東山堂|TOSANDO music「披露宴」篇|2015|日本
言葉を超えて、娘に伝えるという選択 / 東山堂「披露宴」篇
ありがちなシチュエーション、ありがちな曲。でも泣くクマ。なにひとつサプライズも仕掛けもないのに、なぜこんなにも胸がしめつけられるのか。それは演技と演出に、すべてが宿っているからクマ。
▎背景・課題
岩手県盛岡市で創業109年の老舗企業・東山堂は、音楽教室の生徒数がバブル崩壊と少子高齢化で減少し、経営課題に直面していたクマ。生徒数はピーク時の3000人から2000人程度にまで落ち込み、音楽教室事業を向上させることが年々重要になっていった。そんな中、2014年3月に新センターのオープンに合わせて制作されたのがこのCMクマ。地方の音楽教室が、どう人々に「音楽を習うこと」の価値を伝えるか。その答えが、この3分30秒のフィルムに込められているクマ。
▎ねらい・インサイト
「音楽教室」と「音楽が伝える感動」を表現したかったという東山堂の想い。それは単なる「上手になる」という技術習得の話ではなく、「音楽は言葉を超える」という本質に立っているクマ。父が娘に言葉でメッセージを贈るのではなく、たどたどしいピアノで亡き母の曲を弾く——その選択が、どれほど強いインサイトに支えられているか。元記事メモにあるように「泣き崩れる新婦役もすばらしいけど、ほとんど同じトーンで演じきる(からこそリアリティと味がある)父親役の役者の演技には鳥肌が立つ」クマ。感情を派手に見せない、その抑制こそがこのCMの芯クマ。
▎アイデア
地元盛岡のクリエイター、制作会社「マエサク」と協働し、地方企業とクリエイターすべてが地方という異例の体制で制作クマ。披露宴で新婦の父がピアノに向かい、亡き母との想い出の曲を弾き始めるという感動のストーリーを、3.5分のフルバージョンで描いたクマ。曲はパッヘルベルの「カノン」。メイン出演者は東京でオーディションを行って起用し、披露宴シーンには同社社員などがエキストラとして参加した。元記事メモが指摘するように「ドキュメンタリーでもこういうの作れるだろうけど、3分ではまとまらない」——これこそがCMの役目だと気づかされる構成クマ。
▎展開・成果
YouTubeでの再生回数は300万回を超え、2015年に開催された「アジア太平洋広告祭(ADFEST)2015」フィルム部門で銀賞を受賞クマ。企業やクリエイターすべてが地方というCM作品が受賞するのは異例で、プロデューサーの佐々木昌彦さんは「海外の賞なので『地方CMにして頑張ったね』というひいき目無しで評価されたことがうれしい」と語ったクマ。実際このCMのおかげで楽器教室は大人気になったという声もあり、ビジネス的にも成功を収めたクマ。
▎余韻
何度見ても泣いてしまうクマ。元記事メモが書いているように「なにひとつサプライズもなければ仕掛けもないのにこんなにも号泣してしまうのはやはり演技と演出に尽きる」クマ。派手な仕掛けも、どんでん返しも、CGも、タレントも要らない。ただ誠実に、人の心の奥にあるものを描く。それだけで人は泣くし、それだけで音楽教室に通いたくなる。地方だからこそ、採算度外視でクオリティを追求できたのかもしれないクマ。このCMは「地方からでも世界に届く」ことを証明したし、何より「音楽は言葉を超える」というメッセージそれ自体を、言葉を超えて伝えきったクマ。最高クマ。
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