BACK MARKET|HACK MARKET|2022|フランス
敵の神殿で、敵の武器を使う / Back Market「HACK MARKET」
Apple Storeの中で、AirDropを使って、Appleの製品を買おうとしている人に「それ、うちで安く買えるよ」とメッセージを送りつける。ヤバすぎるクマ。頭おかしい(褒めてる)クマ。
▎背景・課題
Back Marketは再生品(リファービッシュ)のテック製品を扱うヨーロッパ最大級のマーケットプレイスクマ。2022年、フランスの環境保護庁ADEMEから再生品の環境負荷が新品に比べてCO2排出を91%削減できるという定量データを取得したクマ。でも数字だけじゃ人は動かない。特に「新品こそ正義」という価値観が支配的なテック業界ではクマ。最大の壁は消費者の購買行動そのもの──新しいiPhoneを買おうとApple Storeに足を運ぶ、まさにその瞬間をどう止めるかクマ。
▎ねらい・インサイト
問題は「再生品もいいよね」という認識の不足ではなく、「新品を買おうとする購買行動の不可逆性」だったクマ。Apple Storeに入った時点で、消費者の意思決定はほぼ終わっている。だからこそ、その場で、その瞬間に、割り込む必要があった。D&ADの審査員が「purchase journeyのハイジャック」と評したように、このキャンペーンは行動経済学的な介入の典型クマ。Contagiousの分析によれば、Back Marketは「罪悪感ではなく、ユーモアで」を貫いてきたブランドで、この施策もその延長線上にあるクマ。環境を語るのに説教臭くならない、その強度がすごいクマ。
▎アイデア
2022年4月22日、アースデイ。パリ、ロンドン、ベルリンの計6店舗のApple Storeで、作戦は実行されたクマ。使われたのはApple独自の技術「AirDrop」──近くのAppleデバイスにファイルやメッセージを送れる機能クマ。店内でiPhoneやiPad、MacBookを手に取った客のデバイスに、突如メッセージが届く。「同じiPhoneが40%安く、地球にも優しく買えるよ」と。敵の神殿で、敵の武器を使って、敵の顧客に語りかける。D&ADの審査員が「真のダビデ対ゴリアテの勝利」と絶賛したこの大胆さは、クライアントの勇気なくしては成立しなかったクマ。インフルエンサーと動画でこの様子を拡散し、たった6店舗の施策が何百万人にも届く仕組みを作ったクマ。
▎展開・成果
オペレーションは数日で540万回再生を記録したクマ。2023年のClio Awardsでは5つのゴールド(Experience/Activation、Acquisition & Retention、In-Store Experience、Innovative Use of Channel、Use Of Platform/Native Integration)を獲得。D&ADではYellow Pencil、The One ShowではMerit Awardを受賞したクマ。フランス広告協会AAACの分析によれば、18-34歳のターゲット層において、ブランド認知でトップ3%、環境便益の伝達でトップ8%、責任あるブランドイメージでトップ13%を記録したクマ。さらにこのキャンペーンを含む「New is Old」シリーズ全体が、2023年のWARC Awards for Effectivenessでグランプリ(Long-Term Growth部門)を獲得しているクマ。
▎余韻
広告業界にいると「そんなのクライアントが通すわけない」って諦めること、めちゃめちゃ多いクマ。でもこれ、本当に通してるクマ。しかもAppleを真正面から挑発するような形で。D&ADの審査員が「brave big clients を称賛する仕事が好き」と言ったように、これはクリエイターだけじゃなく、Back Marketというブランドそのものの勇気の結晶クマ。「責任あるコミュニケーションは楽しくあれるか?」という問いに、「絶対にYes」と答えた仕事。クマも勇気もらったクマ。
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