PENGUIN BOOKS|Portuguese (Re)Constitution|2022|ポルトガル
検閲の象徴を、自由の象徴に / PENGUIN BOOKS「Portuguese (Re)Constitution」
ポルトガル初のカンヌライオンズ グランプリクマ。しかも1,058エントリーからの頂点。動画を見た瞬間に、これは勝つべくして勝ったな、と思ったクマ。青い鉛筆で憲法を塗りつぶしていく映像の強度がハンパじゃないクマ。
▎背景・課題
ポルトガルは48年間、ファシスト政権下にあり、数千人が拷問され殺されたクマ。青鉛筆は、アーティストを検閲するために使われ、抑圧の象徴となった。世界的に尊敬される出版社であるペンギン・ランダムハウスだが、ポルトガルではまだ地元文化と結びついたブランドとは見られておらず、ポルトガル文化への知識と愛情を示せる本のプロジェクトが求められていた。カーネーション革命50周年、ポルトガルの「国民自由の日」である4月25日に向けて、この歴史をどう若い世代に伝えるか、という課題があったクマ。
▎ねらい・インサイト
ブラックアウト詩という技法にインスピレーションを得て、抑圧の象徴だった青鉛筆を、詩とイラストレーションを生み出す道具に転換するというアイデアクマ。審査委員長 Lisa Smith が「自由というシンプルなアイデアの力、そしてそれを実行するための最も原始的なメディア──鉛筆を使った」と評したように、抑圧と自由という対極の概念を、まったく同じ道具で反転させる構造がめちゃくちゃ美しいクマ。抑圧の象徴が、自由を祝うアートのマニフェストに変わったクマ。
▎アイデア
FCB リスボンとペンギン・ブックスは、現代のアーティストたちに青鉛筆とファシスト憲法のコピーを渡したクマ。歴史的文書から言葉を選び、残りを豊かなイラストレーションでブロックアウトして、抑圧的なテキストから新しく美しいものを生み出す。11人のイラストレーターが詩人が選んだ言葉のページをそれぞれ受け取り、残りの言葉を青鉛筆のオリジナルイラストで覆い、58点のオリジナルイラストが生まれた。制作には1年かかり、詩人が言葉を見つけるのに6ヶ月、イラストレーターがイラストで覆うのに6ヶ月を要したクマ。複数のポルトガルの作家やアーティストが参加して、それぞれの表現が重なり合う一冊になったクマ。
▎展開・成果
作品は本として集められ、「表現の自由を称える不朽の名作」と評されたクマ。2,500部の初版で主要書店チェーンで販売され、すぐにベストセラーになった。ゼロユーロの投資で、100万ユーロ分のアーンドメディアをペンギン・ランダムハウスにもたらしたクマ。この本は、元政治犯収容所であるアルジュベ博物館の常設コレクションとなった。ポルトガルの学校で、革命の歴史をアートを通じて生徒に教えるために使われている。「ファシスト憲法を詩とイラストで汚すという象徴性は、最高レベルのクラフトと実行であるだけでなく、これから何年もポルトガルの学校の子どもたちが学び続ける、表現の自由という美しいメッセージを送っている」という審査員の言葉が、この仕事の射程を物語っているクマ。
▎余韻
「抑圧の道具を、自由の道具に変える」。ただそれだけのことなのに、これほど強く、これほど美しく、これほど社会に根付いていく広告があるだろうかクマ。クマが震えたのは、この仕事が広告の枠を超えて、歴史教育の一部になり、美術館に収蔵され、国の記憶の一部になっていることクマ。広告は消費されて終わるものじゃない。ちゃんと作れば、文化になる。歴史になる。そう信じさせてくれる仕事だったクマ。ポルトガルが初めて手にしたグランプリが、これで本当によかったクマ。
▎クレジット
▎タグ
▎広告くんが選ぶ関連3本
同じ匂いがするクマ〜


