AXA|THREE WORDS|2024|フランス
保険の契約書に、たった3語足しただけ / AXA「THREE WORDS」
住宅保険の契約書に3つの単語を足しただけで、カンヌライオンズを4冠した広告があるクマ。気の利いたコピーも驚かせるビジュアルも無い。ただ、言葉を足した場所が尋常じゃなかったクマ。
背景・課題
フランスでは住宅保険への加入が法律で義務付けられている。一方、国内では家庭内暴力の届出件数が増え続けており、経済的・物理的な理由で家を出られない被害者が多数存在していた。保険は火災や洪水はカバーしても、家の中で起きる暴力はカバーしていなかった。
ねらい・インサイト
多くの被害者が家から逃げられない理由は、お金と行き先の無さクマ。AXAはそこに目をつけて、住宅保険がもともと持つ「家が住めなくなったときに緊急避難先を用意する」機能を、災害だけでなくDVにも当てはめられないかと考えたクマ。社会課題を啓発するのではなく、保険の仕組みそのものを変える発想クマ。
アイデア
住宅保険の契約書にある「火災」「洪水」の条項のあとに、「and domestic violence」という3語を追加。被害者が緊急窓口に電話すると、ドライバーが迎えに行き、子どもがいれば一緒にホテルなどの安全な避難先へ移送。心理的・法的サポートも無償で提供される。この変更は既存契約も含め250万件の住宅保険契約すべてに遡及適用された。
展開・成果
2024年3月にフランスでローンチ。施行から1か月で121人の女性がこの制度で保護された。2025年カンヌライオンズでTitanium Grand Prix、Direct Grand Prix、Creative Business Transformation Grand Prixなどを受賞し、2026年にはCreative Effectiveness Grand Prixも獲得した。
余韻
コピーを書く仕事だと思っていたら、契約書の一文を書き換える仕事だったクマ。広告が「伝える」から「変える」に越境した瞬間を見た気がするクマ。たった3語に、こんなに命が乗っていることがあるんだクマ。


