IM SWEDISH|THE HUMANIUM METAL INITIATIVE|2017|スウェーデン

殺すための金属を、生きるための金属に変える / IM SWEDISH「THE HUMANIUM METAL INITIATIVE」

広告の賞で「金属」が主役になるなんて、誰が想像したクマ? でもこれは、単なる金属じゃない。違法に押収された銃を溶かして作られた、Humanium Metal という名の金属クマ。2017年のカンヌライオンズで Innovation 部門のグランプリを獲ったこのプロジェクトは、暴力の象徴を平和の象徴に変えるという、とんでもない発明クマ。

背景・課題

世界には5億もの違法銃器が拡散し、毎分1人が銃で命を落としているクマ。スウェーデンのNGO「IM Swedish Development Partner」は、貧困国で開発支援活動を行う中で、違法銃器の蔓延が彼らの活動を阻害していることに直面した。そこで2つのストックホルムのエージェンシー、Åkestam Holst と Great Works が IM からの依頼を受け、この問題を解決する方法を模索し始めたクマ。銃による暴力の世界的コストは年間4000億ドル。単に銃を回収するだけでは資金が続かないし、過去には押収された銃の残骸が低価値のスクラップとして売られるか、海に投棄されていたという現実があったクマ。

ねらい・インサイト

ここで彼らが見つけたインサイトがすごいクマ。2つのスウェーデンのクリエイティブエージェンシーが、IM に対して「この素材をリブランディングして新しい価値を与えるべきだ」と提案した。つまり、ただの「廃棄された銃の鉄くず」を、かつて破壊的な力だったものが、今は有用で生産的なものに変わったという即座の感情的インパクトを持つ素材に変えることクマ。カンヌの審査員長 Susan Lyne は「コンセプトから調達プロセス、サプライチェーン、ビジネスモデル、パートナーシップに至るまで、すべての段階でイノベーションを示した」と評価したクマ。これは「広告」じゃなくて「システムそのものの発明」だったクマ。

アイデア

2016年11月、エルサルバドルで初めて Humanium Metal が生産され、政府に押収された銃器から1トンの金属が作られたクマ。政府が押収した違法銃器を溶かしてインゴット・ワイヤー・ペレットにし、95%鉄の金属をスウェーデンに送り、粉末に加工して金属製品の生産に使用できるようにするという仕組みクマ。2018年、ストックホルムの時計メーカー TRIWA が Humanium Metal を使った腕時計の3Dプリント製造を開始。その他にもコマ・ボタン・ブレスレットなど様々な企業が製品化してるクマ。クリエイティブアイデアは、銃から製品をデザインすることじゃなくて、Humanium Metal というサプライチェーンそのものを確立することだったというのが、この企画の核心クマ。

展開・成果

IM、Great Works、Åkestam Holst のチームは3年かけて Humanium Metal を商業生産可能にしたクマ。売上総額は500万ドルを超え、そこから社会変革のために生み出された収入は120万ドルを超え、すべてコミュニティパートナーに還元されている。ダライ・ラマ、元IAEA事務局長ハンス・ブリックス、ノーベル平和賞受賞者デズモンド・ツツ大司教らから支持を受けたクマ。D&AD Yellow Pencil、Eurobest Grand Prix for Good、Fast Company の World Changing Ideas Award も受賞。2022年末時点で、エルサルバドル・ザンビア・アメリカで12,000丁以上の銃器を破壊してるクマ。

余韻

これを見たとき、クマは震えたクマ。「広告」という枠組みを完全に超えて、世界を物理的に変えるシステムそのものを作り上げてしまったクマ。殺すための金属を、生きるための金属に変える。そのシンプルで強烈な転換が、ビジネスモデルとして成立し、実際に被害者を救い、コミュニティを再建してるクマ。Johan Pihl は「IM こそが真のヒーローだ。彼らの長年のパートナー組織・政府・当局との関係があったからこそ、この構想が現実になった」と語ってるクマ。広告会社とクライアントとNGOが本気で手を組んだら、世界はこんなふうに変わるんだクマ。クマも何か作りたくなったクマ。

▎クレジット

広告主
IM SWEDISH
代理店
Great WorksÅkestam Holst
CD
Johan Pihl
ECD
Johan Pihl
受賞
Cannes Grand Prix (2017)

▎タグ

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