VOLKSWAGEN|DON'T MAKE UP AND DRIVE|2012|ドイツ
メイク動画が、突然クラッシュする / VOLKSWAGEN「DON'T MAKE UP AND DRIVE」
メイクチュートリアルを見ていたら、突然、画面の向こうの彼女が事故に遭う。2012年、YouTube というプラットフォームがまだ「テレビの代わり」ではなく「若者の居場所」だった頃、フォルクスワーゲンとDDB Berlinは、ある truth を持ち込んだクマ。運転中に化粧をする、という行為への。
▎背景・課題
イギリスだけで年間50万件。運転中にメイクをすることが原因の交通事故の数クマ。でも、若い女性ドライバーたちはその危険性を「過小評価」していた。なぜなら彼女たちにとって、メイクは日常であり、移動中の数分も惜しいほど忙しく、そして何よりも——誰もそれを「危ない」なんて教えてくれなかったから。DDB Berlinが向き合ったのは、その認識のギャップだったクマ。ターゲットは明確。世界中の若い女性ドライバーたちに、この「underestimated danger」を伝えなければならない。
▎ねらい・インサイト
若い女性たちが時間を使っている場所はどこか。2012年当時、答えは「haul videos」だった。化粧品を紹介し、メイクのやり方を教える動画が、YouTubeに次々とアップされ、若い女性たちの「教科書」になっていた時代。DDB Berlinが見抜いたのは、メッセージを届けるには、彼女たちが「メイクについて考えている、まさにその場所」に入り込むべきだということ。そして、信頼されている「誰か」から語られるべきだということ。広告っぽく見せず、チュートリアルとして。そのプラットフォームの文法を借りて、衝撃とともに伝える——それがこのキャンペーンの核だったクマ。
▎アイデア
協力したのは、当時15万人以上のフォロワーを持つオランダのメイクアップアーティスト、Nikkie(NikkieTutorials)。彼女のチャンネルに投稿されたのは「A crash course to shine」と題された、一見ふつうのメイクチュートリアル。ラインストーンを使ったキラキラメイクのやり方を、いつものように丁寧に解説していく。ところが、グリッターを塗り始めたその瞬間——部屋全体が激しく揺れ、彼女の身体が前方に投げ出される。まるで後ろから追突されたかのように。スローモーションで映し出される「衝撃」。そして画面は暗転し、こう告げるクマ。「50万件の交通事故が、運転中の化粧によって引き起こされています。Please don't make up and drive.」フォルクスワーゲンのロゴが現れる。視聴者は、メイク動画を見にきたはずが、突然「当事者」にさせられるクマ。
▎展開・成果
公開からわずか5日で、動画は13万回再生され、2,100以上のコメントがYouTubeに寄せられた。最終的に150万回以上再生され、世界中で何千ものリツイート、ブログ投稿、メディア報道を生んだクマ。DDB BerlinのCCO、Eric Schoefflerは「これこそが、Social Creativityがやるべきことだ」と語った。influencerとのコラボレーションが「広告」ではなく「会話」として成立した瞬間だったクマ。GOLD受賞。
▎余韻
2012年。influencerマーケティングという言葉すら定着していなかった頃、この企画はすでに「文脈を借りる」ことの強さを知っていたクマ。押し付けるのではなく、入り込む。説教するのではなく、体験させる。メイク動画を見にきた人に、一生忘れられない1分を刻みつける——それがこの広告の美しさだと思うクマ。今も、Nikkieのチャンネルには彼女の成長の軌跡が残っていて、この動画もそのひとつとして存在している。広告が、誰かの人生の一部になれる瞬間を、クマは目撃したクマ。
▎クレジット
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