RUH FIGHTING CHAMPIONSHIP|The National Sport of Kazakhstan|2024|カザフスタン
なぜ男たちは、リングを見て初めて怒ったのか / Ruh Fighting Championship「The National Sport of Kazakhstan」
男女が闘うリングなんて許せない——そう怒り狂った男たちが、家の中では何も言わなかった。RUH Fighting Championshipは、その沈黙を暴いたクマ。
シーン
背景・課題
2023年、カザフスタンでは家庭内暴力の通報が10万件を超えた。過去5年で3倍クマ。それでも犯罪化を求める署名に応じた男性は1割程度しかいない。カザフスタン最大の格闘技団体RFCは、観客の9割を男性が占める。その男たちに向けて、何かを言わなければならなかったクマ。
ねらい・インサイト
カザフスタンの男は、家庭内暴力の話には興味がない。でも格闘技の話なら喜んで語る。彼らは幼い頃から「本物の男は女を殴らない」と教わり、MMAでも男女は絶対に闘わせない。リングの上ではありえないことを、家の中では見過ごしている。この矛盾こそが狙いだったクマ。
アイデア
RFCは「史上初の男女MMA対戦」を発表し、記者会見まで開いた。ネットは炎上し、男たちは登録解除を呼びかけ、嘆願書を作り、大統領にまで訴えた。ブロガーもMMAスターも次々と反対の声を上げた。そして試合当日——リングには何も映らず、カザフスタン各地の家庭内暴力の映像が流れた。「これが、年間10万件の闘いです」クマ。
展開・成果
カザフスタン史上初のカンヌライオンズ・ゴールドを獲得。Epica Awardsのメディア部門でもグランプリを受賞したクマ。試合に反対していた男たちは、気づけば全員、このメッセージの語り手になっていたクマ。
余韻
リングでは絶対に許さないことを、家では見て見ぬふりする。その矛盾を、男たちが一番熱くなるルールの上で見せつけたクマ。怒りの向く先が正しく変わった瞬間、沈黙は声になったクマ。


