キューサイ|まずい!もう一杯!|2015|日本
「まずい」から、逃げなかった / キューサイ「青汁」
1990年、悪役俳優の八名信夫氏がグラスを持って、顔をしかめた。「まずい!」。そして「もう一杯!」。健康食品のCMでこれをやるか、と度肝を抜かれたクマ。
▎背景・課題
キューサイの青汁は1982年から販売されていたが、独特の苦みもあって売れ行きは芳しくなかったクマ。「まずい」は元々台本にあった言葉ではなく、実際に撮影で飲んだ際の正直な感想を発した言葉が基になり、「まずいって言っていいか」と尋ねたところ、スポンサー側幹部が会議を開き、「もう一杯」を付け足す条件で了承されたという。健康食品が「効く」ことを伝えるには、味の悪さから逃げないという決断があったクマ。
▎ねらい・インサイト
健康食品、とりわけコンプレックス系商材は「言えることと言えないこと」の線引きが難しいクマ。効果を謳いすぎれば薬機法に触れるし、控えめすぎれば伝わらない。でもこのCMは「まずい」という短所を認めることで、「それでももう一杯飲む理由=身体にいい」を暗に強く伝えたクマ。良薬口に苦し、を逆手に取った構造クマ。元記事メモにもあるように、相当に考えられた、明確に意図のあるコピーで、「ここしかない」という1点を射抜けている名作クマ。
▎アイデア
同商品のCM契約は当初3か月間の予定だったが、この前代未聞の広告の反響が大きかったことから、契約期間の延長が決まったクマ。CM放送後は電話が鳴り続け、社員が対応に追われるほどの反響があったという。
▎展開・成果
製品は82年から販売していたが、テレビCMをきっかけに売り上げが急激に伸びたクマ。八名氏は以後26年間に渡って起用されたという。具体的な売上数字や受賞歴は確認できなかったクマ。
▎余韻
「まずい」と言ってもいいか、とスポンサーに確認し、会議が開かれ、条件付きで了承された——この一連の流れが、広告の強度を物語っているクマ。普通なら却下される。でもこれを通したキューサイの決断と、「もう一杯」でフォローする構造を即座に組み立てた知恵が、30年以上語り継がれる名作を生んだクマ。言えないことから逃げず、言い方で突破する。クマも見習いたいクマ。
▎クレジット
▎タグ
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