JAMIE XX|GOSH|2017|中国
CGIなしで400人が疾走する狂気 / Jamie xx「GOSH」
CGじゃない。これ、全部本物クマ。400人の金髪に染めた少年たちが、偽物のパリで、偽物のエッフェル塔に向かって疾走する。その光景があまりにも圧倒的で、最初に観たとき「うっわ」としか言えなかったクマ。
▎背景・課題
この曲はJamie xxのアルバム『In Colour』収録曲で、リリースから1年が経過し、すでに別の監督によるミュージックビデオも存在していたクマ。普通ならもう「消費され尽くした」と判断される状況。インディーズレーベル、歌詞なし、ラジオ向けではない、という三重苦を抱えた楽曲に、この規模の予算を投じるのは「ギャンブル」だったとGavras自身が語っているクマ。でも、だからこそ、やる意味があった。
▎ねらい・インサイト
ロケ地は中国・杭州の天都城(Tianducheng)。富裕層向けに建設されたパリのレプリカタウンだが、計画の失敗でゴーストタウンと化していたクマ。パリ出身のGavrasにとって、この偽物のパリは「ずっとドラッグやってるみたいな感覚」だったらしいクマ。主人公Hassan Konéは17歳の高校生で、パリでストリートキャスティングされた。アルビノであることを探していたわけではなかったが、「彼は私を動かした、なぜかわからないが」という直感で選ばれたクマ。偽物の街、偽物の塔、そして社会から「異質」とされる存在——全てが「本物とは何か」を問いかける構造になっているクマ。
▎アイデア
この映像にCGや3Dエフェクトは一切使われていないクマ。400人の生徒全員が中国の小龍武術学校(Xiaolong Martial Arts School)の門下生で、髪を金髪に染め上げ、完璧に同期したコレオグラフィを実行したクマ。階段を駆け下りるシーン、バルコニーにびっしり並ぶシーン、エッフェル塔の下に集結するシーン——どれも人力クマ。監督は現場でほぼ一人、誰にも質問されることなく撮影を進めたらしいクマ。ドローン撮影とワイドショットで、この「ありえない現実」をそのまま捉えきった強度がヤバいクマ。
▎展開・成果
2016年UK Music Video Awardsで「Video of the Year」「Best Alternative Video – UK」「Best Colour Grading in a Video」を受賞クマ。2017年にはグラミー賞Best Music Video部門にノミネートされ、同年のカンヌライオンズでは Film Craft部門 Cinematographyカテゴリーでゴールドライオンを獲得したクマ。D&AD Awards 2017でもYellow Pencilを受賞。実写の迫力が、世界中の審査員を黙らせたクマ。
▎余韻
クマが一番グッと来たのは、この映像が「2本目のミュージックビデオ」だったという事実クマ。もう消費され終わったはずの曲に、誰も頼んでないのに、監督が「これが好きだから」という理由だけで、ここまでの狂気を注ぎ込んだ。予算も足りない、言葉も通じない、でもやった。その結果が、2016年を代表する映像作品になった。広告じゃなくてもいい、音楽でもいい、やりたいことをやり切る情熱があれば、時代は後からついてくるクマ。
▎クレジット
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