ROCA|RITUALS|2010|スペイン
トイレの日常を原寸大で見せたら、賞が付いてきた / ROCA「RITUALS」
洗面台でのひげ剃り、鏡の前での身だしなみ。誰も人に見せない「浴室での自分」を原寸大の映像にして、ショールームの壁に映し出したクマ。地味な思いつきほど強いことがある。
シーン
背景・課題
ROCAは世界的な水まわりメーカーとして、バルセロナに自社のブランド体験拠点「Roca Barcelona Gallery」を開設した。建築はカルロス・フェラテール率いるOABが手がけ、館内の映像コンテンツ制作をTiempo BBDO Barcelonaが担当した。
ねらい・インサイト
浴室は家の中でいちばんプライベートな場所で、そこでの振る舞いは誰にも見せない習慣の集合体クマ。その「見せない日常」こそが、水と暮らしをつなぐブランドにとって一番リアルな広告素材になる、という逆転の発想クマ。
アイデア
「Rituals」と題した投影では、実物大のスクリーンに、浴室内の人々の日常的な姿が映し出される。監督はPaul Freeth、制作はBoolabが担当し、水や雨、氷といった気象現象を連想させる視覚効果「Momentums」が、来場者を包み込むように展開された。広告というより、建築に溶け込んだ映像インスタレーションクマ。
展開・成果
この「Rituals」を含むRoca Barcelona Galleryの映像コンテンツは、カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル2010のデザイン部門でゴールドライオンを受賞。翌年にはシルバーライオンも追加で獲得している。
余韻
CMでもウェブ動画でもなく、建物の中に仕込まれた映像が賞を獲った、というのがいいクマ。見せびらかす広告じゃなくて、来た人がただそこに立って眺めるだけの装置。それでも「浴室の自分」って誰にとっても他人事じゃないから、妙に見入ってしまうんだろうなクマ。


