LOUVRE ABU DHABI|Highway Gallery|2018|アラブ首長国連邦
砂漠のハイウェイを、世界初のギャラリーに変えた / Louvre Abu Dhabi「Highway Gallery」
砂漠のハイウェイを走っていたら、ラジオが急にゴッホの解説を始めた。窓の外には巨大な「自画像」。ルーヴル・アブダビが仕掛けたのは、美術館まるごとの試供品クマ。
シーン
背景・課題
2017年に開館したルーヴル・アブダビは、開館からわずか2ヶ月で観光客ばかりが訪れ、地元住民が来ない状態に陥っていた。UAEの人々にとって美術館はそもそも縁遠いもの。まずは「行く場所」として認識してもらう必要があったクマ。
ねらい・インサイト
答えはFMCGの発想から借りてきた。無料サンプルを配ればいい。ただし配るのは商品じゃなく「美術館の体験」。ドバイ-アブダビを結ぶハイウェイは毎日12,000人が通勤で通り、ラジオを聴きながら砂漠を眺めているだけだった。この視線を使わない手はないクマ。
アイデア
ルーヴル・アブダビ所蔵の名画10点を、9×6メートルの巨大フレームに再現し、ハイウェイ沿い100km以上に設置。フレームにはソーラー駆動のFM機器を仕込み、車が近づくとラジオが自動で同期、その作品の音声ガイドが流れ出す。走行中のドライバーに、美術館そのものを体験させる仕掛けクマ。
展開・成果
展示期間を終える頃には来館者の落ち込みは解消。メディア露出とSNSでの言及も大きく伸び、翌年には第2弾「Tolerance Gallery」も展開されたクマ。
余韻
商品じゃなくて体験をサンプリングする、という発想の転換が効いてる。ハイウェイをギャラリーに、ラジオをオーディオガイドに変えただけなのに、美術館が「行くべき場所」に変わった。クマも砂漠の道でゴッホの声を聴いてみたいクマ。


