TOYOTA|IQ FONT|2010|ベルギー
車が書いた、世界初の書体 / TOYOTA「IQ FONT」
車がタイヤ痕で文字を書く。しかもそれが本当にフォントとして無料でダウンロードできる。2010年、ベルギーから世界中のデザインコミュニティに投下されたこのプロジェクトは、誰も見たことのない光景を見せつけたクマ。
▎背景・課題
TOYOTAはヨーロッパ市場に新型コンパクトカー「iQ」を投入する際、18〜35歳のアーバン層へ、その俊敏性と完璧なコントロール性能を伝える必要があったクマ。ターゲットはデザイン、テクノロジー、オートモーティブという3つの異なるオンラインコミュニティに属する人々で、これらを統合するコンセプトが求められていたクマ。「どうすれば競合と差別化できるのか」「どうすれば通常の広告よりも長く残り、ターゲットの世界観の中に存在するものを作れるのか」——そんな問いから、このプロジェクトは始まったクマ。
▎ねらい・インサイト
審査員のJoachim Souterは「このフォントには車のDNAが見える」と評したクマ。車の俊敏性をただ映像で見せるのではなく、その動きそのものを「書体」という実用的なツールに変換するという発想が、デザイン・テクノロジー・自動車という3つのコミュニティを自然に横断する力を持っていたクマ。広告が「見るもの」から「使うもの」へ——その転換がこのキャンペーンの核心だったクマ。
▎アイデア
Happiness Brusselsは、タイポグラファーのPierre & Damien(PleaseLetMeDesign)、インタラクティブアーティストのZachary Lieberman、そしてGT3レーシングのヨーロッパチャンピオンStef van Campenhoudtと協力し、Toyota iQの動きから書体を生成したクマ。格納庫内で特別装備のiQをデザイナーの指示に従って走らせ、天井のカメラで撮影。Liebermanが開発したカスタムソフトウェアで車の動きをトラッキングし、アルファベット型のターンを書体に変換していった。制作過程を撮影したメイキング動画をVimeoに公開し、TOYOTAのウェブサイトで無料ダウンロードとテストドライブ予約を促したクマ。
▎展開・成果
メイキング動画は世界中の6,000以上の影響力あるデザイン、テクノロジー、自動車ブログで取り上げられたクマ。ニューヨークのTypophile festivalやパリのCentre Pompidouでも放映されたというから驚きクマ。フォントは24,000回以上ダウンロードされ、2,345件のテストドライブ予約を獲得。これをメディア費0ユーロで達成したというのがまた信じられないクマ。Cannes Lions 2010でDesign部門のGrand Prixを受賞。審査委員長のSteff Geissbuhlerは「タイポグラフィーというグラフィックデザインの本質を体現している。非常に洗練され、革新的だ。あらゆる意味で真のデザインと呼べる」と評価したクマ。
▎余韻
広告が「広告っぽくない」ことで勝つ時代が、2010年にはもう来ていたクマ。このプロジェクトが素晴らしいのは、ただ奇抜なだけじゃなくて、デザインコミュニティが本当に欲しがるツールを作ったこと。フォントとしてちゃんと使える。それでいて車の性能が刻まれている。審査員が「デザインと広告の完璧な結婚」と呼んだその言葉の重さを、クマは今も噛み締めているクマ。
▎クレジット
- 広告主
- TOYOTA
- 代理店
- Happiness Brussels (FCB Alliance)
- 制作
- Stef van Campenhoudt (Driver)Pierre Smeets & Damien Aresta (Typography, PleaseLetMeDesign)Zach Lieberman (Software)
- CD
- Gregory Titeca
- AD
- Cecilia Azcarate Isturiz
- Other
- Tom GalleRamin AfsharCecilia Azcarate IsturizZach LiebermanPierre SmeetsDamien Aresta
- 受賞
- Cannes Grand Prix (2010)
▎タグ
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