BMW|THE KINETIC SCULPTURE FOR THE BMW MUSEUM|2009|ドイツ
714個の金属球が、混沌から秩序を生む7分間 / BMW「THE KINETIC SCULPTURE」
BMWミュージアムのエントランスで、714個の金属球が宙を舞うクマ。最初はただのノイズ。でも7分後、そこにはBMWの輪郭が浮かび上がる。これ、広告っていうより、もはや哲学クマ。
▎背景・課題
2008年にリニューアルオープンしたBMWミュージアムの中心的展示として、ART+COMがデザインした本作は、自動車デザインにおける「形の発見プロセス」を表現するインスタレーションクマ。キネティック・スカルプチャーが空間コミュニケーションに新たな章を開いた年でもあるクマ。ミュージアムという場で、来場者にブランドの哲学を「体験」として手渡す試み。すべての年齢層の来場者を、展示の冒頭から「デザイン」というテーマに引き込む役割を担っているクマ。
▎ねらい・インサイト
6平方メートルのエリアに714個の金属球が天井から極細のスチールワイヤーで吊るされ、個別制御されたステッピングモーターによって7分間のメカトロニクス・ナラティブを演じるクマ。最初はカオス状態。まだ形もデザインのアイデアも見つかっていない。球体は個別に動き、空間的なホワイトノイズの印象を作り出す。これ、めちゃめちゃ本質的クマ。デザインって、何もないところから始まるじゃん。その「まだ何者でもない状態」を、物理的に可視化してるクマ。
▎アイデア
ゆっくりと最初の幾何学的な形が現れ、後に登場する車両の輪郭にゆるやかに関連していく。次のシークエンスでは、競合する形の連続が互いに交差し、次々と置き換わっていく。そのプロセスから最終的な車両の形が生まれるクマ。このナラティブは繰り返され、BMWの過去と現在から5台の象徴的な車のデザインプロセスをカバーする。アイデアとアイデアがぶつかり合い、淘汰され、最終形に収束していく。その「思考のプロセス」を、714本のワイヤーと球体で空間に描き出したクマ。メカニクス、エレクトロニクス、コードの力を借りて、仮想のデザインプロセスを物理空間に翻訳するという発想の強度がハンパないクマ。
▎展開・成果
BMWミュージアムのオープン直後、キネティック・スカルプチャーはYouTubeの自動車カテゴリで1週間、世界で最も視聴された動画になったクマ。2009年のThe One Show Design awardでBest in Showを受賞。さらにClio Awards 2009でGrand Award(Environmental Design部門)、D&AD 2009でPencil、そしてCannes LionsでもGoldを獲得。2008年の再オープン以来、BMWミュージアムは14の国際的に権威ある賞を獲得しているけど、このスカルプチャーがその中心的役割を果たしているクマ。
▎余韻
混沌から秩序が生まれる瞬間を、クマたちは目撃してしまったクマ。広告って「伝える」ものだと思ってたけど、これは「体験させる」ものクマ。ブランドミュージアムというハコを持っているからこそできる贅沢さだけど、その贅沢さを最大限に使い切ってる感じがたまらないクマ。714個の球体が織りなす7分間は、BMWというブランドが「デザインとは何か」を問い続けてきた歴史そのものクマ。見たことないものを見せられると、脳がしびれるクマ〜。
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