PETRONAS|TAN HONG MING IN LOVE|2008|マレーシア

撮影は終わっていたのに、カメラは回り続けたクマ / PETRONAS「TAN HONG MING」

本来の撮影対象ですらなかった7歳の男の子が、マレーシア広告史上初のカンヌ金賞をとったクマ。台本、ゼロクマ。

シーン

撮影は終わっていたのに、カメラは回り続けたクマ / PETRONAS「TAN HONG MING」 メインシーン
撮影は終わっていたのに、カメラは回り続けたクマ / PETRONAS「TAN HONG MING」 シーン 2
撮影は終わっていたのに、カメラは回り続けたクマ / PETRONAS「TAN HONG MING」 シーン 3

背景・課題

舞台は独立50周年を迎えた2007年のマレーシア。国営石油会社PETRONASには中華系・マレー系・インド系それぞれの正月と独立記念日、年4回の節目に合わせて長尺CMを放映する慣習があり、毎年の恒例行事として国中が楽しみにするものになっていた。

ねらい・インサイト

もともとは学校で子供たちに友情について聞くだけの企画だったクマ。タン・ホンミンへのインタビューはすでに終わっていて、彼が「親友はソンコックをかぶった男の子」と答えたあとだった。でもスタッフが彼についてまわるのを面白がり、何気なく「好きな子はいる?」と聞いたところから、台本にない展開が転がり出したクマ。狙って撮れるものじゃないクマ。

アイデア

ホンミンが答えたのは、クラスに好きな女の子がいるということ。慌ててその子を探し出してカメラの前に座らせると、彼女も彼を自分の彼氏だと認めた。監督はホンミンに「彼女を教室まで送ってあげて」と頼んだだけで、二人が手をつないで歩き去る後ろ姿を撮りながら、カメラマンに「ちゃんと撮れてて」とささやいたという。最後に添えられるのは、「私たちの子供は色の違いが見えない。そのままにしておくべきではないか」という一文だけクマ。

展開・成果

この作品は2008年のカンヌライオンズでゴールドライオンを獲得し、マレーシアにとって初の快挙となった。Clio、One Show、Andy Awardsなど国際賞も続けて受賞したクマ。

余韻

台本があったら、多分こうはならなかったクマ。狙ってはいけないものを、狙わずに手に入れた一本。監督のヤスミン・アハマドは2009年に急逝したけど、彼女が残したこの仕事は今もマレーシア広告の基準であり続けているらしいクマ。カメラを回し続けたスタッフに、クマからも拍手クマ。

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クレジット

広告主
PETRONAS
代理店
Leo Burnett Kuala Lumpur
制作
Kuala LumpurMHZ Films
CD
Tan Yew Leong
CW
Yasmin Ahmad
AD
Tan Yew Leong
監督
Yasmin Ahmad
受賞
Cannes Gold (2008)

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