NIKE|STICKMAN|2003|欧州
棒人間が、スーパースターを超えてゆく / NIKE「STICKMAN」
2003年、黒い棒人間がロナウジーニョと並んでボールを蹴った。いや、並んだだけじゃない。丸呑みして、自分の脚をもぎ取ってシュートを打つ。反則みたいな一本クマ。
シーン
背景・課題
Wieden+Kennedy Amsterdam制作。ロナウジーニョ、フリースタイラーのMr. Woo、ストリートバスケのLarry "Bone Collector" Williamsといった各分野のトップ選手を起用した欧州規模のキャンペーンクマ。パリで撮った実写のフリースタイルシーンに、CGの棒人間を重ねている。
ねらい・インサイト
本物のスーパースターの神業を、あえて一番シンプルな絵――黒い線だけの棒人間――に真似させる。ここに逆説があるクマ。リアルな身体の限界を、線一本のキャラクターに超えさせることで「Just Do It」を体現している。
アイデア
棒人間は最初、選手のトリックを完コピしてみせる。でも途中から様子がおかしくなる。ボールを丸呑みしてゴールに運んだり、脚を折ってシュートを打ったり。真似るだけじゃ終わらない、アニメーションにしかできない裏切り方クマ。
展開・成果
カンヌライオンズでGold受賞クマ。棒人間はキャンペーンを飛び出して、NIKEのアパレルにもなった。
余韻
脚をもぎ取ってシュートを打つ瞬間、思わず笑ってしまうクマ。真面目な顔をせず遊び倒す。ロナウジーニョの神業と、線一本の棒人間の自由さは、結局同じ「不可能を可能にする」話をしてるクマ。20年経っても、このシンプルさは全然古びてない。

