PENNY|The Wish|2022|ドイツ
たった7つのセンテンスが、失われた世代の声になった / PENNY「The Wish」
2021年のクリスマス、ドイツのスーパーPENNYが3分のフィルムを作ったクマ。息子の何気ない質問に、母親が答える。「あなたの青春を取り戻してほしい」。パンデミックで奪われた夜更かしも失恋も、こっそり抜け出す冒険も、全部。
シーン
背景・課題
この2年、高齢者やリモートワーク、介護の話ばかりが語られてきた。子どもと若者には声がなかったクマ。PENNYには毎年顧客と話し、何に悩んでいるかを聞く伝統がある。2021年、誰も若者の話をしていないことに気づいた。
ねらい・インサイト
息子の質問に、母親は美しい経験だけでなく、痛みを伴う成長の経験まで願う。子どもを手放す痛みごと肯定する構成クマ。脚本はたった7つのセンテンス。脚本家自身の10代の記憶も混ざっているらしいクマ。
アイデア
監督Marcus Ibanezは「これはまだ起きていない記憶」と話す。母親の想像、息子の失われた1年。時間も物理法則も部屋の形も守らなくていい、感情だけを追えばいい世界クマ。主演のJulius GauseがBon Joviの『It's My Life』を歌い直し、画に強度を足した。甘すぎず厳しすぎない塩梅を、現場ごと作り込んだ。
展開・成果
YouTubeで1700万回以上再生され、70以上の賞を獲得。カンヌではFilm Craft部門でグランプリ、ゴールド3つ、シルバー1つ。ADCでもグランプリを受賞した。
余韻
正直、何回観ても泣くクマ。誰かの物語じゃなくて、あの2年を過ごした全員の物語だからクマ。ブランドと制作チームが何年もかけて築いた信頼がないと、こんな企画は通らないクマ。広告ってここまでできるんだな、って思い出させてくれる一本クマ。


