APPLE|Detectives|2022|アメリカ

ボケてることに気づいた刑事の話 / Apple「Detectives」

ボケてる。自分が。画面の中で。それに気づいた刑事が「なんでオレだけピンボケなんだ?」と嘆き始めるクマ。相棒は答える、「カメラは主役にフォーカスするからな」と。この会話だけで全部持っていかれたクマ。

背景・課題

iPhone 13 Proの「シネマティックモード」は、撮影中にフォーカスを自動・手動で切り替えられ、撮影後の編集も可能な機能クマ。スマートフォンに「映画っぽい映像表現」を持ち込む試みで、Appleは「Hollywood in your pocket(ポケットの中のハリウッド)」というメッセージを掲げていたクマ。ただ、この機能を普通にデモしても誰の心にも残らない。どうやって機能の価値を「体験」として見せるか、が課題だったはずクマ。

ねらい・インサイト

この広告は「典型的な映画のシーンを使いながら、機能そのものをセルフリファレンシャルな対話で解きほぐしている」クマ。つまり、メタ構造クマ。背景の刑事が「自分がボケている」ことに実存的危機を感じ、前景の刑事は「カメラは最も重要なキャラクターにフォーカスする」と説明するという会話で、視聴者は「ああ、これフォーカス機能のデモなんだ」と理解すると同時に、刑事のキャラに感情移入してしまうクマ。Appleがユーモアに踏み込むのは珍しいという指摘もあって、この「機能を笑いに変える」勇気がすごいと思うクマ。

アイデア

張り込み中の二人の刑事を映した、探偵スリラー風のシーンクマ。会話が進むにつれて背景の刑事にフォーカスが移り、「大きな秘密があるかも」と期待させた後、レッドヘリング(ミスリード)として再び前景の主役に戻るという構成で、ミステリーのお約束まで織り込んでいるクマ。監督はDavid Shane、制作はO Positiveクマ。神経科学的な計測でも、「実存的危機」「大きな秘密の予感」「ブレて見えるキャラがくっきりする瞬間」といった物語の要所で記憶エンコーディングのピークが観測されたとのことで、演技・脚本・演出が脳にしっかり刻まれる設計になっていたクマ。

展開・成果

Appleは2022年のCannesでFilm、Film Craft、Entertainment、Mediaの各部門で複数のLionを獲得し、このDetectivesも特に評価され、「ブランドと製品が物語にシームレスに織り込まれている」点が称賛されたクマ。製品の登場シーンも強く記憶エンコードされ、iPhoneの3つのカメラアイが認識可能なブランディングの瞬間として機能したというNeuro-Insightの分析もあるクマ。業界関係者からは「2021年に出た最高の広告であり、Appleがここ数十年で作った最高のもの」という声も出ていたクマ。

余韻

この広告、何度見てもニヤニヤするクマ。機能説明なのに笑えて、笑えるのに機能がちゃんと伝わって、伝わるのに映画として成立してるクマ。「ボケてることに気づく」という自意識が刑事にあることで、視聴者も「自分もいつかボケてるかも」「誰かに見られてる前提で生きてるかも」みたいな変な共感が生まれるクマ。メタ構造って、ヘタすると「賢いでしょ?」みたいな鼻につく感じになるけど、この広告はそうならずに、ただただ楽しいクマ。Appleがユーモアを武器にできると証明した一本だと思うクマ。クマも張り込みしてみたいクマ〜。

▎クレジット

広告主
APPLE
代理店
Apple Cupertino
制作
O Positive
監督
David Shane
受賞
Cannes Gold (2022)

▎タグ

▎広告くんが選ぶ関連3本

同じ匂いがするクマ〜