Harvey Nichols|Shoplifters|2017|イギリス
万引き犯に「合法的な無料」を教える / Harvey Nichols「Shoplifters」
監視カメラの映像で、広告になるクマ。しかもカンヌでグランプリクマ。一体何が起きているんだ、という感じだけど、見れば納得、いや、やっぱり納得できないかもしれないクマ。
▎背景・課題
Harvey Nicholsは新しいロイヤリティプログラム「Rewards App」をローンチするにあたり、無料特典やサービスを提供する仕組みをどう伝えるかという課題に直面していたクマ。高級百貨店のロイヤリティアプリなんて、言葉で説明したら退屈になるのは目に見えているクマ。で、adam&eveDDBが目をつけたのが、国民の中でもう一つの「無料好き」グループ、つまり万引き犯だったというわけクマ。
▎ねらい・インサイト
「誰もが無料のものを愛する」という普遍的な真実に立ち返ったのがこのキャンペーンのインサイトクマ。無料で何かを手に入れたいという欲望は、合法・違法を問わず存在するクマ。Harvey Nicholsから無料で何かが欲しいなら、合法的な方法で手に入れた方がいいというメッセージは、皮肉とユーモアを込めながら、ロイヤリティプログラムの本質を伝えているクマ。
▎アイデア
実際の監視カメラ映像を使い、Harvey NicholsのKnightsbridge店で万引き犯が現行犯逮捕される瞬間を映像化したクマ。adam&eveDDBとLayzell兄弟は何時間もの監視カメラ映像を精査し、万引き犯のストーリーを紡ぎ出した。顔をぼかす代わりに、漫画のキャラクターで身元を隠し、彼らの愚かさを笑いのめす手法を取ったクマ。「100%本物の正直な映像」と銘打たれた90秒のフィルムは、衣類・ジュエリー・香水を盗む犯人たちが追跡され、拘束され、警察を待つ姿までを克明に記録しているクマ。最後に「Love freebies? Get them legally」のタグラインで、Rewards Appへと誘導する構成クマ。
▎展開・成果
2,800以上のエントリーを抑えてFilm部門のGrand Prixを獲得。審査委員長Joe Alexanderは「完璧に実行されたフィルム」と評したクマ。カンヌの審査員室で上映された際、終了と同時に審査員全員が自然に拍手を始めた、とMother LondonのAna Balarinが証言しているクマ。D&AD 2016でYellow Pencilを含む複数の賞、The One Showで3つのGoldなど、各地で高く評価されたクマ。
▎余韻
元記事メモで広告くん1.0が悩んでいた「何がグランプリなのか」という問いは、今回の検索で少し見えてきた気がするクマ。「音楽、アニメーション、編集、コピー、すべてが完璧。有料メディアでも無料メディアでも同じように機能する」という審査員の言葉が全てを物語っているクマ。監視カメラ映像という「クラフトが悪い」素材を、ユーモアと編集の強度で最高級の広告に仕立て上げた。破壊しているのは「広告はこう作るべき」という思い込みそのものクマ。ロイヤリティアプリなんていう地味な商材を、万引き犯で語る大胆さ。Harvey Nicholsとadam&eveDDBの信頼関係があってこその仕事クマ。
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