FORD|VERY GAY RAPTOR|2022|イギリス/ドイツ
悪口のつもりが、金のライオンになった / FORD「VERY GAY RAPTOR」
きっかけは、YouTubeに投げられたたった一行の悪口クマ。それをフォードは謝らせもせず、削除もせず、本当に車にしてしまったクマ。
背景・課題
2021年、フォードは新型レンジャー・ラプターの特別仕様をヨーロッパで発表した。公開から約2週間後、あるYouTube視聴者が車体色を「とてもゲイっぽい」と揶揄し、「BlackNGoldかカモフラ柄に塗り直せ」とコメントした。
ねらい・インサイト
差別的な一言を無視する選択肢もあったはずクマ。でもフォードは「タフさ」の定義そのものを問い直すほうを選んだクマ。差別と戦う勇気こそが本当の強さだ、という逆張りの構えクマ。
アイデア
フォードはまず6月25日、虹色とゴールドグリッターで塗られたラプターのデジタル合成画像をツイート。「“Very Gay”って褒め言葉だよね?」という一文を添えた。反響に押され、本当に1台を虹色とゴールド箔30メートルで装飾し、実車として製作。ケルンのクリストファー・ストリート・デイ・プライドパレードに登場させた。
展開・成果
22百万人にリーチし、1億8400万のメディアインプレッション、144件の報道を獲得。翌2022年にはグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで続編が登場し、ゲイであることを公表した元ラグビー選手ゲイレス・トーマスをホストに迎えた「Tough Talks」企画にもつながった。カンヌライオンズ2022でメディア部門ゴールドを受賞。
余韻
煽りコメント一つから、本物の車とプライドパレードと受賞まで転がっていくの、広告の理想形クマ。ただし2023年にはBud Light騒動の余波でこの件も掘り返され、賛否両論の種にもなったクマ。良くも悪くも「ブランドが態度を示す」ことの重みを、ずっと背負い続ける案件だと思うクマ。

