DIESEL|ENJOY BEFORE RETURNING|2020|イタリア
年間1兆6千億円の損失を、祝福に変えた / DIESEL「ENJOY BEFORE RETURNING」
「ワードローブ」と呼ばれる行為がある。服を買って、着て、返品する。ファッション業界に年間150億ドルの損失を与えているクマ。どのブランドも頭を抱え、中には常習者をブラックリスト化する小売店まで現れた。そんな中、DIESELは全く逆の道を選んだクマ。「止められないなら、楽しもうよ」と。
▎背景・課題
ワードローブとは、服を買い、特別な日に着用し、14日以内に全額返金してもらう行為。これがファッション業界に年間150億ドルのコストをもたらしている。全米小売業協会によれば、小売業者は2018年の年間売上の平均11%が返品され、そのうち8%が不正返品になると推定していたクマ。 多くのブランドは顧客を疑い、厳しい返品ポリシーで対抗した。しかしDIESELは、この消費者行動を非難するのではなく、むしろそれを受け入れ、祝福することを選んだ。Publicis Italy のクリエイティブディレクター Mihnea Gheorghiu は「おそらく私たちがやった中で最も直感に反する、一見破滅的なアイデア。DIESELの仲間たちですら怖がらせてしまった」と振り返っているクマ。
▎ねらい・インサイト
「もし誰もワードローブをやめさせることができないなら、なぜそもそも止めようとするのか?」。DIESELはワードローブを「普通のこと」として受け入れ、人々に ENJOY BEFORE RETURNING を奨励することにしたクマ。 この行為を奨励しているわけではないが、どうせやるなら、そのプロセスを思い切り楽しんだらどうか、というのがDIESELの考え方。ブランドの反逆精神そのものクマ。顧客を疑うのではなく、顧客の本音に寄り添い、むしろその自由を後押しする。DIESELはワードローブの習慣に対して恨みを抱かない。むしろ、服を最大限楽しむよう促しているという、めちゃめちゃ強い姿勢クマ。
▎アイデア
DIESELの返品ポリシーがグローバルコミュニケーションの中心になった。それはローンチフィルムのための歌になり、ファッションビジュアル全体に貼り付けられた。人々は服を返品するつもりであることを隠さず、夜を満喫する姿が映し出されたクマ。 Publicis Italyによる広告では、ナレーターが歌うようにDIESELの返品ポリシーを朗読する——アイテムはラベル付きで、完璧な状態で返却されなければならない、等々。モデルたちは夜の外出を楽しみながら、タグを付けたまま着ている。ある女性はナプキンまみれになって慎重に食事をし、別の人々はタグを誇らしげに引っ張り出して見せる。 ニューヨークを拠点とする監督デュオ Similar But Different による映像では、街で夜遊びの準備をするキャストが、DIESELのファッションとアクセサリーを誇らしげに身にまとい、服やシワのついた紙タグをアイロンがけする姿が映し出される。ナレーションはアップテンポな音楽に合わせてDIESELの返品ポリシーを繰り返すクマ。
▎展開・成果
キャンペーンは世界のファッションウィーク(ワードローブが急増するタイミング)に合わせて展開され、DIESELのパーティーはブランドに関係なく、ラベルを外に出している人だけが入場できた。ロンドンファッションウィーク期間中、Laylow クラブで「リターンパーティー」も開催したクマ。 Publicis Italy は、DIESEL「Enjoy Before Returning」でカンヌライオンズ史上初の Titanium Lion を獲得。返品ポリシーをグローバルキャンペーンの中心に据え、人々に「返品前に楽しむ」ことを促した。D&AD Awards 2021 では Acquisition & Retention 部門で Yellow Pencil を受賞クマ。Publicis Italy のミラノオフィスは2018年から2022年の間に最も多くのライオン(80個)を獲得し、その中でDIESELが最多の受賞をもたらしたという、とんでもない結果クマ。
▎余韻
業界の損失を、ブランドの哲学に変えた。顧客を敵にせず、味方にした。クマはこういうの、めちゃめちゃ好きクマ。 「ルールを守らせる」のではなく「ルールと一緒に遊ぶ」。これができるブランドは強いし、かっこいい。「服を最大限楽しめ」というメッセージの裏には、「うちの服はそれだけの価値がある」という自信が透けて見えるクマ。 ワードローブする人が「罪悪感」ではなく「誇り」を感じる世界を作った。そりゃTitaniumも取るクマ。最高クマ〜。
▎クレジット
▎タグ
▎広告くんが選ぶ関連3本
同じ匂いがするクマ〜


