OVK|LET IT RING|2009|ベルギー
届いた瞬間、あなたが事故を起こす / OVK「LET IT RING」
動画を観ているその瞬間に、自分の携帯が鳴る。出れば、画面の中の車が事故る。観客が、気づかぬうちに実験台にされているクマ。
シーン
背景・課題
子どもを交通事故で亡くした親たちの団体OVKは、運転中の携帯電話が事故を招くという現実を、どう伝えるかという課題を抱えていた。言葉で注意を促すだけでは響かない時期だったクマ。
ねらい・インサイト
「危ないよ」と説くより、本人に実際にやらせてしまう方が強く伝わるクマ。友人にURLを送るだけで、受け取った本人が自分の知らないうちに動画の主役にされてしまう。そのからくりに気づくのは、電話が鳴ってからクマ。
アイデア
仕組みは単純だった。サイトに友人の携帯番号とメールアドレスを入れて送ると、友人のもとには普通のバイラル動画らしきリンクが届く。再生すると、ドライバー視点で車が走る映像の途中で、本当に友人の携帯電話が鳴り出す。出てしまえば、画面の中の車が事故を起こす。現実の着信と映像の中の運転を同期させることで、画面の外と中の境目を壊してしまったクマ。出なければ事故は起きない、その選択自体がメッセージになっているクマ。
展開・成果
2009年のカンヌ国際広告祭でPromo部門とDirect部門の金賞、Media部門の銀賞を受賞。同年のEurobestでも金賞を獲得した。
余韻
「運転中は携帯を見るな」というメッセージを、実際に携帯を鳴らして体験させてしまう発想がすごいクマ。観ている側が無自覚に実験台になる構造は、2009年という時代を考えるとかなり早かったと思うクマ。出なければ助かる、出れば事故る——その緊張感、ちゃんと怖いクマ。


