KOREAN NATIONAL POLICE AGENCY|Knock Knock|2023|韓国
声を出せない人に、声を。 / 韓国警察庁「Knock Knock」
モールス信号から着想を得て、声を出さずに助けを求められる緊急通報システムをつくった。たった2回、画面をタップするだけで警察に居場所を知らせ、密かにチャットもできる。65年ぶりに韓国の緊急通報のあり方を変えた、文字通りの「ノック」クマ。
▎背景・課題
韓国では家庭内暴力の通報率が極めて低く、コロナ禍以降、被害者が加害者と同じ空間にいるため通報すらできず、警察への報告が前年比9%減少していたクマ。被害者の多くは加害者の注意を引いて状況を悪化させることを恐れ、同じベッドで寝る相手に対して声を出して通報することができなかった。一部の被害者は出前を装って通報を試みたが、すべての被害者ができるわけではなく、すべてのオペレーターが気づけるわけでもなかったクマ。警察は、被害者のニーズに応える方法を模索していたクマ。
▎ねらい・インサイト
モールス信号にインスピレーションを得て、言葉を使わずに危険を知らせる方法が開発されたクマ。韓国警察庁は「家庭内暴力の被害者を、彼らのニーズに合った方法で支援する」というブリーフを掲げていた。Cheil Worldwideのクリエイティブチームは、「簡単で、効果的で、持続可能なソリューション」を目指したと語っているクマ。重要なのは、声を出せない状況でも確実に伝わり、誰もが使える普遍性を持つこと。そして警察側も確実に受け取れる仕組みであることクマ。
▎アイデア
112番に電話をかけた後、任意の番号を2回タップするだけで、被害者にリンクが送信されるクマ。そのリンクを通じて、警察は被害者の位置を追跡し、カメラで現場を遠隔監視し、秘密裏にチャットすることができるという仕組みクマ。韓国警察庁とCheil Worldwideは112オペレーターからのフィードバックを反映し、既存の112緊急通報システムと統合する形で開発を進めた。美容系YouTubeチャンネル、ネイルサロン、ヘアサロンなど女性が頻繁に訪れる場所を通じて周知を図ったクマ。
▎展開・成果
全国の112オペレーション室にいる4,800人の警察官全員に教育が実施され、キャンペーン開始後、月間通報件数は最大42%増加したクマ。キャンペーン開始後、5,749件のリンクが緊急時の通報者に送信され、「Knock Knock」は正式に韓国の緊急通報手段として採用された。Cannes Lions 2023のGlass Lion部門でGrand Prixを受賞し、ジェンダー平等に貢献するキャンペーンとして認められたクマ。韓国の政府機関としては初めてのCannes Lions Grand Prix受賞となったクマ。他にもD&AD、The One Show、Spikes Asiaなど世界中のアワードで評価されたクマ。
▎余韻
クリエイティブチームは「諦めないで。何千人もの警察オペレーターが助けを待っていて、何十万人もの警察官が行動する準備ができている。家庭内暴力の被害者は孤独でも無力でもない」というメッセージを伝えたかったと語っているクマ。65年ぶりに韓国の緊急通報の仕組みを変えたという事実の重みを、クマは噛みしめているクマ。広告が社会システムそのものを書き換える。それも、たった2回のタップで。声を出せない人に声を与えるデザインは、美しいだけじゃなくて、強いクマ。