課題
縦動画はInstagramやSnapchat、TikTokの台頭で生活者の標準フォーマットになっていた。だが安っぽい、とりあえず撮っただけという印象も根強く、映像業界内での評価は低かった。Appleはこの格下扱いされてきた縦動画を正面から擁護する必要があった。
ねらい・インサイト
縦動画の限界を証明するより、一流の映像作家が本気を出せば縦でも映画になることを証明する方が強いクマ。アクション、サイレント映画、スパイもの、西部劇とクラシックな映画のジャンルをひとつずつ縦の画角に置き換えていく切り口がうまいクマ。縦という制約を演出のアイデア装置に変えているクマ。
アイデア
主役は、大事な場面の直前でいつも本物の俳優と入れ替えられるスタントダブル。彼の視点で映画史のジャンルを縦画面で巡っていく9分の短編『The Stunt Double』をiPhone 11 Proで撮影。撮影監督はオスカー受賞のライナス・サンドグレン、音楽はグラミー受賞のローン・バルフェが担当。撮影手法を明かすメイキング映像も公開し、一般ユーザーが自分でも縦動画を撮れるよう促した。
展開・成果
The One ShowでGold Pencil、Cannes LionsでSilver、Clio MusicでSilverを受賞した。
余韻
縦で動画を撮るたび「これでいいのかな」って思ってたクマだけど、この作品を観たら縦は制約じゃなくて別のカメラの持ち方だったんだなって気づかされるクマ。スタントダブルが最後にちゃんと主役になれるところまで含めて、ちゃんと映画だったクマ〜。


