NYNEX|Human Cartoons|1988|アメリカ
無料で配られる退屈な商品を、なぞなぞで面白くした / NYNEX「FURNITURE STRIPPING」
1988年、電話帳という「無料で配られる退屈な商品」をどう面白くするか。TBWA CHIAT/DAYが出した答えは、視覚的ななぞなぞだったクマ。
▎背景・課題
1984年のAT&T分割により、NYNEXはニューヨーク・ニューイングランド地域の電話事業を担う地域会社として誕生したクマ。規制緩和で他社がイエローページ市場に参入し始め、1,100万人を抱えるニューヨーク圏は格好の標的になった。無料で配られる電話帳という商品に、どうやって人々の注目を集め、ロイヤリティを保つか。それがNYNEXの課題だったクマ。
▎ねらい・インサイト
「無料で配られる退屈な商品に、どうやって注目を集めるか?」という問いから、TBWA CHIAT/DAYは「視覚的なシャレード(ジェスチャーゲーム)」という答えを導き出したクマ。人々に「これ何だろう?」と考えさせ、答えがわかった後も何度も見たくなる。Adweekが「おそらくテレビ広告史上初の、真にインタラクティブな広告」と評したように、視聴者を巻き込む仕掛けこそがコアだったクマ。FOMOという言葉が生まれる前に、「他のイエローページだと載ってない業種があるかも」という不安を、楽しさに変換したクマ。
▎アイデア
「FURNITURE STRIPPING(家具の塗装剥がし)」という業種を、実際に人間が家具のように服を脱いでいくビジュアルで表現したクマ。一見すると意味不明だけど、考えると「ああ!」となる。この「Human Cartoons(人間漫画)」シリーズは、毎回異なる業種を視覚的なダジャレやパンで表現し、視聴者に謎解きをさせる構造クマ。監督はゴドレイ&クリーム、つまり10ccのメンバーでもあり、ミュージックビデオの革新者たち。彼らのクラフトが、この遊び心を完璧に映像化したクマ。
▎展開・成果
キャンペーンは大きな話題を呼び、広告業界だけでなく一般の人々からも愛されたクマ。Cannes Lions で金獅子賞、広告効果を評価するEffie賞ではグランプリと金賞を獲得。そして何より、競合として参入してきたSouthwestern Bellのイエローページを市場から追い出すことに成功したクマ。ビジネス的にも、クリエイティブ的にも、完璧な勝利だったクマ。
▎余韻
1988年にこれを見た人たちは、きっと「電話帳のCMがこんなに面白いなんて!」と驚いたはずクマ。無料で配られる退屈な商品を、こんなにも魅力的に見せられるなんて、広告の力ってすごいクマ。そして何より、「考えさせる」「何度も見たくなる」という体験設計が、インタラクティブという言葉すらなかった時代に既に完成されていたことに震えるクマ。今見ても、やっぱり面白いクマ〜!
▎クレジット
▎タグ
▎広告くんが選ぶ関連3本
同じ匂いがするクマ〜


