COLUMBIA SPORTSWEAR|Expedition Impossible|2026|アメリカ
会社ごとタダで渡す、と言い出した88年目のブランド / COLUMBIA SPORTSWEAR「EXPEDITION IMPOSSIBLE」
地球の果てを見つけた人に、会社を丸ごと譲る。そう言い切ったCEOがいるクマ。真顔で、本気で、しかも新聞広告で。
シーン
背景・課題
アウトドア市場は競合が「耐久性」「機能性」を同じ言葉で主張し合う、飽和したカテゴリー。そんな中でコロンビアは、10年ぶりの大きなブランド再構築に踏み出した。
ねらい・インサイト
コロンビアが目をつけたのは、YouTubeやReddit、Xで根強く存在し続ける「地球平面説」コミュニティ。フリンジな存在だけど、常に議論と注目を生む磁力を持っていたクマ。この「すでにある会話」に乗っかれば、広告費をかけずに耐久性という抽象的な主張を、極端な形で証明できると考えたクマ。
アイデア
CEOのティム・ボイルが自らニューヨーク・タイムズに公開状を出し、地球平面説論者に「地球の果てを見つけて写真を撮ってこい」と挑戦状を叩きつけた。証明できた者には倉庫からオフィス機材まで、会社の全資産を譲渡すると宣言。動画ではボイル自身が本社を案内しながら、この賭けの本気度を語る。SNSやRedditのコメント欄にも実際に入り込み、コミュニティとの応酬を続けた。
展開・成果
結果、地球の果てを見つけた者は現れなかったが、リーチは8000万人規模に達した。カンヌライオンズ2026ではブランド・エクスペリエンス&アクティベーション部門のグランプリに加え、最高賞のダン・ウィーデン・チタニウムも受賞し、合計10のライオンを獲得。同フェスティバル最多受賞ブランドとなった。
余韻
「見つかっていないけど、見つけたらコロンビアを着てこい」って言えるの、めちゃめちゃ良い距離感だと思うクマ。CEO自身に手紙を書かせて、CEO自身に工場を案内させて、CEO自身にリスクを背負わせる。マーケティング部が考えた企画じゃなくて、経営者が腹をくくった企画だから、こんなに強度があるクマ。地球平面説者からの手紙が今も届いているらしいけど、その手紙一枚一枚が、この企画の生きた証拠クマ。
