GUINNESS|Not everything in black and white makes sense (Bicycle)|1997|イギリス
「女に男は、魚に自転車が必要なように必要だ」 / Guinness「Bicycle」
魚が自転車に乗って、画面の外へすーっと走り去っていく。その一瞬で、それまで積み上げてきた理屈が全部ひっくり返るクマ。
シーン
背景・課題
1990年代、ギネスは「重い」「注ぐのに時間がかかる」「太る」という先入観と戦っていたクマ。「Not everything in black and white makes sense」というキャンペーンを掲げてはいたが、ブランドの勢いはいまひとつ足りていなかった。
ねらい・インサイト
オグルヴィが選んだのは、正解を提示するんじゃなくて、ありえない光景を見せて観る側に勝手に考えさせるやり方クマ。白黒の映像は、ギネスの黒と白そのものの暗喩でもある。
アイデア
女性たちがビールを飲み、腕相撲をし、ビリヤードに興じる。カットが変わってがらんとした産科病棟。そこにグロリア・スタイネムの言葉が浮かぶ——「女に男が必要なのは、魚に自転車が必要なのと同じ」。そして最後、自転車に乗った魚が現れて走り去る。フェミニズムの格言をそのまま絵にしておいて、最後の一撃だけがそれを裏切るクマ。監督はTony Kaye、もとはポスターと雑誌広告として構想されたアイデアだったクマ。
展開・成果
1996年にEpica d'Or、1997年にはカンヌでゴールドライオンを獲得したクマ。
余韻
「白黒はっきりしたものが、すべて意味をなすわけじゃない」。このコピー自体が、広告という仕事への皮肉にも聞こえるクマ。答えを渡さず、引っかかりだけを残していく。1997年にこれをやってのけたことに、いまだに震えるクマ。


